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「あなた」というジャンル

分類って無意識にしてしまうし、それ自体が楽しかったりする。何がどのカテゴリーに含まれるのか、共通点や相違点は何か。「線引き」とも似ている。カテゴライズは安心のために求められることもある。どこかに収まっていると落ち着く、ということもあるだろう。

昨日の話題に引き続いて、友だちと恋人の違いを考えていた。好きはひとつしかない。恋人にだけ抱く特別な想いなんて分からない。
仮に、恋人は友だちよりも上に位置する概念だとして、私の中の好きな人つまり友だちの、その中で"いちばん"好きな人が、"恋人(にしたい人)"になるのだろうか、とか。考えていた。好きの深さだけで「友だち」と「恋人」を分類するなら、そして「恋人」が「友だち」の上位互換だとするなら、そういうことになるだろうか。だとすると、その"恋人(にしたい人)"は私の中では誰だろうか。

そこまで考えて、好きな人たちに対して"いちばん"なんて考えたことがないことに気がついた。だって、それぞれ違う人間だから、好きポイントも違う。この子よりあの子の方が好き…くらいなら、もしかしたらあるかもしれないけれど。付き合いの長さとか、価値観の合致とか、そういうのがあるから。でも、それぞれに向ける好きの中身は違くて、でも大きく見れば同じ「好き」で……?いや分からなくなってきた。

いや言いたいのはそこではなくて、「友だち」とか「恋人」とかって分類なんてどうでもいいな、と思ったのだ。大きくくくればみんな「友だち」に含まれるんだろうけれど、みんなそれぞれ「あの子」というジャンルなんだなぁ、と。「親友」とか、「心の友」とか。自分にその住み分けが必要ないのに、無理に自分の友だちをそこに分類しようとすることはしなくていいなぁと、思ったのだった。


私の「好きな人」についてのあれこれに限らず。
「女」とか「男」とか「それ以外」とか。「日本人」とか「外国人」とか。そういうの。
分類って合理的だけど、ちょっと乱暴なところもあって。合わないなぁ、と思うならやらなくてもいい事なんだなぁと思う。私にとっては、どうでもいい。私は私でしかないように、あなたもあなたでしかない。「女」も「日本人」も無しで、ジャンル名「あなた」で、なんの問題もないはずなんだ、本当は。

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