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魔女の宅急便 角野栄子

おさがりに貰ったのか、ねだって買って貰ったのか、買い与えられたのか、覚えてないんだけど小学3年生くらいのときかな。畳の部屋に転がっていたのを目が覚えている。それを拾ってただ何となく何度も読んだ。だから好きだったんだと思う。いま読み返してもここ好きだったが思い出せたからたぶんそう。お気に入りの一冊だったんだと思う。素朴な挿絵も好きだった。

ジブリ映画版を初めて観たとき、「ぜーんぜん違うなぁ」と思って、それ以来まともに観たことがなかった。本の方が好きだったから、短くまとめられちゃう映画はあんまり楽しめなかったし、私はとんぼさんが好きじゃなかったから(ちなみに映画のとんぼさんもそんなに好きじゃない 男嫌いなだけって言うな)そんなに分かりやすくラブに発展されるの納得が行かねえ。って思ってたのは覚えてる。ていうかとんぼさん出番ありすぎじゃない?引っ込んでなよ…とまで思ってたのを 映画見返して、本も読み返してからめちゃくちゃ思い出した。あの時の憤りを。ごめんねとんぼさん。

絵描きさん(映画版ではウルスラさんって名前がついてるの初めて知った)の作品を運ぶ仕事が来て、ふわふわ〜って風船つけて飛ばすところも大好きだったし、何よりそれと同じ章にでてくるすみれさんが好きで。まにあわせ屋さんのすみれさん。星くずのクッキー、素敵な名前でまにあわせ。じゃじゃじゃあん、とぱぱぱあん。まにあえばしあわせ、まにあわなければふしあわせ。うたうような言葉の響き、おちゃめなすみれさん、「まにあわせ」の気取らなさ素敵さ、が幼き私に刺さりまくり。いま読んでもやっぱりすきだ。すみれさんがじゃぶじゃぶ洗濯するのを私も眺めていたいし、キキの腰にぶら下げた紐でぱたたたあんと洗濯物を連だこのように干すのを下から眺めていたい。

本だと、一章ごとにキキの仕事ぶりがどんどん鮮やかになっていってすごくいいの。おおみそかの時計塔の話とか今でも覚えてた。キキが始めは周りの人少しづつから、でも大晦日を迎える頃には町全体と言えるくらいまで、色んな人から受け入れられてそれに感謝を返して…っていう構成で、それがやっぱり好きだから、やっぱり原作の方が好きなんだよなぁって。

今更続編買おうかなんて考えている。
何十冊もシリーズのあるファンタジーものを読みふけっていた中学生の頃を思い出しますよ。好きな世界に続きがあることがうれしいの。もう少し知りたいと思うから、続いてくれて嬉しいんだよね。こういうときは、っていうと棘がありすぎ?

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