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アスリート、カモ。。。

公園のゴミ拾いボランティアに参加した。駅前から、スタート。トングを使って、ずんずん、拾っていく。タバコの吸殻、謎の靴下、へばりつくガム、ペットボトル、段ボール、、あまりに夢中になると、通行人が見えなくなるので、迷惑ボランティアにならないよう、俯瞰して街をみていくイメージで。。。

公園に入ると、気分はガラリと変わる。今度は鮮やかな緑、煌めく池の水面に、ふわりと心が穏やかに。

風が強くなってきた。池の水は、こちらからあちらへ、すぅーと、流れている。
その上をカモたちもすぅーと流れていく。
ほとんどのカモたちが、こちらからあちらへ向かう中、ただ一羽、こちら向きに、じっと動かないカモがいた。
風にむかって、じっとしている。
ように見えたが、よく見るとその足は水中で動いている。まるでランニングマシンにのっているかのようだ!
ええええ!!!
まわりのカモたちは、気ままに流れに乗って、すいすいと泳いでいるのに、君は何故???
そのカモは、顔色ひとつ変えずに、ひたすらその場で風の抵抗を受けながら、、、泳いでいる。

「のんびり流れに身を任せすいすい生きていこうよ。」なのか、
「日々、、ちょっとくらい、抵抗して生きていこうよ。」なのか。

アスリート、カモは、私に問いかけているようだ。

ふっと我に帰ると、ボランティア隊は池のずっと向こうに移動していた。

トングで焼き肉くらいしか摘まみ上げていなかった私の手はわなわなしてきていたが、その痺れは心までも痺れさせた。





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