就職活動とはなんだったのか 

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はじめに

「就職活動はクソである、これは紛れもない事実である。」マイナビ=リクナビ2世(1654~1998)

きたる10月2日、内定式を迎えた。一つの区切りでもあるため、自分の考えを書き残したい。

3月からの約半年間は変な期間であった。
就活に全てを捧げるわけでもなく、まったく行わないこともなく、大学はゼミの卒論作成だけ、適当に遊びながら、バイトも少なくはしたが続けていた。
結果、15社ぐらいを受けて8月中旬に初めて内定が出て、最終的には4社から内定を貰った。
そんな中で自分なりに考え・感じたことを記しておきたい。

まず、就活のネガティブな要素を書き出していく。

商業的要素が多い

3月1日に合同説明会に行った。その際に主催していたマイナビやスポンサー企業?などからすごく商業的なものを感じた。
所詮は就活も商売の場であり、お金になるのだろう。
そのため本、SNS、エージェント、就活サイトなど様々なところで、多くの人が就活に関する情報を発信している。
就活中はネガティブになることも多く藁にも縋る思いから、信憑性のない情報源に頼りたくなってしまう。しかし、無数の情報が交錯しているため、沼に陥ってしまうと、方向性が定まらず大変なことになってしまう。
人には人にあったやり方があるのに、インターネットに転がっているテンプレートに従ってしまうと没個性となり、余計に結果が出ないなんてことになりかねない。

なにからやったらいいか分からないし、色々な言葉が出てくる

自己分析、自己PR、ガクチカ、SPI、業界•企業研究、就活の軸、エントリーシート
ざっと挙げるだけでも、これだけの基本的には馴染みのない言葉が頻出する。
もちろん大切な要素ではあるのだが、どれをどのくらいどのタイミングでどのように行えばいいのかが意味不明だった。
今考えると3回生のタイミングである程度これらのことを理解し、準備が必要であった。しかし、4回生から始めたため非常に苦労した。
加えて口うるさいマナー講師が好きそうな、しょうもないルールや暗黙の了解も多く存在する。
ここらからもう就活に対するアレルギーが発症した。

人と話しにくい話題である

やはり進路のことであり、個人差や価値観等もあるためなかなか話しづらい話題ではある。日常的に就活という言葉を耳に入れたくなかった。進捗状況もばらばらであり、足並みを揃えるイベントではないため、結構気を遣う。
個人的にもあんまり将来の話をしたくなかったし、話すとしても手探りだった気がする。仮に友達が落ちていたら、悲しくて気まずい、受かっていたとしても正直終わっていない自分からすると複雑な気持ちになってしまう。
春休みが終わり4月になると内定を貰ったという話をちらほら聞くようになった。自分はほとんど何もしていない、この人は社会から評価されたんだという気持ちから焦燥感が生まれる。

個人差がある

高校生までとは違い、大学生は自由な時間も増え生活は本当に十人十色である。ポテンシャル重視の文系採用では、これまでの経験がかなりの比重を占める。例えば海外で働きたいという志望動機であれば、TOEICや海外留学などの動機を裏付けるだけの経験が必要である。理系であれば研究内容が直接仕事に結びつくことも多く、そこが文系の就職との違いの一つだろう。そういった経験で差がつくため、あれやっとけば、ああだったらみないなことを考えがちである。そうならないためにも興味を持ったことには積極的に挑戦しておいた方がよい。それが後々、自分はこういうタイプ・価値観だから、あの時はこう考えて、こういう風に動いたんだと繋がり、だからこういう自分の強みを活かせるし、貢献することができるんだと根拠を持ってアピールすることができる。自分の場合は積極的に受講した、フィールドワーク系の講義がかなり役立った。
活動の内容としても差があり、3回生時に内定をもらう人もいれば、4回生から始める人もいる。目指す業種、職種も違う。進路はこれまで以上に膨大な数存在する。だからどうしても孤独になりがちな気がする。

終わりがわからない

今年の3月まで将来のことを具体的に考えることを放棄していた。なんだかんだ社会人として働いているだろうと、とんでもなく抽象的な考えしか有していなかった。当然、いざ活動を始めてもモチベーションはなかった。活動を始めてもいつ終わるかわからない。もしかしたら終わらないかもしれない。そんな中で自分の満足いく結果で、終わりを迎えることなんてできるのだろうかとも思っていた。

次に選考を受けた印象的な企業をいくつか書いていく。

1  初めて受けたスピーカーのメーカー

4月上旬なんとなく提出したエントリーシートが通過し、ろくに準備もせずに面接に臨んだ。
グループ面接だったため、自分含め学生2名、面接官2名だった。
もう1人の学生は外国語大学でTOEIC800点台、留学先で就労経験があるという化け物だった。すごく自信ありげに話していた。
自分はというと初めての面接であり惨敗であった。
スピーカーのメーカーということで、日頃から音楽を愛している身としては何でも来いという心持ちであった。誰よりも音に敏感であるという自負があった。(音楽分野のスピーカーの会社ではなかったのだけれど。)
しかし、音の持つ負の側面的な質問をされ、雑音と苦し紛れに答えた。具体的にはと聞かれ、当時選挙の時期だったため、選挙カーの音と蚊の鳴くような声で答えたことは記憶に新しい。一瞬時が止まり、若い女性の面接官が、「当社では雑音もテーマとした開発も行っております」と苦し紛れに答えていた。
当然次の選考には進めず。この面接以降、しっかりと準備をしないと勝負にならないなと考えを改める。

2初めて次の選考に進んだ電気・照明メーカー

これではダメだと、4月いっぱいを自己PR、学生時代の取り組みの準備に当てた。5月上旬になかなか良さそうな電気・照明のメーカーに応募した。説明会に参加し、ここで働きたいという気持ちになっていた。なぜなら、日本でも一番有名と言っても過言ではない電波塔の照明を担当している会社であった。実際にその塔を見る機会があったのだが、その美しさや存在感から感動を覚えた建造物であった。
迎えた一次面接は、集団面接であり学生4人、面接官1人であった。最初に面接官が時間もあまりないので手短にと言ったので、簡潔に話すことを意識した。この面接では、すごくありきたりで意味のないガクチカ(バイト先に目安箱を設置した:志望動機との関係性がない)をダラダラ話す人や、明らかにモニターに写したカンペを見ている人、逆質問をしない人などを客観視でき、これでは信用を得ることはできないだろうと感じた。
結果、二次面接に進むことができた。これは大きな自信になった。
6月上旬の二次面接は面接官と一対一であった。やはり、一次に比べるとかなり深掘りされ、想定外の事まで聞かれかなり戸惑った。なぜ当社なのかという質問にちゃんとした根拠を答えればよかったのに、焦ってしまいベラベラと電波塔の魅力を話してしまった。
一部かなり手ごたえのある部分もあったのだが、不合格であった。
次のステップに進むことができただけに、落ちたショックは結構あった。

3妥協しまくって受けた会社

上記で偉そうに他人のことを評価しているが、落ちたショックもあり6月はあまり積極的に活動できず、結果も振るわなかった。
受けた会社も面接に的確に答え、穏やかなムードで手ごたえがあったのに不合格だったり、書類選考・SPIを突破して東京に選考を受けにいったのに一人の高圧的な面接官(しっかりと情報を集め、結論を導くことが自分の強みであると言うと、その情報収集は自分の考えている結論にすり合わせていくものではないのか・弱みが考え過ぎてしまうところと伝えると、そういった人はこの職種には向いていないと遠まわしに言われたのに反論できなかった)に大敗を喫した。活動の労力に結果が釣り合わなさ過ぎて萎えていた。
そんな中迎えた7月、どこでもいいから内定が欲しいとかなり妥協して小さめの会社を受けた。
東京の本社で筆記試験を案内され、それだけの為に向かった。試験を受けるのは自分一人で、会社を少し案内してもらったら終わった。
次の選考に進み、最終面接であった。本社に到着し、反射するドアの前で身だしなみを整えていると後ろをGが通っていた。大嫌いなそいつが昼間から姿を現したことでこれはよくない前兆であり、面接もうまくいかないことを悟った。何ならこの会社は辞めておけというお告げではないかとすら思えた。
そんなことを考えながら迎えた面接、案の定というか全くうまく話せなかった。かなり変な間が空いたり、用意していた質問が浮かばなかったりボロボロであった。
とはいえ選考途中なのは自分一人だろうし、小さな会社だし受かりはするだろうと心の隅では考えていた。
当然、結果は不合格。通知が届いたときには、自分は社会に必要とされておらず、大した人間ではないのかもしれないと考えると、結構メンタルにきた。
それから二週間ほどはやりたいことをやり、自転車でふらつき思うがままに過ごした。
実際この時はかなり無気力で、モチベーションもなかった。
最悪今からインターンに参加するなど準備をやり直し、就職留年をする可能性もなくはないと考えていた。それほどまで追い込まれかけていた。

その後

しかし、もう一度ギアを入れようと奮起し、7月下旬から活動を再開した。
すると何かコツをつかんだのか、今までの取り組みが芽を出したのか8・9月の面接ではどれもかなり評価してもらい、とんとん拍子で内定をもらった。
最終的に9月中旬に内定ももらった会社に満足・決定し、内定を承諾することで10月2日の内定式を迎えた、長きに及んだ就職活動は幕を閉じた。

終わりに

一旦書くのも疲れてきたので締めに入っていきたい。
ここまで就活のネガティブな面をつらつらと、拙い文章で書いてきたが最後ぐらい、いい点も書いといてやろうと思う。
自分は二枚舌的な面もあるし。

今までの自分を顧みることができる

やはり経験や自身の価値観・軸が必要な就職活動では今まで以上に自分と向き合う必要があった。強みや弱み、将来の自分を考える上で現在の自分を構成する過去に目を向けることは不可欠である。そういえばこういうことがあった時にはこんな行動をしてきたな、そこでこんなことを感じたなどかなり深いところまで理解が及び、合点がいくこともあった。自分自身について新たな気づきを得ることができたのは今後においてもいいことだと思う。

働いている人を尊敬する

会社、職種、業務内容の数は莫大である。その中で働いている人たちがいる。
だから社会は回っている。すごい。全員リスペクト。マジで感謝。

自分が最も頼りにして、支えにして、就活の基礎を作ったとも言える本も紹介しておきたい。

内定力

*ステマではありません*マルチ商法でもありません
たまたま3月下旬に出会った本。なんかネットの評価がよかったから購入。
大まかな内容としては、RPGのように自分の性格・欲求をキャラとして考えて(例えば規律と情報で判断する魔法使いや勝つことがすべての戦士)そこから武器(事実・証拠)→闘い方(環境・活躍条件)→パーティ(会社・仕事環境)→未来(期待・信頼)とつなげることで説得力のある自己PR・ガクチカ・志望動機を作ることができるというものである。
典型的な就活を行い、就活病に罹って苦しむのではなく、企業の人から信頼を得ることがクリア条件という根本に立ち返りることの大切さが分かる。
就活は明るく、希望を持って社会に出て行くためのイベントなんだから楽しく、適当にやろうぜ的な本である。
ありきたりな就活に対しても斜に構えていた自分にとっては、こんなシンプルで、要点を抑えるだけで結果が出るのだと思うとかなり気が楽になった。
本番においてもこの本から得た考え方や取り組みが役立った。
この本に出会っていなければさらに深い深い迷路に入り込んでいただろう。

「内定力」光城悠人著 すばる舎リンゲージ(2017)



結びに

10月初めの週に完成させようと思っていたら、結構時間が経ってしまった。
自身の就活を見直すと変だな・何をしていたんだと改めて思う。
しかしまあ、終わってみればこういう時間があってもよかったんじゃないかと、二枚舌が動きはじめる。

実際まだ自分は社会にも出ていないし、働いてもいないし、何者でもない。就職活動で導き出した答えが正しいかもわからない。
しかし今は、自分なりに苦しみ、考え、行動しながら導いたこの答えに従ってみたい。
何かの縁も感じるため、社会に期待し過ぎこともなく、悲観することもなく適当な心持ちでいたい。


最後に就職活動に携わってくださった方々に感謝の気持ちを伝えたい。
こんな茶番に付き合ってくださり誠にあざしたーと。
                                 あ


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