見出し画像

11 先のことを考える能力がない

 モラルハラスメントをする人にとって、計画的に、先々のことを考えて行動することはとてつもなく難しいことです。私の元夫はまさに当てはまりました。前回の投稿でも触れましたが、予定の逆算ができません。明日は10時に出発だから、8時半には起きる。だから今夜は23時に寝よう、などと考えられないのです。全ては気分、行き当たりばったりで、だから当日に朝帰りをしますし、起きてこないし、家族を待たせても遅刻しても予定がキャンセルになっても平気です。ギリギリの時間になってやっと準備を始めるのです。
 計画性の別の例が、お金のことです。これも、渡した分すべて散財してしまいます。モラハラ夫は、自分が自由に使えるお金にしか興味がなく、将来のこと、子どものことを考えることができません。私がしっかりしなくては、この家族は破産してしまってもおかしくありませんでした。

十分なこづかいでも「足りない」

 夫は相変わらず仕事が忙しく、家事、育児はすべて私が担当していました。疲れ果てて帰ってくる夫に、少しでもリラックスしてほしかったし、そのような環境を作るのも私の役目と思っていたからです。このころは、夫に期待せず、とにかく明るい雰囲気を用意してあげることに一生懸命でした。
2時間おきの授乳、おむつ、沐浴、寝かしつけ、それに加えて洗濯掃除料理をこなす日々で体はいつも疲れていました。この頃は、体調不良の時、夫は冷たいとなんとなく気づいていたので(確信はまだ持てていません。鈍感)、辛くても元気にふるまっていました
 そして夫の収入では全然足りなかったので、こっそり、私の貯蓄を切り崩して生活していました。夫のプライドを傷つけないためです。

モラ夫「こんなに働いてるのに自由なお金ない」
その言葉を聞くたびに、間接的に私が責められているような気分になりました。やりくりが下手とか、もっと節約して!と言われているような気分になったのです。

「おこづかいは結構渡している方だと思うけど。やりくりも頑張っているんだよ」
モラ夫「こんなに、って?たったこれだけで何ができるん?」と、不満ばかり言っていました。

そしてクローゼットをあけては
「服がない」
「靴がない」
「カバンもない」
とため息をつくのです。私だってほしい服は出産後ほとんど買っていません。

「服くらいお小遣いやりくりして買えるでしょ」
モラ夫「普通、服は必要なものだから家のお金から出すものだ」
モラ夫「俺はお金がない」
モラ夫「そもそもこづかいが少なすぎ」
の繰り返しです。手取り二十万円で、小遣いは7万円。少ないでしょうか?家計の理解がなさすぎます。夫は渡したお金はすべて使ってしまうので、将来の貯蓄は私が計画的にするしかありません。家も車も教育費も、夫に頼っていては何一つ支払えません。私が働きだすまでは辛抱しよう。と決意しました。

家族のための行動も「わがまま」?

 節約のため、できるだけ手料理を工夫して、節約して生活しました。私は、独身時代に貯金したものが少しは残っているので、夫の給料から小遣いをもらわなくても、貯金を切り崩して好きなお菓子や服をたまに買うくらいはできました。それでも生活はギリギリで、私の貯金を崩して夫の小遣いにあてる時もかなりありました。

「お金が足りない、家計が苦しい」
と言えばたちまち不機嫌になり、
モラ夫「じゃあもっと狭い家に引っ越さな」「お前のやりくりが下手」「服も自分だけ買いすぎ。それはわがままの証拠」
など文句が始まりました。せっかく仲良く暮らしているのにお金のことで喧嘩はしたくありません。それに意見を言うと「それはあなたのわがまま」という言葉で済まされました。家族のために忠告することがわがままなのでしょうか?元夫は「わがまま」という言葉を本当に頻繁に使いました。それってものすごくストレスなんです。だからお金がないことを悟られないように生活していました。夫が機嫌よくいてくれることが私にとって一番大切だったのです。

次回に続きます。


よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは出版費用に当てたいと思います。すこしでも世の中のモラルハラスメント 被害者の参考になれば嬉しいです!