【美術閑話】絵画鑑賞ってどうやんの?に終止符を。
こんにちは!筆者の すみれ です🌿
今回はタイトルの通り、
「絵画鑑賞のやり方問題」に終止符を…
っていうとなんか壮大で過激に聴こえますが、(笑)
せっかく美術館に足を運んでも作品を前にすると
うーんなんかなあ、、いまいち面白さが掴めない。
綺麗なのは何となくわかるけど正直
それ以上も以下でもない。。。
「何か」を感じなきゃ楽しめないんでしょう?
と思ってしまうそこのあなたにこの記事が
少しだけ、ほんの少しだけでも「絵画って楽しい!」へのお手伝いができれば幸いです。
今回は西洋絵画、特に宗教画をメインに取り上げ
「自分が感じたことが感想だよ〜」というような
ふわっとぼんやりしたものでは無く、
しっかり「理解する」に重心を置きつつ、
簡単な見るためのルールを簡単に伝える。
そんな内容になってます!初心者カモン!!
初心者はあえての「宗教画」を。
絵画と一口に言ってもめちゃくちゃ種類があって
宗教画を中心とした古典作品から、
みんな大好きモネ・ゴッホ・葛飾北斎、
近現代だとアンディ・ウォーホルや
村上隆作品といったところでしょうか。
そんな中で私が個人的に初心者におすすめ
するのが、まさかまさかの「宗教画」。
いや、、、宗教画て✋😅
一番難易度高いやつやん!!!!と思った方、
わかる。わかるよ←
宗教画のイメージとしては、
お堅く、つまらなく、たくさん知識がないと
ダメなんでしょ?そう思う人が多いと思います。
では私がなぜ宗教画をオススメするかというと、
描くためのルールが決まっている
同じテーマの作品が大量にある
絵の中にヒントが転がっている
この3点があるから。ひとつずつ説明しますね。
まずは「描くためのルールが決まっている」。
確かに、西洋絵画での宗教画はキリスト教の内容が描かれているため、聖書の知識や物語があればあるほど無双できます。
けれどそこまで知らなくたって大丈夫。
なぜなら、宗教画には基本的なルールが存在し、
そのルールに則って描かれているから。
当たり前ですが、聖書に描かれていること以外は描けません。勝手に付け加えたり、改変は絶対アカンのです。言うなれば「超・原作至上主義。
アニオリ展開ダメ、ゼッタイ。」ってわけ。
だから「見て何かを感じなきゃいけない」
「アート的な感性を求められる」って
そんなにビビることないです。
次に「同じテーマの作品が大量にある」。
これはかなりおすすめの点です。
先ほど、聖書に描かれていること以外は描けない、と言いましたが裏を返せば、「色んな画家が」
「同じテーマを」「同じルール下で」絵を残して
いるので作品比較がめちゃくちゃしやすいんです。
特に人気のテーマなのは「受胎告知」とか
「キリストの洗礼」「キリストの磔刑」とかとか…
おそらく全人類が知っているであろう
「最後の晩餐」もレオナルド・ダ・ヴィンチ作が
あまりにも有名すぎるため、あのイメージが先行しがちですが他の画家によって何枚も描かれている
人気テーマなんですよ😳‼️
何枚も描かれてはいるものの、絵の中の登場人物も人数もシチュエーションもほぼほぼ同じなので、
これはキリストだな〜これはマリアやな〜って
覚えちゃえば結構すんなり見れるんです。
けれどその中で、異なるところ(表情、ジェスチャー、描かれてない部分)を探してみたり、
両方に描かれているけどよく見ると表現方法が
違う部分を見つけられたら、いい感じです🤙🩷
最後に「絵の中にヒントが転がっている」。
これは1つめの”西洋絵画のルール”と少し似ているのですが、宗教画にはヒントがゴロゴロ転がっています。ヒントというのは「この人物は誰なんだろう」「これどんなシーンなの?」そういった疑問を
特定・解決するためのいわば謎解きの鍵。
これを専門用語で「アトリビュート」と言います。
かっこいい響きですね。記念にぜひ覚えて帰って
さっそく誰かに自慢しちゃおう^^<ウィー!
例えばイエスキリストのママである聖母マリア。
マリアのアトリビュートはこれです。
・白い百合の花(”白”なのが重要!)
・青と赤の服を着用している
もうこれがマリアを描く際のルールとして決まっているので作者が誰であろうと、多少年代が違っても絵の中のマリアを特定することができるんです!
この時点でマリアがどれか特定できるようになりましたね♪
そうすると、マリアに抱っこされてたり近くにいる
赤ちゃんは=キリストとこちらも判明します。
ね、案外簡単でしょ?
少し専門的な話をするとこのアトリビュート、
とっても奥が深くてそしてバリエーションも
多岐にわたるので楽勝!とはいきません🫠🫠
けれど少しづつでも覚えていけば絵の物語も
スラスラと読みとけます!
ちょっとだけ脱線しますが、アトリビュートの
他にもシンボル(象徴)やアレゴリー(寓意)などの
他の要素もめっちゃ出てきます。
個人の特定をするアトリビュートとは異なりますが
作品の裏の意図や暗示している事などを
見る側に教えてくれる面白い要素のひとつです。
例えば(ギリシャ神話にはなりますが、、、)
【ウルカヌスの鍛冶場のマルスとヴィーナス】
という作品。作者はルカ・ジョルダーノ。
ぜひ検索して見て欲しいですが、この作品の
左下にはわんちゃん🐶がいます。カワイイー!!!!
絵画での「犬」は忠誠・誠実を意味します。
(日本でも忠犬ハチ公とか言うもんね)
じゃあ犬がいるから誠実な場面なの?となりそう
ですがちょっと待って…この🐶そっぽ向いてます。
何を隠そうこの絵画が描くのは「不倫」のシーン。
鍛冶の神であるウルカヌス。その妻・ヴィーナスは
あろう事か夫の仕事場で不倫相手の戦の神・マルスといい感じになってます🫣🫣🫣
なのでこの場合は🐶(誠実さ)がそっぽ向く、
ということで「不誠実な場面」という事を
私たちにこっそり教えてくれてるのです🤫🩷
こんな風に応用問題的なのもあるので、
自分の知識レベルに合わせてアトリビュートや
シンボル、アレゴリーを考えてみるのも
きっと楽しいはずです🎶
気になったらぜひ調べて見てください!
少しづつ覚えるうちに点と点が繋がって
作品を見るのがワクワクしますよ〜💮💮💮
いざ、尋常に実践!!!!!!!!!!
ここまできたらやるっきゃない!
「受胎告知」と言う同じテーマで描かれた
異なる画家の作品をそれぞれ比較します。
受胎告知(じゅたいこくち)を簡単に説明します。
登場人物はキリストを産む前の聖母マリアと
天使のガブリエルの2人です。ある時、
聖母マリアの前にガブリエルが現れこう伝えます。「もうちょいしたら神の子産むから伝えに来たで😄その子に"イエス"って名前つけてね。ほな✋」
マリア圧倒的大困惑。当たり前です。
だってマリアは男性経験など無いのです。
なのに妊娠?!えてか神の子?!!!イエス?!?!!?
そんなびっくりした時のシーンを描くのがこの
「受胎告知」です。
片方はレオナルド・ダ・ヴィンチ作
(1472年頃の作品)
もう片方はヤン・ファン・エイク作です
(1434年頃の作品)
この2作品は画家の活動地も異なれば、
作品の年代も約40年ほど異なります。
けれど同じテーマで描かれているので大丈夫!
ビビらず!やってみましょう!
先程の聖母マリアのアトリビュートを思い出して…
・白いゆりの花(本人が持っているとは限らない!)
・青と赤の服を着ている
+受胎告知のストーリーも思い出して。。。
どちらが聖母マリアかもう簡単ですね!
両作品とも向かって右にいる女性が聖母マリア。
そして左手にいる羽が生えた人物がガブリエル。
受胎告知のストーリーを知ってるとなぜマリアが
「オイまじか…」って表情しているのも納得です。
ということで…………
はい、もう絵画鑑賞できてます!!!すげー!
おめでとう!!!!!!拍手!!!!!!!!
いや〜〜〜?あんなに難しそうだった宗教画が?
受胎告知が?あれま!簡単に読み解けた👏👏
ここまで読んだあなたは素質アリ…?!
どうでしょうか?「宗教画(西洋絵画)つまらなくは
ないかも…」と少しでも思ってくれたらめちゃくちゃ嬉しいです。宗教画は本来、布教活動の道具だったので、"わかりやすさ"が案外重要視されていたりします。けれど現代では難易度高めになってしまっててちょっと残念なきもち🥲(笑)
今回は色々省いての解説だったので細かいことは
無視してます。その細かい所をよく見ると沼って
しまうのがこれまた宗教画であり西洋絵画。
長い長い文章を読んでくださりありがとうございます☺️🩷🩷わたくしはいつでもその「沼」で貴方をお待ちしておりますよフフフ🕳🌀←
ではまた😘😘😘
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