子育てのコンパス

2人の娘を持つ普通の主婦が脳科学に出会った
ことで自分自身、親と子の関係が劇的に変わった
お話


第1章 子育て迷子

<これまでの親子関係>
私には2人の娘がいる。これまでは正直ずっと子育て迷子状態だった。
娘にどう接していいか分からずいつも不満を
感じ、自分を情けなく思い後悔の日々。

それに加えて長女は受験生。
なぜか親の私の方が焦っている。
本人は志望校はあるらしいが自発性はなく
いつもダラダラとしている。勉強嫌いと公言もしている。
机に向かっても続かない。それを見てると
少しも待てず、「やることやったの?!」と
つい声をあげてしまう。

私自身、常に娘に気を取られ、娘は常に監視
されているというお互い気の休まらない状態
だった。
顔を合わせても2人して表情も無で会話しても
きつい口調になっていた。
もちろん愛情はあった。でもそれをどう表していいかも分からず、ただ"正しい人"にさせる
ことに懸命だった。それが私なりの愛し方
だった。

<脳科学との出会い>
元々心配性だった私。夫の転勤でタイの
バンコクに家族帯同で住んでいた頃、
ちょうど世界中でコロナが流行り始めた。
慣れない海外での感染の恐怖、ロックダウン
学校の閉鎖、その恐怖心や不安感に襲われ
完全に心身共に壊してしまった。
ただ海外ということもあり、何とか内服で
コントロールしていた。

長女の受験のため母子のみで本帰国。
状態も安定しているように感じたので医師の
指示の元、内服は中止。
だか割とすぐに症状が再発。そこから苦しい日々を送る。カウンセリング、鍼、整体、栄養療法、あらゆることを試みたが効果はどれも
いまいち。孤独で張り裂けそうだった。

そんな中tikiと出会い、"脳科学"というものを
知る。
これまで自分を苦しめていたのは脳の性質に
よるものだったのか。その性質によって
"人は思考通りになる"ということも知る。

衝撃だった。そこから興味を持ち、どんどん
脳科学を深掘りしていった。
tikiのコーチングも受け脳を理解できたことで
不安症状は少しずつ改善していった。

第2章 変化

<気づき>
ちょうどこの頃、tikiも薦めていた書籍
"嫌われる勇気"を読みアドラー心理学とも
出会う。
ここで、"例え親子であったとしても他者の課題に介入せず信頼すること"を知る。

そうか、これまで頼まれてもいないのに娘の
人生に踏み込んでそれを勝手に背負い込んで
いたんだ。
だから重たくて苦しくてもどかしかったんだ。
それに気付くと同時に自分が娘を信頼して
いなかったことも知る。

以前からずっと疑問に感じていたことが
あった。
"いつ子離れするの?"
この心の中の問いに答えが出せた気がした。

<親子関係変化?>
…とはいえ、すぐに信じることはできず
娘の行動にヤキモキしてしまう。
でも口出しすることをグッとこらえた。
今振り返るとこの時期が1番しんどかった
かもしれない。
だって言い聞かせた方が早いし楽だから。

娘にも敢えて宣言をした。
「お母さんはもうあなたのことで口出しをするのをやめる!」と。
いつもガヤガヤ言ってくるお母さんが何も言わずにスルーしている。
そのうち娘の中で変化がうまれる。

その時の心境を娘が教えてくれた。
あれ?もしかして見捨てられた?寂しい→
まぁでもうるさくなくて楽だからいいや→
あれ?本当に何にも言ってこない…→
このままじゃ、課題も間に合わない!

この娘の気持ちの移り変わりが
「解放→焦り→主体的に考える→行動」
として現れる。

私はというと。最初は我慢だったが徐々に慣れてきて解放感を感じるようになった。
心にも余裕がうまれた。
とにかく信じて根気良く見守ること。
これをいつも心がけた。

そして娘も少しずつ主体的に考えて行動するようになっていった。
ここまでくると好循環。
(母)信頼→(娘)行動→(母)安心→(娘)信頼されて
いるという安心→自信→行動

そう、信頼されているというのは自信や安心に
なるんだ。だから行動に出れる。
ここまでくるのは簡単ではなかったしそれなりに時間もかかった。
だけど、無理ではなかった。

<いい距離感>
主体的に行動できるようになってきた娘と
日々の会話も増えてきた。
お互いに相手を気にするストレスから解放され
余裕がうまれたからかな。

脳科学で言葉の大切さを知った私は
娘に対して使う言葉も意識的に変えていった。
またコーチングでゴールを決める大切さも知り
娘にも共有し、2人でワクワクしながら未来の
話をした。
「制服を着て何するのー?
部活はどうするのー?
どんな高校生活かなー♫」
コルクボードにも制服の写真ややりたいこと
リストを作りワクワクを大切にしてもらった。

さらに2人きりの時間をとるために塾の送迎を
毎日することにした。
その時間でお互いの日々の話をたくさんした。

思うように成績が伸びない。お友達関係。
以前なら聞けなかったことも打ち明けてくれた。
ただそれを淡々と聞くだけ。そうすると
到着する頃には娘自身で考え、答えを出し、
次の課題を見つけていた。

第3章 チャレンジ

<かっこいいぞ、娘>
ゴール設定と信頼関係が定着してからの娘の
変化は目まぐるしかった。
あれだけ取り組めなかったワークや塾の課題。
私が様子を聞いたときにはすでに予定範囲が
終わっている状態。
志望校はくっきりと見え、それに向けての行動も伴っていた。

やはりゴールの明確化も娘を動かしたんだと
実感した。
この時点で本人の自己イメージは完全に
変わっている。
脳科学を知り娘に伝えたことでこんなにも
人は変われるのかと正直驚いた。

<いざ>
受験当日。
すっきり起きた娘は晴れやかな表情。
ワクワクだけを抱えながら出かけていく娘が
何とも誇らしかった!
でも親の私は1日中落ち着かなかった 笑

試験後。
笑顔で帰ってきた娘。その表情を見て完全に
やり切ったんだなと分かった。
そんな娘から意外な一言。
「これだけやったんだからあとはどうでも
いい!!」
え?あんなに希望してた高校なのにこだわってないのはどうしてだろう。

親として結果発表までドキドキモヤモヤが
続いた。
当の本人はケロッとしていて、ここ最近
出来なかったことを毎日のように思う存分
楽しんでいる。

<結果>
発表の日。
娘の番号はなかった。
不合格。

「そりゃそうだよね〜!分かってたよ!」
と笑う娘。何となく違和感を感じて
「悔しい時は泣いたっていいんだよ」
と声をかけた。
ダッシュで2階に上がっていった。

しばらくして部屋に行ってみるとベットで
泣いていた。
私は娘を抱っこしてギューっとした。
2人でオイオイ泣いた。ろくな言葉も
かけられない。
いや、今はなんにも言わなくていいや。

しばらく2人で泣いたけど娘は割とすぐに
笑っていた。
あれ?もう少し凹むものじゃないのかな?
無理してないかな?心配になる。
改めて気持ちを聞いてみた。

「悔しくないの?」
「そりゃ、行きたかったんだから悔しいよ。
でも私、やれるだけやったもん。だから結果はもういいの」
そういえば試験直後も言ってたな。

そうかぁ、全力で何かに打ち込むってこういう
ことなんだ。
100点は出せなくてもMAXは出せる。
それが出来た人に後悔はない。
というかしようがない。出し切ったんだから。

ここでtikiの言葉が強烈に響いた。
"信頼すること"
信頼されるということは人を強くするんだ。
時間差でものすごく腑に落ちた瞬間だった。

それから数日間、私は何度も泣いてしまった。
娘の成長が嬉しくて嬉しくてたまらなかった
から。

<結果は副産物>
今回の受験で人が目的を持ってチャレンジするということを間近で見せてもらった。
この過程を見れたこと、私なりにアシストできたこと、何より娘自身が楽しんでいたこと。
とても幸せに思う。

後日、塾の先生から聞いた。
娘は先生全員に手紙を出していた。
そこには"勉強が好きになれた"と書かれていたそう。
あんなに勉強嫌いだったのに。
塾の先生はこう言った。
「勉強が嫌じゃなくなったと言う子はたまにいます。でも好きになれたと言う子はなかなか
出会わないです」と。

敢えて高い目標に挑んだことで必死に勉強
した。
必死になるとは主体的なんだと思う。
主体的な人は何事もレベルアップする。
レベルアップすると楽しい。
チャレンジするということは本当に素晴らしいと思った。

今回の受験で大事なのは結果なんかではないと娘に教えてもらった。
結果はただの副産物で大事なことはその過程に
つまっている。

娘はこの先、なんだって出来る。
だって失敗を怖がっていないんだから。
そこに学びや成長があることを知っている
から。
目の前の結果に捉われるとこんなに大切なことを見過ごしてしまう。

人生においてゴール、目標は大切。
でもそこまでの過程を楽しめる勇気は
もっと大切なんだと思う。
それが人生そのものだから。

第4章 これからの生き方

<脳を正しく使う>
娘が変われたのはやっぱり脳科学なんだと
思う。
母親の私が学び、脳の性質を伝え、言葉や
関わりを変えたことで娘はガラッと変わった。

脳を正しく知ること。
管理すること。
信じること。

これが出来れば誰でもいつからでも変われると
本気で思う。
ここまで読んでくださったあなたは既にその
きっかけを手にしているとすら思う。

<親として出来ること>
娘との関係で悩み、背負いすぎていたころ。
変わりたいという気持ちが原動力になり
親子で変わることが出来た。

私は難関校に合格させる方法は知らない。
やりたくないことに無理矢理取り組ませる
方法も知らない。

ただ親としての在り方は分かってきた
気がする。
そして親が変われば子も変わるということにも
気づくことが出来た。

私が心がけたこと。
それは信じて見守り、ただ側にいて気持ちを
受け止めたこと。
弱音、怒り、不安はぜーんぶ引き受けた。
その上で少しポジティブになれる言葉を
1つ2つと返し続けた。

私は私。あなたはあなた。と
割り切っていた私はいつも冷静でいられた。
娘自身も自分で答えを見つけだせることに
喜びと自信を感じていた。

脳科学を使って親子で変われたのは強い信頼
関係が出来たからだった。
これからも子育てに悩むことはあるだろう。
そんな子育て迷子になりそうな時

立ち返る場所は「信頼」

この言葉がこの先ずっと、私のコンパスに
なってくれる。

娘はすでに次のゴールに向かって歩き出して
いる。
それをこれからも側で見守っていられることを
とてもとても幸せに思う。

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