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意地でも旅するフィンランド 芹澤桂


フィンランドからどこそこへ旅へ行くエッセイ。

益田ミリさんの旅エッセイを初めて読んでから、それまでエッセイなんて全然食指が動かなかったのに旅エッセイだけは読むようになった。旅行が好きだけど腰が重いので読んで想像を膨らませるのが好きなんだと思う。あとは綺麗なものや震えたものを見たときの人の感想を読むのが好き。

フィンランドに対して特別な思い入れはない(いつ独立したんだっけなみたいな興味はあれど)けど、北欧への漠然としたあこがれって割とみんなあると思ってる。私も例に漏れず。サンタクロースのイメージか、雪と氷の幻想的な世界というイメージか(それについては著者さんが痛快に書いているので笑った 夢は現実よりもなんとやら。)、オーロラか。それとも幸福度調査の高さか、女性活躍の例にあがるからか。何がポジティブなイメージに作用しているかはまだいまいち分からないけど、フィンランド旅行なんていいじゃん、と思って手に取ったらフィンランドから更に飛び回る話だったんだな。

フィンランド人の旦那さまと日本人の著者さん。
異国ではそれがまるっとフラットになるから心地よいのだ、というのは深く納得がいった。フィンランドでも日本でもなく、どちらにとっても異邦の地は互いを対等にしてくれる、だから良いのだー、と。なるほどなぁ。
フェアに扱ってもらえる心地良さを私も知っているから、なるほど普段はどうしても色んな目に晒されるそれが旅に出れば関係無くなるというならば求めたくなるものかもしれないなぁと考えた。

フィンランド人にとっての楽園 南スペインには私も行きたい。パスポートも取ったことがないくらい外国へ行くことへの興味が薄い私だけど、行ってみたいと思うのはやっぱりスペイン。オタクなもんで、聖地巡礼的な意味も含めてね…いや言葉本来の意味の方じゃなくて。十二使徒とかじゃなくて。オレンジのマリーゴールドを愛でに行きたいねって話。

好きエピソードは、やっぱりサウナだな。
フィンランド人とエストニア人とスコットランド人の熱さ耐性バトルをアジア人の女がぶった切っていくの爽快すぎて喜んでしまった。あんな雰囲気で交流できるのちょっといいなぁ。あと消防車のホースで水浴びとか絶ッ対痛いに決まってるけどやりたい。ばしゅばしゅ私も打たれたい。あの水圧に。

あ〜〜〜旅行行きたいな〜〜〜〜
いまは我慢するけど〜〜〜〜
日本から出たくないので鎌倉とか。箱根とか。
電車でのんびり行けて日帰りでもよくてお風呂に入りたいです。何ならスパ銭でもいいや……
そんなに逃げたいのなら一旦物理的に逃げちゃえばいいのよって自分に思ってる。ちょっとだけ逃げちゃおうかな。春が来たら。


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