憧れとは呪いである

今日はこんなもん

また明日 

また明日


ふかふかの布団がまるで鉄の塊のように感じ

起き上がって家を出ろ、と叫ぶ声は

手足の先の神経までは到達せず

開始時間から四時間も経過してしまった

バイトに向かおうと自転車を出したが

どうしても跨ることが出来ず

しばらく動かない足元を見つめ

諦めて鍵をかけ

部屋に戻って大声で泣いた


何も頑張れない、と

泣くことしかできなかったから

今日は頑張るのをやめた


最近自分の理想に対してのキャパが

小さすぎることに気が付いている

だけど知らんふりをしている

分かってはいても

呼び掛けた声や

伸ばした手が

空を掴んでしかいないと

どうしても、ね


憧れとは呪いであって

どうやってもその人にはなれないし

その人になるために模索している自分は

きっと一生自分のこと認めてあげられない

分かってはいる

分かってはいるんだけど

たぶん本当は分かっていない

誰もこの呪いの解き方を教えてくれない


止まない雨はないかもしれない

だけど私は今この瞬間の

この大雨の凌ぎ方を知りたいんだよ

もうびちょ濡れで震えていたくないし

寂しいと声を枯らすのにも飽きてきた


しょうみ飽きたんだって

今のこの状況


人間は欲深くて

夢見てさえもなかったことが起きたとしても

もっともっと、と手を伸ばし

潤うことを知らない

いつまで経っても幸せとは追いかけっこだ

追いつくことなんてきっとできない


幸せとは

なんなんだろうね

本当に



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?