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冬の入り口


しんしんと降り続く


雪を想う


そんな時は決まって


障子の内側で


あたかーいコタツに入って


ミカンを食べてる



ばあちゃんとの想い出






ばあちゃんがお嫁さんと仲悪かったのに気付いたのはいつだったか



小学生の頃の私は


バカで


純粋で


口下手で


楽しいことが好きで



だから


ばあちゃんが居たその離れのボロい部屋に



遊びに行くのが好きだった


ばあちゃんの部屋に続くその廊下から



ばあちゃんの部屋の匂いがして


今思えばそれはお仏壇のお線香の香りだったのだけど



今でも知らないところでお線香の香りがすると


あ、ばあちゃんの部屋の匂いだって思うよ






ばあちゃんもタカになりたかったのかな?


トンビからはトンビしか産まれない



それさえもわかってて


だからこそ


ばあちゃんの子ども達を


鷹に育てたかったのかな



今は亡きばあちゃん





オモイダスダケデモ


故人のタマシイに寄り添えるんだよ




誰かが言ってた







亡くなる数日前


お母さんとばあちゃんの病室に泊まったよね



肺に水が入ってて



苦しいとつぶやいて



眠れないくらい苦しいのに



生きようとしてたばあちゃん






枕元の酸素ボンベは虚しく動いていて



もういいよばあちゃん



とエゴでささやいた私の声は



ひどく醜いものだったのかな?




大好きなばあちゃん



ばあちゃんの混ぜご飯は



本当に



本当に



美味しかった




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