【メモ】東京地判令和2年2月18日裁判所Website

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判例概要

第1 事実の概要
 原告X1はコンゴ国籍の女性、原告X2はX1の長女である。X2は、6歳の時に来日し、その直後に退去命令収容令書を発付された。その後仮放免許可を受け、公立小学校に入学した。その後、公立中学校に進学し、中学3年生の時に、本件在特不許可処分を受けた。
 X2はその友人の多くが日本人である。X2は日本語が第一言語であり、コンゴの公用語であるフランス語は簡単な会話程度しかできず、チルバ語やリンガラ語の読み書きをすることはできない。また、X2はバスケットボール選手の強化選手に選ばれるなどし、高い評価を受けている。

第2 裁判所の判断
 X2は、人格形成に極めて重要な時期に日本において日本語で生活し、教育を受け、成長を重ねることで、日本社会に良好に適応しており、日本に高度の定着性を有する。
 一方で、「日本語以外の言語について十分な語学力を有しているとはいい難い」。
 そして、本件処分時の年齢等を考慮すると、「生活上使用する言語の変化及び文化、社会、教育等の環境の変化に対する可塑性、柔軟性は、幼少期と比較して、相当程度失われている」。
 そうすると、連絡を取っている親族等もいないことからすると、長女が「本国において、フランス語等の言語を習得し、本国の生活環境、文化、社会等に適応していくことは、相当困難である」。

 X2が、優秀な成績を修めていることなどからすると、大学進学の可能性も高い。一方でフランス語能力からすると、日本以外の国の大学に進学することは極めて困難である。「そうすると、X2に対して在留特別許可をしないことは、X2の大学進学の可能性を実質的に閉ざし、ひいては将来の社会生活における可能性を閉ざすことになりかねない。」
 また、X2が幼少であったことなどからすれば、X2の事情は、「違法な在留状態を基礎として生じたものであることを考慮してもなお、法的保護に値する」。
 本件「処分時の年齢からすれば、X2が環境の変化への可塑性や柔軟性を幼少期と比較して相当程度失っていたといえる」。


 一方で、奨学金を得ることができる状況にあることや、X2がX1の夫から援助を受けることが期待できる状況にあることからすると、X2にのみ在留特別許可を認めることが子の福祉に反するとはいえない。

 東京入管局長は、本件処分を行うに当たり、X2が日本を離れて生活することによって生ずる支障を過小評価し、X2の本邦への定着性等を保護する必要性についての評価を誤った。そして、X2の真摯な生活状況等の事情にも照らすと、本件処分を行った判断は、人道上の観点から事実に対する評価が合理性を欠くものであることが明らかであったといわざるを得ない。
 したがって、X2に対する本件在特不許可処分は、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くことが明らかな場合に当たり、裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものというべきあるから、違法である

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=89761

報道

17歳の在留不許可「違法」(朝日新聞、2020年2月19日)https://www.asahi.com/articles/DA3S14370722.html

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