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雪の日の思い出

生理前後でもないのに妙に眠たいなぁ、と思いながらふと窓の外を見たら真っ白で、びっくりして慌てて窓を開けたらしんしんと雪が降っていた。

明日はすごく寒いらしいよ、雪が降るかもよ、というのは天気予報さんが教えてくれていたけれど、本当に降るとは思わなかった。
外に出るにはあまりにも軽装だったし、明るいうちはずっと降り続けていたので結局今日は一歩も外へ出なかった。

雪が降ると思い出す情景は2つある。
1つは私がまだ幼稚園か小学校低学年くらいの頃の記憶で、平日だったのか何らかの理由で家には祖父と私しかいなかった。
雪が降った日なのか、降った次の日か、覚えていないけれどそれなりに積もっていて、作業をしていた祖父と一緒に遊ぶでもなく私はひとりで黙々と雪だるまを作ったり足跡を付けたりして真っ白い庭で遊んでいた。
一通り遊んで、飽きて私は家の中に戻って、我が家は今でも昔ながらの石油ストーブなのだけれどそれにあたって、手袋なんかを一緒に火に当てて乾かしたりした。そのうち祖父も家の中に帰ってきて、クッキーだったかビスケットだったかをくれたんだっけ。でも私はすごくすごく寒かったから別に欲しくなくて、でも貰って食べたような気がする。覚えているのはそこまで。

もうひとつは、中学2年生の頃の記憶。
「3年生を送る会」みたいな、そういう学校行事の実行委員長を私は務めていて、それに使う映像を撮りに休日に学校へ来ていた。当時憧れていた、生徒会長も務めていて同じ部活にも入っていた男の子と2人で校内を歩き回って、微妙な距離感の中色々と話したのを覚えている。何を話したかは覚えていないんだけど…たぶんずっと緊張していたんだと思う。その日も雪が降っていた。
覚えているのはその帰りで、私は自転車でふだん通学していたのだけれどその日は歩きで学校に来ていたから母が車で迎えに来てくれた。その時に母が「彼も一緒に」と誘ったんだよな。それで2人で母の軽に乗って、母と彼が話しているのを何となく気恥しい思いで聞いていた(母は私が彼のことを好きなのを知っていた)。
「生徒会長なんだね、うちのお兄ちゃんもだよ」とか(私の兄も同じ中学出身で彼と同じように生徒会長だった)、「冬の大会頑張ってたね」とか、私は口を挟まずに2人が会話するのをただ聞いていた、と思う。むず痒かったことだけ、すごく覚えている。好きな子と母が会話しているのってそういう感情になるんだなって。

その時は話題に上がった兄の、たしか成人式の日で、母が「この世代はセンター試験の時も雪が降って成人式も…」みたいなことを言っていたのを何故か覚えている。
思えば今も同じくらいの時期なんだ。
そんな兄は今年で30になられるそうです。
時の流れって怖い。

明日は降らないのでしょうか。
止んでいたら、それでまだ雪が残っていたら、明日は外に出てみようかな。
でもきっともう雪が固くなっているだろうから、雪だるまは難しいかな。

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