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日本酒沼に引きづり込んだ犯人プロファイリング その1<真澄編>

年の瀬もJAPANが美味しいですね。あんかけだよ。

さて、最近日本酒ばっかり呑んでいるあんかけ君ですが、本格的な沼にハマったのはここ3ヶ月の話。それまでは「日本酒?好きっちゃ好きだけど、別にビールも呑むよ?ワインもいいよね」なあんかけ君が「日本酒以外でアルコール摂取するの、勿体無くない?」と激変した犯人を探そう、って話。

「どいつが犯人だ!」と勇んで写真フォルダを見直すと、すぐに見つかりました。こいつだ!

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場所は長野駅のお土産コーナー。その奥にある<信州くらうど>。ここには駅ナカのお土産コーナーとしては信じられないほど、日本酒のラインナップが充実しています。

その角地に堂々と並べられているのは宮坂醸造の<漆黒-kuro->。この見慣れない黒いラベルの日本酒。宮坂醸造と聞いてもよほど”好き”な人でないとピンと来ないかもしれません。

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宮坂醸造ーそう<真澄>です。

長野ではコンビニやスーパーにも冷蔵酒がおいてあるくらいメジャーな真澄。全国的には<7号酵母の発祥蔵>として有名でしょう。

真澄との出会いは今回は初めてではありません。遡ること2016年のお盆休み。誇張無く毎週キャンプをしていた時のことです。お盆休みに京都の実家に帰省し、その帰りに長野県諏訪の<霧ヶ峰キャンプ場>でキャンプをしておりました。

霧ヶ峰キャンプ場からビーナスライン沿いに下ると、諏訪市街と突き当たるT字路に真澄の宮坂醸造本社&直営店の<セラ真澄>があります。

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日本酒について全く知らなかった当時。もちろん7号酵母のこと等は聞いたこともありません。それでも真澄の佇まいは何か惹かれるところがありました。その時に買い求めたのはコチラ<YAMAWAKA TYPE-1>

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2020年時点のスペック:ひとごこち・山恵錦-磨55%-7号酵母自社株
山恵錦が酒米として品種登録されたのは2017年なので、2016年のType-1はひとごこち100%だったのかもしれませんね。

日本酒の味なんか分かっていませんでしたが、それでもこの<YAMAWAKA TYPE-1>は「うまいなぁ」と染み染み感じた覚えがあります。

そしてまる4年後の2020年9月、長野駅で再会した訳であります。

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4年ぶりに見た真澄は、そのラベルが随分と垢抜けています。昔は昔ながらの日本酒によくある、デカデカと「真澄」と書かれたラベルだったものですが。

もちろん変わったのはラベルだけではありません。真澄の宮坂醸造はきょうかい系7号酵母の発祥蔵ですが、それは1946年の話。近年ではより果実感のある9号酵母なども使用して、多彩な酒造りをしていました。

しかしながら、やはり7号酵母発祥蔵として今一度原点に振り返り、7号酵母の真価と真剣に向き合う、その決意が真澄の新たなシリーズとして表現したのが<フラッグシップライン>です。

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7号酵母の印象って、どんな感じでしょうか。やはり日本酒好きな人たちにとっては「美味しいけど、ちょっと地味だよねぇ」「華やかな感じではないよね」という感じではないでしょうか。

真澄のフラッグシップラインも、やはりその印象から大きく外れることはありません。

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漆黒の後、真澄の酒を沢山呑んで感じたことは、真澄の酒は地味であり、滋味である、という点です。

華やかさはそれほど強くありません。では昔ながらの日本酒のように変なエグ味や嫌な感じがあるわけではなく、それでいてスッキリし過ぎていることもありません。確かな特徴があります。

確かに真澄の酒は、今人気の華やかで分かり易い日本酒とは異なります。そのしっかりとした個性は、言うなれば「3杯目も美味しく呑める酒」です。少なくともあんかけくんに日本酒ブームが訪れるほどのポテンシャルがあったことは確かです。

もし「真澄、久しぶりにちょっと呑んでみるかなぁ」と思ったら、まずこれを試してみてください。

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真澄、2020年の新酒です。随分な人気で蔵元在庫は既に完売だそうです。

長野に名を馳せるスーパー<ツルヤ>や前述の<信州くらうど>にはまだ店頭在庫がありました。四号瓶、一升瓶だけでなく、お手軽な300 mL瓶なんてのもあります。

先日、その300 mL瓶を軽い気持ちで買って呑んだのですが、「あぁ、これは傑作だなぁ」と言うのが正直な感想です。新酒ですが物足りなさを感じさせず、芯のある滋味を強く感じます。正月料理との相性も最高でしょう。

7号酵母と向き合うことを決めた宮坂醸造。これからもあんかけくんを沼に頭の先から押し込んでくれるような酒を醸してくれることを期待しています。