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優しさを分かち合うのは美しい、が。

こんにちは、ぷるるです。
皆さま、この2月をいかがお過ごしですか?

私は久しぶりに、側溝へはまりました。

これね

『久しぶりに』ということは、これまでも経験があることを意味しますよね?

その通り、私は過去に何度も側溝へはまってきたのです。
たしか前回は20年ほど前でした。

なぜ側溝へ足を・・・そんな疑問もおありでしょう。

それは私が幼い頃から、側溝の上を歩いてしまうクセを持つためです。
また、たいてい空を見ながら歩いてもいるからです。

そして時に泥で汚れ、時に我が身を傷つけてきました。
もう側溝を歩くのはよそう・・・何度そう決意したかしれません。

しかし気を抜くとなぜか同じ行動をしている自分が。
身についた習慣とは、つくづく恐ろしいものですね。


さて先週の土曜日。
風は冷たいけど、春の訪れが随所に感じられる。そんな気持ちの良い午後でした。

予定のなかった私は、ひとり散歩に出かけたのです。
いつものように空を見上げ、側溝の上を歩きながら。

一寸先は闇・・・ご油断めさるな!!


そして蓋のない側溝に落ち、向こう脛をガツンとコンクリートにぶつけたのでした。

悲劇は右足に。


ところで向こう脛って、なぜあんなに痛いのでしょうか。
呼吸が一瞬止まりましたよね。

「いい年して恥ずかし〜」なんて気持ちも起きない、超激痛
私は片足を側溝へ突っ込んだまま、道へ倒れ伏しました。

そんな時、私の元へ駆け寄ってくる人物が。

見知らぬ白髪の老婦人でした。

*イメージです。

「ちょっとあなた!大丈夫?!」

白髪婦人はそう言いながら、私の背に手を当てました。

「血は出てない?歩けそう?」

彼女は優しくあれこれ問いかけてきます。
見知らぬ私のためにひざまづき、寄り添って。

ソーシャルディスタンス、ポリティカルコネクトレス、多様な**ハラ・・・

他人に声をかけることすら、難しくなりつつある昨今。
けれどまだ、人の情けは生きていた!!

いつもの私でしたら、笑顔で感謝の言葉を述べたでしょう。
そして軽く立ち話でもしたと思います。

しかしこの時、我が口から出るのは「ハガッ」とか「クゥッ」などの擬音ばかり。

*イメージです


無言で眉間にしわを寄せる私に、白髪婦人は心配を深めたようです。
私に顔を近づけ、こう言いました。

「遠慮しなくていいのよ、足を見せてごらんなさい」

いや、全然遠慮してません。動く元気がないだけで。
でも黙っていては伝わらない・・・

私は残る力を振り絞り「だいじょうぶです」と言いました。

でもこの日の私は花粉を恐れ、マスクをつけていたのです。
さらに痛みで力が入らない。

そのため、どうも声がくぐもったようです。
白髪婦人は耳を私に近づけました。

「なに?はっきり言って? 遠慮しなくていいから!!」


私はこのように優しさをすぐ行動に移せる人が、本当に好きです。
できればこれからも、多くの人を助けて頂きたい。

でもこの時、素直な気持ちを口にすることが許されたなら、私は迷わずこう言ったでしょう。

「だのむがら あっぢへ 行っでぐれ!!!」


ひどりに、じでぐれ・・・


こちとら向こう脛の痛みに耐えるので精一杯、容赦のない激痛なんだ。
だから・・・だから・・・

ほっどいてぐれ!!



でも、そんなこと絶対に言いたくありません。

白髪婦人は思いやりを寄せてくれました。私はそれに心から感謝をしています。
我々には『善意と愛』しかありません。

なのに嗚呼、どうにもならないすれ違い。
想いは永遠の平行線。
これが悲劇でなくて、何だというのでしょう。

婦人とのやり取りは数分ほど続きました。すれ違い続ける我々の心・・・。
でもなんとかご納得いただき、婦人は去ることになりました。

しかし婦人は最後まで心温かかった。
何度も振り返りながら、「無理しちゃダメよ〜」と声をかけてくれたのです。

周りの人を振り向かせるのに、十分な音量で。


私は通行人の視線を一身に浴びつつ、頭を下げるのが精一杯でした。

もちろん片足は側溝に残したままで・・・。


その後、私はこの出来事を思い返しました。
あんな悲劇、もう二度と起こってほしくありません。

ならば、私には事を検証する義務があります。

あの時私は、一体どうすれば良かったのか。
何が不足で、我々はすれ違ったのか。

そして昨晩。
青あざをなでている時、ついに天啓が訪れました。

・・・側溝ではなく、道の上を歩くことが大事なのだよ。
そして空や鳥ではなく、しっかり前を見るといい・・・


本当にその通りです。なぜ今まで気づかなかったのか!!
まるで雨上がりの空のように、私は今とてもさわやかな気持ちです。

皆さまもどうか、側溝にはお気をつけください。
落ちた先は、思わぬ所へ繋がっているかもしれませんから。













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