怖いモノ苦手なモノ

どうも、ひなたです。『×卵通信5回目』です。
今日は公共交通機関のなかでとりわけ苦手なバスの話題です。

幼い頃からなんとなくバスが苦手でした。
おそらくは免許を取る前の叔母に連れられて乗っていたのが一番古い記憶だと思うのですが。
まず後方にある入り口から紙の切符を取る。
降りたい停車場についたら自分で知らせる。
そして料金は……あ、このあたりは記憶がないですね。叔母が払ってくれていたので。
でもお金が流れていくベルトコンベア付きの箱をじっとにらんでいる運転手さんは怖かったし、「次降りるからボタン押してね」と叔母に言われても力が弱かったのか、先に押した大人にスピードで負けたのかうまく押せた試しがありません。

バス、怖い。

自由意志で戻れる在来線、乗ることがすでに冒険に近い新幹線、そして乗ること自体にウキウキする飛行機とはもう好感度の位置が違います。マイナススタートといっても過言ではありません。
あ、夜行バスは別です。目的地がはっきりしてるし、トイレ休憩もしてくれる。
そういえば、この流れでバスが苦手な理由もうひとつ思い出しました。
コミケ会場に行く巡回バスで朝ご飯を食べ過ぎた私はおなかが痛くなり、運転手さんに必死の形相でどこかのガソリンスタンド前でおろしてもらったことがあるからです。もちろんそのあと集合場所やら入場やらで大変な目に遭いました。

バス、怖い……。

ですが、やはりバスに乗る場面もゼロではありません。
特に観光地にいくと必然的に乗らないと移動できない状況に遭遇します。
ただ観光地のバスは多くの人向けなので、逆に乗りやすいんですよね。
なんせ今はIC系交通カードもあるから、必死に目的地と料金をにらめっこしなくてもいいし、降りたい場所は大体一緒。

バス、怖くない!

と、いいたいところですが、先日金沢で昔ながらのバスに遭遇しました。
嘘だろ……21世紀だぞ……?
全く反応しないIC系交通カードを機械に何度もたたきつけたあげく(地元のカードしか使えない)困惑のあまり乗車切符も取り忘れ、呆然と着席する私。
似たような観光客っぽい一団はいましたが、ちらっと聞いた限り日本語を話していなかった気配。
つまりは!今ココで!幼き日のトラウマを!この私が!乗り越えねば!
全員車庫行き……?
何故か最悪のシナリオを想定し、ああこんな時にいっそバスがハイジャックされたらキアヌリーブスが助けてくれるんじゃないかとすら考え始めた頃、あのアナウンスが。

「次は○○前~、お降りの方は降車ボタンを……」

やはり後ろの団体はわかっていない様子。周りを見回してもいかにも地元の人っぽいしかいない。
ええい、ままよ!!!

ピンポーン!
「次、降ります」

勝った……勝ったよ、父さん、母さん……それに叔母さん、おばあちゃん、おじいちゃん、以下略。

降車の際「シロイキップトリワスレマシタネ」と片言を装って、乗車料金を放り込みそそくさと逃げるように走り去ったことはどうぞ、お許しください。


さて、実は本日もバスに乗る機会がありました。
しかも地元過ぎて全く使ったことがないバスです。
目的地まで歩くつもりでしたが、天気も悪く先日トラウマを乗り越えた私は意気揚々と乗り込みました。
発車時刻まで時間があり、目的地まで最初に往復券を券売機で購入することができ、これは楽勝だと鼻歌まで歌っていたと思います。
観光地のようにどんどんやってくるわけではないので、かなり遅れてやってきたのですが、それすら気になりません。
だって私はもう立派にバスに乗れるようになったのですから!

そして帰り道、往復券を使おうとバス停を探してマップアプリを起動させました。

『意訳:しばらくバスは来ないので歩いてください』

雨の中、帰り方向のバス停を見つけた時は泣きそうでした。
やってきたバスはやっぱり遅れており、本来ならとっくに行ってしまっている時間に停車場に近づき、ふらふらの私を乗せ目的地へと向かってくれました。

バスはもう怖くありません。

でもやっぱり、苦手なままです。

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