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水星の魔女 8話感想

ミスマッチ、かなぁと。一言で言えば、ね。

話自体は別につまらない訳じゃ無い。まあまあ本話ラストに向けてちゃんと話が動いてる。ただ、満足に至らない、何か足りない感が出て来るのは……

我々視聴者が見たい絵ではなく、制作側が見せたい絵を「見せられている」感が強い


ここじゃないかなと。
先にも述べたが本作は売る・バズらせる手法として考察や謎解きを「主軸に入れた」作品である。けものフレンズなんかは主軸と考察要素を分離したから「考察は考察で、主軸は主軸で」楽しめたのよ。ラーメンで言ったらダブルスープですわ。これにより味わいが増す。
これに対して水星の魔女は主旋律の複雑さ、謎解き要素が強烈に出た「一点突破作品」に近いのだが、意外性出そうとしてそこを強調し過ぎて無理が出てる。煮干し系ラーメンとして売りに出したラーメンがニボニボし過ぎてラーメンらしく無くなってるというか、ウリが強過ぎて「単調に感じる」というかなぁ……

例えば本話のプロスペラ、謎感や邪悪感演出する意味あるの?

お前すぐ腕外すな?
演出側の過剰演出

視聴者を惑わすだけなら「こんなワザとらしい演出」入れずに普通にやればえーやんけ。これ、惑わしではなく「視聴者に特定の印象植え付ける演出」だよね?
まー、こーゆー演出するんだから後にどんでん返しした時に視聴者をびっくりさせたいって意図があるのが透けて見えてワイなどはドン引きするのだが、どんでん返しはもうちょっと自然にやってくんないかなぁ、などとは思う。

プロスペラがプロスペラとして企図したから胡散臭いムーブするのは、アリなんよ。各キャラクター毎に何か意図があって演じるのは良い。でもこれ、監督とか脚本家が話の都合に合わせて声優に演技指導してやせんか? キャラクターとしてプロスペラはこんな大根役者なのか?

全体的に、7〜8話ではキャラがブレてる気がする。シャディクはパーティーという衆目が集まる場所でぶっちゃけ話をしてニカの顔を曇らせるバカの子なのか?
ミオリネは起業するに当たり無計画に2400億もの融資を集めるバカなのか?
スレッタは高台の上から母を呼び続けるアホの子でいいのか?(携帯で電話するぐらいせーよ……ドレスなのにハンドバッグ持たせないのもマイナスでしてよ?)

その絵が欲しくて制作側の都合で「そうした」だけのポイントが目に付くのよ。それは制作側が見せたい絵であり「僕らはそんなものを見たいわけでは無い」
特にあの出資関係のシーン……展開の都合上そうせざるを得ないのは分かるが、不自然に2400億集まってるよな? バンダイの社長やサンライズの社長に聞いてみろ、あんなプランもへったくれも無い2400億寄越せってだけのプランを支持するかと。致命的にここ失敗してるぞ?

話の展開の都合って制作側の話だけで、無理を通しすぎだ。富野辺りなら「こんなママゴトみたいな計画に金出すのかお前は!」って絶対罵倒するで。富野監督は子供向け作品は作るが子供騙しはしない。その点は評価に値する美点だ。

仮にこの辺の「制作側が見せたいもの」を取り除けば、8話は割と秀作かとは思う。特にミオリネが地球寮の仲間に仕事を振ってるのがいい……シャチョーというのは自ら動かず「任せられる社員に任せる」のが仕事みたいなもんだ。何らかの理由でミオリネが起業「してしまい」ベンチャー立ち上げって話の筋なら今回の話は割といい話である。ただ、その前後でミオリネの企画力の無さや起業資金の集め方で「キラーパス」されて良さが潰されてる、ような。

つまり、シリーズ構成とか全体の流れの作り方が良くない、のかね?

話の筋の為にキャラの個性を無視しない。
謎解きをメインにするなら毎回何某かの新事実を出す。
声優さんに口三味線くちしゃみせんで煙に巻く手伝いさせるのを止める。

特に真ん中。
開示するべき事実の数が少ないのと単純なのが今のテンポの悪さに繋がってると思う。見た感じデリング・カルド博士の真意とエアリアルの秘密の3点しか無いから「延々誤導で回す」羽目になっとる(プロスペラの真意は謎ではなく作中最後に明かされるだろう)
そして今更確定的事実を提示しても(散々誤導で引っ掻き回してるから)「信じて貰えない」という大残念大会開催ですわ。

下手すっとこれは1期コケて、反省会失敗したら2期も死ぬ。正念場であるかと思うます。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!