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時系列で考えるデリングの思考 (後編)

まえのはなし

さて、続きを書く訳だが……本編が始まる前までの状況とデリング氏のガンダム感をまとめておこう。

1.簡単に使えるMS
テロ屋や過激派が子供騙して乗せる奴やんけ。

アフリカの少年兵

武器というモノは体格差を埋める事が出来るので、誰にも扱える武器は市民を容易に兵士に変える。カラニシコフが有れば子供でも容易に大人を殺せる……
兵士経験のあるデリング的には「ふざけんな、そんなん地球圏に渡ればいい大人が子供相手に戦う羽目になるやろが!」で良い印象無いで。

事実メスガキちゃんズがルブリス乗ってる


2.お強い兵器
アホみたいに強い。

実はガンダムでは無さげだが

思考操縦兵器ってコトで、まぁまぁSFの領域ですしね。それが脅威であり戦場の在り方を変えてしまうという確信があったから「そんなもんが地球に渡るのは不味い」と判断したし、なんならベネリットグループ的には空前の大好況が来るかもしれないのに「倫理的問題優先して」チャンスを潰している。ガンダムが弱ければそんなもん役に立たぬからどーでも良いのだが……


じゃ、始めよう。

1.プロスペラからスレッタをアス高に入れたいと打診される

ああ、水星には学校も無いし……と割と素直に納得、承諾。一応シン・セーはベネリットグループだし構わんぞと。

「ただ……MSどうするんだ?」
「ウチもMS作りました!」
「嘘つけ。お前ンとこにはあのルブリスしかMS無いやろ」
「大丈夫、ガンダムじゃ無いから!」

まぁ、こんな会話があったに違いない。プロスペラの査問会での態度見る限り、あのおばちゃんは平気で嘘つくし、誤魔化しをやる。だからデリングもスレッタ入校時のMS検査は徹底しただろうし、検査結果的にガンドアームではない判定だったと聞いて相当背後関係洗った筈だ。水星でシン・セーがMS作れる筈は無いのだから。
また、こんな真似をプロスペラがワザとやったのはデリングに近付くためと推察される。売り上げ的にはグループ最下位に近く、そんな末端に過ぎないシン・セーの社長が総裁に近付くには何らかの形で目立たねばならない。まぁ目立って「怪しい」と見做される訳ではあるが。

2.スレッタさん、ディランザ瞬殺

「ガンダムじゃねーか! ガンビットつこーとるやないか!」
あのババアガンダムに偽装かましてガンダム持ち込みやがった! ふざけんなぶっ殺すぞ! ……ぐらいにはなったと思われます。
この時点ではデリングは「ガンダム使ってホルダーになり、娘と結婚させて無理矢理ガンダムを製品化するつもり」と推理したのではないか。
だからホルダー制度を取りやめてミオリネを退学させ、婿もこちらで用意する……という対応を即断してる。レンブラン家の悪癖である。

3.魔女裁判

巷間ではこの時点で既にプロスペラとデリングは繋がっているとの判断だが、私は共闘体制が出来たのは魔女裁判後だと睨んでいる。ここでデリングにとっては意外で、軍事産業的には当然の判断が……ガンダムでもよくね?的な空気感だ。
言わば現代アメリカの銃メーカーの寄合……全米ライフル協会みたいなグループ内で、学生がスーパーで銃乱射して銃規制に動くかって話だ。そんな中で軍人の経験があり少年兵に命狙われたり、少年兵を撃ち殺したりした経験があるデリングの意見が異質なんである。
デリング以外はデリングではないのでデリングの様には考えない。聡いと内心ニコニコしてたり、反抗期かなと訝しんでたミオリネすら自身の判断に反抗してきた! お父さん正直膝からがっくり崩れるぐらい落胆してたと思う。
で、魔女裁判後に一応プロスペラ呼んで裁判とは別に詳細聞き込みしてると思うんだな。そこで能登ボイスが容赦なくデリングを襲う!

「嫌われちゃいましたね、
娘さんに」


意外と子供たちの心の機微察知には定評のあるプロスペラ。何気なく放った一言にデリングはかなり狼狽したであろう。ワンチャン涙すら流したかもしらん。
意外と娘に甘く、思考の大半が「娘の為を思って」なのに魔女の婆さんにでも呪われたのか、娘関係でやることなすこと全て裏目に出ているデリング。やはり男親ではダメなのか……と、「娘と同世代の娘を持つ女親」についついうっかり愚痴をこぼしてしまう。更に追い討ちとしてスレッタから電話が入る。

「どうしようお母さん、ミオリネさんから聞いたんだけど、次の決闘に負けたらエアリアル廃棄処分されちゃう!」

デリングは驚愕した。周りの連中に聞いても(要らぬ気を回して)なぁに、あの年代の娘ってのは難しいもんですよ!と濁していたのに、プロスペラと娘は良好な(?)母娘関係を維持している!

いや、ワイ的にはプロスペラのとこも大概だと思うのだが。
風向き、変わったわね

そして思い出して欲しい。魔女裁判以降ミオリネとデリングの関係性は改善されているのだ。胡散臭さが天元突破してた

困ると腕外すおばさん

プロスペラ・マーキュリーとPTAの寄り合いで話すかの如く「女親の意見を聞く」コトでみるみる関係性が改善。サリウスの所もヴィムの所も男親で息子。やはり女の子には女親か……と落胆したり喜んだり悩んだり。

この時点で、プロスペラはデリングをある程度掌握したと考える。また別項で述べるが、プロスペラの計画ではデリング攻略が必須であり、デリング攻略に必須の条件が「ミオリネとデリングの関係性修復にある」と見抜いたプロスペラの作戦勝ちであろう。ゆりかごの星にもこう書かれている。

格納庫で電源落ちてても思考するエアリアル、という描写でもある。待機電流流れてるのかな?

デリング総裁という難攻不落の城壁の門を開く鍵、それはミオリネであった。


4.魔女裁判以降

同級生の親友達という立場を得て、また偶然に近いもののプロスペラと交流を持ったら何故かミオリネがデリングに寄り添ってきた実績(これはデリング個人としてはジェターク並みの売り上げを作ることより好印象であろう)を積み上げた事で、プロスペラは次の段階に話を進める事が出来た。ここでシェイクスピアのテンペストのおさらいだが、プロスペローが孤島に追いやられる原因となったのは水星の魔女においてデリングに当たるミラノのアロンゾー王【ではない】

プロスペロー追い出した戦犯は実の弟である【現ミラノ大公アントーニオ】である。

するとこう考えられる。プロスペラの復讐相手はデリングに何か情報を与えて13年前のヴァナディース襲撃をやらせた「ミラノ大公アントーニオ」に当たるヴァナディース関係者(魔女)の1人であろう。
プロスペラがアス高にエアリアルを持ち込ませたのは、ミオリネゲットによりデリングに近付く為とガンダムっぽいエアリアルを見せつけてアントーニオに相当する裏切り者を炙り出す為……王手飛車取りとかの一石二鳥を狙った一手なのだろう。

デリングは当然その人物を知っているが、手駒の一つだから明かしたがらないだろうしプロスペラがそいつを恨んでいそうだから教えないであろう。プロスペラもその辺は理解していてデリングにはそれを伝えていない筈だ。11話のラジャン

プロスペラが懐に手を入れたら拳銃向けた

の行動から見て、プロスペラがデリングを恨んでいると考えるのは(作中の事情を知る人々からしたら)妥当な判断と思われる。

すると、現状一番「プロスペラの復讐対象かつ復讐されても妥当だな」と目されるのは……

まぁ待て、【コイツらではない】

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