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6 優しさはモラハラの戦略

離れていくと優しくし、戻ってきたら再び攻撃

モラハラ夫は心無い言葉とセットで優しい言葉も投げてきます。結婚継続はもうアウトだなというやり取りの数日後、信じられないメールが来ました。

モラ夫「あなたのことは本当に尊敬してるし信用してる。今日からまた新しくやり直そうよ!僕たちならできるよ」

 正直、ドン引きです。その言葉に揺れ動かなかった自分に拍手を送りたいです。モラハラ加害者は相手が本気で離れそうになると、甘い言葉や態度で引き留めます。そして自分のもとに帰ってくると再びモラルハラスメントで攻撃するのです。

 多くのモラハラ被害者は、相手に尽くし、必要とされることに喜びを感じる優しい心の持ち主です。相手を見捨てることができず、自分が努力すれば再び幸せになれるのではないか、と錯覚してしまうのです。今までの幸せはすべて自分の我慢で成り立っているが故に、「私が耐えれば幸せは保障される」と思ってしまい、関係を断ち切れないのです。実際に、別れるか戻るかのタイミングで揺れ動き、ずるずると関係を続けたり、もとの状態に戻ったとたん再び傷つけられる被害者は多いと思います。


相手をコントロールするために突き放す

(1)突然別れを切り出して相手を翻弄する

 結婚前に、彼に振られて別れた状態の時がありました。別れた理由は今もわかりません。急に電話がかかってきて「もう別れよう」と言われました。「今まで嫌だった。もう耐えられない」と。「なにが嫌なの」と言っても「ぜんぶ」というだけで納得できませんでしたが、モラ彼は絶対に意見を変えません。私は「理由も教えてもらえないなんて、悪いところを直させてももらえないの?」と悲しくて泣きました。

 しかし別れても連絡が途絶えることはなく、「今何してる?」「仕事むりすんなよー」とか付き合っている時と同じ会話が続きました。むしろ付き合っている時より優しいくらいでした。そして私は、途絶えない連絡も、優しい言葉も断ち切れませんでした。そして「お願いだからまた私と付き合ってほしい」と言っては断られる、の繰り返しでした。さぞ優越感に浸っていただろうと思います。そして再びお付き合いをすることになったのです。しかも私の方からどうしてもお願いした、という実績になってしまいました。

 1年後結婚が決まった時、私の中には「あの時無理なお願いを聞いて結婚してくれて、感謝しなきゃ」という思いが強くありました。それこそが、相手より上位に立つ戦略だったのです。本当に恐ろしいです。

 そうして「私なんかと無理に結婚してくれたんだから、これからは後悔させないように、私が努力して、温かい家庭を作るのだ」と、極端なパワーバランスで結婚生活がスタートしたのです。 不公平に気づかず、むしろ相手に必要とされる喜びを錯覚していた自分に気づいたのは、本当に今、この記事を書いているときです。ああ、そうだったのか、最初から、まんまと戦略に騙されていたんです。怖い・・・。


(2)結婚後突然の「離婚」宣告

 まだ上の子が小さい頃、原因不明の無視が数日間続いたことがありました。意味なく無視するというのも、モラハラの大きな特徴です(この辛い出来事の詳細は後の記事で詳しく載せますので、ここでは省きます)。

 ある日突然「離婚したい。今までずっと嫌やった。お前がずっとイラつくんだよ」と切り出されたのです。喧嘩や言い合いをしていたわけではありません。突然部屋から出てきて言ったのです。私は唖然としました。あまりのショックにパニックと過呼吸になりました。

 それを見た夫はこう言いました。

モラ夫「ほらな!こういうところが嫌いなんだよ。パニック症候群やったらちゃんと病院行けよ」

そして離婚したい理由を聞いても「今までずっと嫌だった」の一点張りです。納得できるわけがありません。

 以下は離婚に至る経緯や、その時のやり取りなど含んだ記述があります。毎日気を付けて生活していますが、離婚後はモラハラから暴力に発展するのではないか、と思わせる言動すらありました。一度敵になってしまいましたので、徹底的な攻撃が始まってしまったのかもしれません。怖いですが、乗り越えなくては。

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