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PERでトレードする難しさ

最近は、テーパリングや利上げ観測の影響からグロース株の人気は薄れ、いわゆるバリュー株にシフトしていますね。

とは言え、爆益を得るにはグロース(しかも小型)に投資しないといけないというのが私の自論です。
米国株はスジの良いグロース銘柄に投資できるところが最大のメリットですよね。10バガーを達成して早く億万長者になりたいものです。


バリュー投資ではPERを見て割高/割安を判断することが多いですが、グロース投資ではPERやPSR(利益が出ていない企業、ハイパーグロース銘柄の投資判断でしばしば使われる)などの指標はほぼ意味を成しません。

本記事ではPERを指標にトレードする難しさと、ハイグロ銘柄にPER/PSRを当てはめてトレードすることの難しさについて語りたいと思います。


PER(price earnings ratio)とは株価収益率です。利益から見た株価の割安性を示すと言われており、以下の式で表されます。

PER(倍)=株価/1株あたり純利益(EPS)

よく目にする指標ですが、注意しないといけない点は、PERは過去の結果を反映した値であり、株価の評価にとって最も重要な要素である将来を考慮していないということです。

そのこともあり、PERを指標にトレードするのはとても難しいのです。
例えば、株価が大幅に下落した低PER銘柄の購入を検討する場合を考えますが、たいてい、株価がそこまで調整するのは、おそらく決算が悪いと予想しているためです。

四半期決算の数字がアナリスト予想に達しない場合、PERは(急)上昇してしまいます。そのため、同一PERになるには、株価はさらに下落する必要があります。

さらに、安値の株を買うというのは、そこから抜け出すことが難しい。
安いという理由で買う場合、その銘柄が下げれば下げるほど、魅力的になります。これは投資家が沼にはまる典型的なパターンです。ほとんどの投資家は先導株を探す代わりに割安株を探しますが、多くの場合、「安物買いの銭失い」で終わります・・・

バリュー投資は難しいですよね。。。

一般的に、高成長企業は株価にプレミアムがついています。
なので、一般的なPERに基づいた割高/割安の判断はできません。

例えばこれはAMZNのチャート(月足、2015~)です。

AMZN 2015~

2015年11月のAMZNはPERが963倍とエゲつない値を示していました。
(中段)

しかし株価はそこから約7倍に成長しています。
PERは2016年3月までやや下がったのちはほぼ一定です。
もう一度PERの式を示しますが、それだけ純利益が伸びているということです。

PER(倍)=株価/1株あたり純利益(EPS)

このチャートからわかることは、高PERを正当化できる成長見通しの会社を見つけることの大切さです。そして、成長は力強いほど良い。

PERのみでトレードする場合、AMZNには投資できていませんので。
この間の利益をみすみす逃してしまっていたわけです。

下段にはFEDFUNDSのレートも示しています。
これからの相場では特に重要ですが、この期間は利上げ期間とも被っています。それでも株価は上がっています。
マクロ環境(緩和/引き締め)には寄らず、成長する企業を見極めることが重要ということがわかると思います。


続いてはADBEのチャートです。

ADBE 2015~


こちらも2015年2月のPERは138倍という値でした。そこから株価は8倍に上昇しています。
この銘柄もPERでトレードする場合は入れなかったということになります。
利上げもお構いなしに上がってますね。


続いてMSFTです。こちらも2016年付近は38倍とS&P500平均と比べれば高いわけです。それにも関わらず株価は上昇しています。利上げ局面にも関わらずです。

MSFT 2015~


だれもが「安値で買って、高値で売れ」という格言を知っています。
しかし、現在の株価と将来の株価にはほとんど関係はありません。前の株価と比べてどれくらい高いか安いかは、今後の株価がさらに上昇するかどうかを判断する材料にはならないのです。

私の考える理想的なエントリーポイントについては、いずれ記事に書いてみようと思います。


「安値でそこそこの会社よりも、適正な株価で素晴らしい会社を買う方がはるかに良い」
これはウォーレンバフェットの言葉ですが、私も完全同意です。

そして今は利上げ観測の影響により、強く成長している企業が比較的割安になってきています。

すぐに入るべきかは要検討ですが、割安グロース銘柄を攻略する戦略はアリかなと思ってます。

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