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低圧でも盗難被害が急増、古典的な対策に一定の効果

保険の変化で、発電事業者が自衛を優先へ

近年、低圧太陽光発電所における盗難被害が急増していることが報告されています。特に電線の盗難が目立っており、発電事業者はこれまで以上に自衛対策を強化する必要に迫られています。

梅雨時期と盗難被害の関係

梅雨の季節になると、日が長くなり、夜間が短くなるため、太陽光発電所の電線盗難被害が減少する傾向があります。泥棒にとっては、人目を避けるための暗い時間が短くなることが作業を難しくする要因となります。また、気温と湿度の上昇により雑草が繁茂し、虫が増えることで、窃盗作業の負担も増大します。

防犯対策の強化

低圧事業用太陽光発電所では、防犯対策の強化が進んでいます。エネテクによると、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で、さまざまな防犯対策が施されています。

コンクリートブロックでの電線保護

幹線となる電線をコンクリートのブロックで覆うことで、犯行に時間を要する施工を行うことが一目でわかるようにし、盗難抑止効果を高めています。この手法により、電線の抜き取りが難しくなり、窃盗犯が諦める可能性が高まります。

根巻きによる電線保護

連系点となる電柱を上っていく幹線の電線をモルタルやコンクリートで固める「根巻き」手法も多く採用されています。施工範囲が少なく済み、見た目もスマートであるため、最も多く採用されている方法です。

集電箱や接続箱の保護

集電箱や接続箱の入出力経路を根巻きし、さらに鋼管やコンクリートで覆うことで、電線の簡単な抜き取りを防止しています(図3)。

鋼板での電柱保護

連系柱そのものを鋼板で覆う手法もあります。最近、あるメーカーの同様の商材がテレビ番組で特集されたことから、問い合わせが増加しています。

保険の変化と自衛の必要性

2024年4月以降、損害保険の更新で盗難や売電補償が対象外となったり、免責額が設定されるケースが増えています。このため、盗難被害の復旧を保険で賄えず、発電事業者が自費で負担しなければならなくなりました。この状況を受け、低圧事業用太陽光発電所のオーナーや投資家からの防犯対策工事の相談件数が増えています。

古典的な対策ではありますが、コンクリートブロックや根巻きによる防犯対策は一定の効果を上げており、被害に遭った発電所では再度の被害が発生していない例もあります。防犯対策を講じることで、盗難被害を未然に防ぐことが可能となります。

発電設備のメンテナンスには手間がかかるものの、盗難被害を防ぐことの優先度は高く、発電事業者は自衛策の強化に努めましょう!!

#太陽光発電 #盗難対策 #防犯対策 #低圧発電 #発電事業者

【日経BPより】低圧でも盗難被害が急増、古典的な対策に一定の効果 https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00163/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw


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