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D.カネーギー『人を動かす』を読んで

久しぶりの投稿になります。今回は、これまで上げてきたようなサッカーの戦術に関することではなく、先日読んだ本の中で印象に残った言葉について書いていきたいと思います。

1.本の概要

この本は、「人を動かす」という題名にはなっていますが、立場の上で多くの人を動かさなければいけない指導者や管理職だけに向けた本ではありません。あくまで日ごろの1対1の対人関係に関することが題材であり、私たちの多くに応用できる本であります。
コロナウイルスの影響で人と接する機会が減った今だからこそ、”人と人との関係””について考える良い機会になると思います。

2.”どんな人でも何らかの点で私よりも優れている”

この本の中で印象に残った言葉は、哲学者エマーソンのこの言葉である。
”どんな人でも何らかの点で私よりも優れている”

私たちは常日頃から様々なメディアを通して、「あの俳優がかっこいい」とか「あのスポーツ選手は私たちの誇りだ」などと有名人には、惜しみない尊敬と賛辞を与えている。
しかし、いつも一緒に生活を共にする家族であったり友達や同僚であったりに対する態度はどうだろうか。

少なくとも私は、周りにいる人たちに比べて自分がどのような点で優れているのかという部分のほうが大いに関心があると思う。勉強においても仕事においても周りより優れていれば評価されるからである。

ただ本書に挙げられていたエマーソンのこの言葉には、他人が自分より優れている点を認めることが非常に勇気がいることであり、それをできる人間こそが本物の意味で偉大な人間であるという意味も込められているという。
また、著者であるD.カネーギーは、このエマーソンの言葉につけ足して
これができる人は他人に”自己の重要感”(周りから必要とされている実感)を与えることができるという。
だからこそ、偉大な人間は人を動かすための信頼を勝ち取れる。

この言葉を見た瞬間、今までの自分がくだらない自尊心を抱き、自らが残した結果だけでしか自分の価値を見いだせていないことに気づいた。
今までの自分の考えでは、今後人を動かすための信頼を勝ち取れないだろうし、成功をつかむことは難しいだろう。
この本を読み終わったとき、今後の自らの人生を豊かにしていくためにも
周りの人間の長所を素直に認めて、他者から学んでいく姿勢を忘れないようにしていきたいと思った。

3.最後に

本書には他にも多くの偉人の言葉とともに、人を動かす真の信頼を得る手掛かりが書かれている。サッカーの指導者をしている自分には、クロップやグアルディオラという名将たちがなぜクラブスタッフ全員の名前を覚えるのか、どうしてあれほどまで選手をほめるのかがようやく少し理解できた気がする。

とにかく、他者へのリスペクトや尊厳は、地位や年齢などに関わらずどんな相手に対しても忘れてはいけない。そんな当たり前だからこそ難しく、重要なことを本書から学べたと思う。

最後に、他者への真のリスペクトが与える影響を的確に表した、米国の作家ジャック・ウッドフォードの言葉を紹介して終わる。

”どんな誉め言葉に惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされる”



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