見出し画像

【私的】Liam Gallagher & John Squireデビューアルバム・レビュー


大変お待たせしましたー

Liam Gallagher & John Squire(リアム・ギャラガー & ジョン・スクワイア)のプロジェクトはなんと!今年の1月5日にシングル「Just Another Rainbow」からスタートして、もう早くも半年近くも経ってしまいました。

シングルは全英シングル16位という急遽アナウンスがあったにもかかわずのこのセールス。続く1月26日にセカンド・シングル「Mars to Liverpool」をリリースし、3月1日にフルアルバム『Liam Gallagher & John Squire』がリリースされました。

因みに私も2月に記事を書いていますが、この時は2つのシングルと、これまでのLiamJohnのコラボも取り上げています。


ではアルバムレビューに行きます!!

Liam Gallagher & John Squire - Raise Your Hands (Official Video)

第一印象は「明るい、キラキラしている」という、POPな曲調です。Liamも淡々と歌って行きます。サビの箇所もなんだかキラキラしています。

これっていわゆる「Bubblegum pop(バブルガムポップ/サウンド)」的な曲調も入っていると想像するのは、ちょっと私の行き過ぎかもしれませんが、それも楽しい妄想かもです。

Raise your hands, I can see you
We're alive, raise your hands

この歌詞は簡単ですが、日本語に置き換えてしまうと何か固定されたイメージになってしまう気もします。イメージでは「手を挙げて」はきっと多くの人達に言えることで抑圧された閉鎖的な世界からの脱却を的なことではないかと作ってみました。

そしてそんな苦しい状況に「見ている」というよりも、ニキ達の立場としての「君の事はわかっている」というか「お互い生きている」「手を挙げて」と、なんだか力強く問いかけて、救われるという感じになります。

そんな(どんな?)、熱い歌詞を歌う頼れるLiamニキ(兄貴)です。

この曲はシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでのマンチェスター・ダービーで宣伝された事を受けて、応援歌というかサポートソング的なアンセム曲のイメージにしてみました。

さらに、もう1人のギターヒーロー・ニキである、Johnニキの中間部のソロパートは抑え気味で一旦は終わります。本当はここからもっとギュインギュインと行きたいところを抑え、エンディングでちょっと聞かせてフェイドアウトです。

Johnニキは最近になって、「自分、弾きすぎ(テヘペロ)」って思ったそうです。大人になったスマートなセンスのニキです。

映像はバンドが演奏しているシーンが全編ですが、Liamがマラカスを持つ手を挙げてる姿がとても強調され、ライブで「手を挙げよう」って気持ちになりますね。


続いては既にセカンドシングルとして発表されている曲です。

Liam Gallagher & John Squire - Mars To Liverpool (Official Video)

Raise Your Hands」は昨今流行りのアンセムソング風ですが、こちらはグラフィティ・アートなポップソングと言いましょうか。MV見ているだけで、「あの時のリアム!」「このジョンはあのライブだ!」と彼らを見てきたファンにとって、共有した瞬間が、フラッシュバックの様に流れる、とても感慨深い映像です。

サビはこんな歌詞です

Here comes that feeling
Here it comes again
I'm waiting for this storm
To run out of rain

彼らは「航海」に出ていこうと、その前の嵐に巻き込まれ、雨が止む時を待っているという感じの歌詞。この「ポジティヴ」な歌詞にポップな曲調が、このアルバム全体の印象です。

90年代っぽいようで、The Seahorsesほど甘くなく、もっと懐かしいグラムロックの要素もあるのかなと勘繰る楽しさ。この曲も中間とソロパートとエンディングにもギターソロを入れています。

英国のライブでは観客の皆さんはこの曲は力強くシングアロングしています。

Jonathan Ross Show」の出演時のライブです。

Liam Gallagher & John Squire - Mars To Liverpool (Live) | The Jonathan Ross Show



One Day At A Time

この曲のギターのイントロを聴いた瞬間、「John SquireThe Stone Roses」と、ついハッとしてしまう、あの音が聴けます。

聴いて思ったのは、Liamのヴォーカル。Liamのソロではメインですし、Oasisの時はやんちゃだった時のイメージが強く感じましたが、このプロジェクトではいい意味で強い緊張感が抜けて、随分、リラックスした、安堵でクールな歌声が聴ける感じがしました。

ギタリストで楽曲の制作をするJohnニキに色々と委ねることも多くあるのかなと思ったりもして。Johnニキもいつものギターからは抑え気味なので、本来はもう2回ほど弾きまくりの展開に行きそうなところを止めての演奏。

この曲もライブで演奏されていますが、またも英国の人々、歌ってます。

流石です。


I'm A Wheel

bluesな曲です。Johnニキカッコいいですね(ゆっくりの声で読んでください)。この曲、ライブで聴いてみたいです。

と思い、調べましたら、こちらも2人のライブで演奏しています。そして、この曲でもシングアロング全開でした。3月にアルバムはリリースされていますので、皆さん、聞き込んでいます。

歌詞は抽象的で、「I'm A Wheel」というと「俺は車輪」、日本的には「馬車馬」とか「自転車操業」という「歯車的なもの」を連想しますが。基本、bluesは「憂い」な内容が多い印象ですが、そもそもbluesの起源が米国の奴隷の方々の心情(悲しみや苦悩の感情)を歌ったものが多いので、現実に打ちひしがれたという表現を考えて聴いてます。

それを今の社会や世界など漠然とした「やりきれない」事を表現している曲ではないかと推測します。(深いです)

こういったbluesなギターはなかなか聴かないので、久しぶりに聴きましたが、bluesは良いです。



この位置・曲順で、ファーストシングルが収録されています。

Liam Gallagher & John Squire - Just Another Rainbow (Official Video)

この曲のレビューは以下のnoteの記事でエントリーしていますので、そちらをご覧ください。Johnが手にしているギター、赤のフェンダーのストラトの事も書いています。


Love You Forever

この曲は、Jimi Hendrix ExperienceのPurple Haze」かと思ってしまいました。重い音に、バタバタなドラムはサイケデリック感が満載のスリリングさ。

歌詞はこんな感じです。サビの箇所ですが、いやもうこれは!熱烈なメッセージを超えた、怨念というか。ドロドロな情念なんて滅多にないですね。

I love you forever and ever
Nothing's gonna change my mind
I love you forever and ever
I'm all yours and you're mine

「私は永遠にあなたを愛しています」未来永劫と言いましょうか。「何も私の考えを変えることはありません」かなりストレートな表現できました。そして最初の歌詞をもう1度、「私は永遠にあなたを愛しています」ときます。重くなってきましたね。「私はすべてあなたのもので、あなたは私のものです」直訳ですが、こんな事を言われたその日には、なんだかヤバいのに捕まったって思うかもしれませんが、歌っているのがLiamなので安心です。

こういった歌詞も一昔なら熱烈な愛情表現として、観客の女性はうっとりし、ステージ上のフロントマンを見つめますが、現在ではかなり危険な歌と第一印象で思ってしまうほど、昨今、ストレートな愛を受け止めるのは難しい時代です。

2人のライブでこの曲は中間の演奏となりますが、演奏は短い様ですが、少しギターをガンガン弾いてくれても良いかなと思ったりもします。ヘヴィでワイルドな曲なので。

この曲と他のポップな曲の対比ぶりが少々微笑ましく感じます。往年のファンなので、ついこんな感じで見てしまいます。


Make It Up As You Go Along

「可愛い曲、キターーー!」って声が上がりそうです。

そうですね、ちょっと「Shoot You Down」な感じですが、待ってましたよね、可愛い曲を。みんなで腕をリズムに合わせて左右に振る。

歌詞はこんな感じです。

I got a Kandy Kolored Tangerine Flake
Streamline, baby
Sassy, grassy green and Jamaica blue
Drive me crazy

この歌詞に出てくる、「Kandy Kolored Tangerine Flake
Streamline, baby
」は1965年に出版された小説家でありノンフィクション作家のTom Wolfe初のエッセイ本のタイトルです。

日本では馴染みがない名前だと思いますが、この方は「ニュー・ジャーナリズムの旗手としてノンフィクションに文学的な技法を取り入れた」とあり、とはいえ、文学ではなく、ジャーナリズムであり、文学を織り込んだとされている人物です。

また、1971年のJohn Lennon and Yoko Onoの映画『Up Your Legs Forever』の足の1つとして登場したり、2006年11月19日に放送された米国アニメ『The Simpsons』のエピソードにも登場しています。

そういう作家のエッセイを手に入れ、「Sassy Grassy Green」は色のことで、「Road Runner」これは車種です。このエッセイは車好きの間で流行ったということで、この車と「ジャマイカ」楽園の「ブルー」は空の色で、「Drive me crazy=夢中になってどうにもこうにもおかしくなりそう!」という感じです。

「わかんねぇーーーよ」って思ったりもしますが、Googleで「Sassy Grassy Green Road Runner」と検索するとカエル色のクラシックカーが出てきますのでそちらをご参考に。

にしても、最近、この手の事が流行ってますね。



You're Not The Only One

王道のロックンロールのイントロから、サイケデリックな90年代を混ぜ合わせ、一気に飛び出したビックリ箱のような素敵な曲です。

なかなかこんな切り口の曲はそうそうない昨今。

そして「GuitarJohn Squire!!」とMCで言いたくなるバリバリのギターソロがイカしてます。

歌詞は摩訶不思議です。

Something in the way she smiles, I can't explain

陰謀説ではありません。歌詞もJohn Squireって感じで、「Elephant Stone」あたりを思い出してしまう、私はやはり当時は、The Stone Rosesしか頭になくて、、、。

いや、これThe Smithsでも言ってました、言ってました。

いつもその時にガーーってのめり込みまして、「これしかない」と毎回思うのですが、大抵、そのバンドこそ早々に解散してしまい、常に「涙」するパターンばかりでした。

そのバンドの主要な人達が、思いもよらず再結成したり、こうやってスーパーグループとして活動をしてくれるとは、想像できませんでした、当時は。


I'm So Bored

あの頃のサウンドが今、新しいと言いましょうか。歪ませたギターをギュインギュインやってます。

これ待ってました!って感じですが、ここにLiamの声がさらに新鮮ですね。私はThe SeahorsesやThe Stone Rosesをリアルタイムでメチャメチャ聴いていた世代なので、こういうサウンドは、どうにもこうにも痺れます。

ドラムのバタバタ感とか、反復なリフ、そうですね。こういう曲は本当にツボですが、最近は「歪んだギター」の音が評判悪いそうですが、これは聴いた方がいいと思うし、むしろ、王道です。

それにしても聴きやすく、楽しいです。久々、全編ロックって感じです。



Mother Nature's Song

マンチェスターサウンドにドップリしますが、ワールドクラスのアルバムです。

Mother Nature Song=母なる大地の曲」というタイトルですが、「Mother Nature's Son」The Beatlesの『The Beatles(通称:The Beatles White Album)』に収録されていた楽曲です。参考まで。

Listen to mother nature's song
The melodies are beautiful
The chords sublime

The harmonies are killin' me
Her rhythms are mine

「メロディは美しく、コーラスは崇高、ハーモニーは私を殺す、彼女のリズムは私のもの」

という感じです。自然って時に残酷ですからね。この後も「桜吹雪、私は貴方をそこに連れていける」、きっと壮大で抽象的な風景がテーマなのでしょうと思っておきます。



最後に、このアルバムは全英1位のセールスを獲得しました。

John Squireは自身初のNo.1アルバムだそうです。

Liamのコメントは以下の感じ。

「Thanks to everyone who bought this record me n John appreciate the support can’t wait to play it live and blow your minds and as the late great terry hall once said it ain’t what you do it’s the way that you do it peace n love LG x」


日本のオリコンチャートは以下です。最高位18位は意外でした。因みにリリース月間のセールスは、8位Judas Priest、15位Ariana Grande、17位Norah Jones、21位に本作品という結果です。


Liamのコメントには「偉大なる故Terry Hallがかつて言った」という言葉が心に染みます。



ということで『【私的】Liam Gallagher & John Squire、デビューアルバム・レビュー』は終了します。



次回予告ですが、リアムは『Definitely Maybe』デビュー作の30周年記念のツアーを行うそうですか、それは書くかもですが、3回目の『シド・バレット「ひとりぼっちの狂気」』の映画鑑賞に突入とか、またSydの楽曲ランキングをやるとか。よく50曲とかやっているのあるじゃないですか、ああいう果てしないのとか。再びメタル、英国ロックなどを書こうとか、さらに!Kula Shakerの『Natural Magick』のツアーは続いていますので、こちら重要案件ですので、どうしようかなと思いつつも、今回は予告はノープランの時事ネタかもしれません。


この先もまだまだ続きます



最後にメンバーシップも始めています


ご清聴ありがとうございました!

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポート費は今後のクリエイター活動に役立てていきますので、宜しくお願いします!!