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優しさを分かち合うのは美しい、が。
こんにちは、ぷるるです。
皆さま、この2月をいかがお過ごしですか?
私は久しぶりに、側溝へはまりました。
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『久しぶりに』ということは、これまでも経験があることを意味しますよね?
その通り、私は過去に何度も側溝へはまってきたのです。
たしか前回は20年ほど前でした。
なぜ側溝へ足を・・・そんな疑問もおありでしょう。
それは私が幼い頃から、側溝の上を歩いてしまうクセを持つためです。
また、たいてい空を見ながら歩いてもいるからです。
そして時に泥で汚れ、時に我が身を傷つけてきました。
もう側溝を歩くのはよそう・・・何度そう決意したかしれません。
しかし気を抜くとなぜか同じ行動をしている自分が。
身についた習慣とは、つくづく恐ろしいものですね。
さて先週の土曜日。
風は冷たいけど、春の訪れが随所に感じられる。そんな気持ちの良い午後でした。
予定のなかった私は、ひとり散歩に出かけたのです。
いつものように空を見上げ、側溝の上を歩きながら。
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そして蓋のない側溝に落ち、向こう脛をガツンとコンクリートにぶつけたのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1708063967058-aQEi6EGbkN.jpg)
ところで向こう脛って、なぜあんなに痛いのでしょうか。
呼吸が一瞬止まりましたよね。
「いい年して恥ずかし〜」なんて気持ちも起きない、超激痛。
私は片足を側溝へ突っ込んだまま、道へ倒れ伏しました。
そんな時、私の元へ駆け寄ってくる人物が。
見知らぬ白髪の老婦人でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1708134550991-EtdaWwbzxV.jpg?width=800)
「ちょっとあなた!大丈夫?!」
白髪婦人はそう言いながら、私の背に手を当てました。
「血は出てない?歩けそう?」
彼女は優しくあれこれ問いかけてきます。
見知らぬ私のためにひざまづき、寄り添って。
ソーシャルディスタンス、ポリティカルコネクトレス、多様な**ハラ・・・
他人に声をかけることすら、難しくなりつつある昨今。
けれどまだ、人の情けは生きていた!!
いつもの私でしたら、笑顔で感謝の言葉を述べたでしょう。
そして軽く立ち話でもしたと思います。
しかしこの時、我が口から出るのは「ハガッ」とか「クゥッ」などの擬音ばかり。
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無言で眉間にしわを寄せる私に、白髪婦人は心配を深めたようです。
私に顔を近づけ、こう言いました。
「遠慮しなくていいのよ、足を見せてごらんなさい」
いや、全然遠慮してません。動く元気がないだけで。
でも黙っていては伝わらない・・・
私は残る力を振り絞り「だいじょうぶです」と言いました。
でもこの日の私は花粉を恐れ、マスクをつけていたのです。
さらに痛みで力が入らない。
そのため、どうも声がくぐもったようです。
白髪婦人は耳を私に近づけました。
「なに?はっきり言って? 遠慮しなくていいから!!」
私はこのように優しさをすぐ行動に移せる人が、本当に好きです。
できればこれからも、多くの人を助けて頂きたい。
でもこの時、素直な気持ちを口にすることが許されたなら、私は迷わずこう言ったでしょう。
「だのむがら あっぢへ 行っでぐれ!!!」
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こちとら向こう脛の痛みに耐えるので精一杯、容赦のない激痛なんだ。
だから・・・だから・・・
ほっどいてぐれ!!
でも、そんなこと絶対に言いたくありません。
白髪婦人は思いやりを寄せてくれました。私はそれに心から感謝をしています。
我々には『善意と愛』しかありません。
なのに嗚呼、どうにもならないすれ違い。
想いは永遠の平行線。
これが悲劇でなくて、何だというのでしょう。
婦人とのやり取りは数分ほど続きました。すれ違い続ける我々の心・・・。
でもなんとかご納得いただき、婦人は去ることになりました。
しかし婦人は最後まで心温かかった。
何度も振り返りながら、「無理しちゃダメよ〜」と声をかけてくれたのです。
周りの人を振り向かせるのに、十分な音量で。
私は通行人の視線を一身に浴びつつ、頭を下げるのが精一杯でした。
もちろん片足は側溝に残したままで・・・。
その後、私はこの出来事を思い返しました。
あんな悲劇、もう二度と起こってほしくありません。
ならば、私には事を検証する義務があります。
あの時私は、一体どうすれば良かったのか。
何が不足で、我々はすれ違ったのか。
そして昨晩。
青あざをなでている時、ついに天啓が訪れました。
・・・側溝ではなく、道の上を歩くことが大事なのだよ。
そして空や鳥ではなく、しっかり前を見るといい・・・
本当にその通りです。なぜ今まで気づかなかったのか!!
まるで雨上がりの空のように、私は今とてもさわやかな気持ちです。
皆さまもどうか、側溝にはお気をつけください。
落ちた先は、思わぬ所へ繋がっているかもしれませんから。
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