ホウキ関係でふたことみこと
何故かキャリバンがホウキで飛ぶという不思議展開な訳だが。
んむ。カッコ良さげではあるのだが、動きまくってるせいで形が良く見えぬ。これはヌルヌル動かす事の弊害ではあるなぁ。
初代ガンダムの頃は作画も微妙で出来るだけ動画減らしたいという現実的な部分があり、止め絵を多用しててMSの形が見やすかったりしたのだが、今はバリバリ動かすのでせっかくのロボが良く見えぬ。やはり緩急付けた絵コンテ描いて「ロボを見せる」やらないといかんのじゃないですかなぁ。結果的に設定画の立ち絵で皆ロボを見るからプラモデルも静立ポーズになってしまう。
確かにエアリアルはガンビットに指示出すだけであまり動かないのだけど、だから故にポーズが印象的になり、細部も確認できる。エアリアルは挙動的に手を握り込むシーンが少なく、大股開きせず、目がデカくて可愛い……こういう特徴が動画からも確認できる。
改めて考えるとガンダムにあるあるのカタパルト発射シーンとか、ロボの全身見せて魅力を見せつけるという役割もあったのかなぁ、と。合体後の見え切りとか必殺技の構えなんかも同じだ。あれは作画枚数減らすと同時に「ロボを見せる」効果があった。もし万が一お絵描きAIでロボの漫画とか作る時は盛り込みたい要素であるな。と、同時にキャリバンのホウキの欠点が見えた。えらい長いから構えて「全景」見せるとロボがちっちゃくなっちゃうんだね。
同じ様な長モノ持ちとしてはバスターランチャー構えるナイト・オブ・ゴールドなんて奴がある。構えたのフレーム内に収めると本体がちみっちゃくて細部が見えぬ。
構図的にK.o.Gを縦いっぱいに作画してバスターランチャーの全長は後でチラッと見せればいーやの割り切りが感じられますな。
アニメの仕事してるのだから「動かしたい」は分かるんよ。動かないのは紙芝居でアニメじゃねぇと。
でも、緩急とか間を考えて、動きではなくロボのデザイン見せるのも重要ではないかと。正直私はキャリバン出て来てよー動いとるなとは思ったが
形が印象に残らなかった
んむ、ロボアニメでそれはいかんな。
次が本題。何故魔女はホウキに跨るのだろうか？
考えてみると謎だよな。ホウキが呪物であるのだろうか……ヒントは意外な所にあった。
小林源文漫画でよく出てくるこのセリフ。ドイツ近辺で魔女と言えば、隣国ウクライナなどのスラブ系民話に出てくるバーバ・ヤーガなのだけど……
実は乗るのは長い臼なんである。そしてホウキは微妙に浮かんだ臼が移動した時に付ける跡を消す為のものなのである。これが伝播の過程で「細長い臼」という珍妙な物体がイメージされ難いから失伝して、いつの間にかホウキで空を飛ぶ形になったのではないか。他には魔法を使う老女とホウキが関連する話知らんしなぁ。
で、個人的には是非ともキャリバン君にホウキに跨って欲しかったのだが、脇に携えるバスターランチャー形式になってしもた。これは何故か？
うん。俺知ってる。皆が動く動くよく動くと大絶賛したエアリアルでワイも「嘘つけ！ 動かないじゃん
大腿部が内側に！」
と指摘した通り、伝統的に足を肩幅に開いて飾ることが半ば前提になってるガンプラでは、気をつけ！のポーズが取れないのよ。
ホウキに跨るのはアニメでは描ける。しかしそのビジュアルをプラモデルでは再現できない……富野が随分前に指摘した問題をバンダイはマトモに取り合わず無視した結果、今回魔女のホウキに乗るガンダムが出来たのに跨らせる事が出来ない問題が再浮上したのである。
1番映えるキービジュアルを再現出来ないガンプラに価値はあるやろか？ ガンプラを売る事が宿命付けられているガンダムの映像制作側としては手痛い失策ではあるまいか？
ホウキとガンダムの組み合わせ見て、ワイ(ガンプラ作るマン)が危惧したのはここである。あらやだこの制作班、ガンプラの限界知らない……あーあ、勿体無い事したなぁ、と。
重心位置(腰というか、臍下丹田というか)近くに推進ベクトル置くのは大変合理的だし、身体をクルンとホウキの軸を中心に回転させてAMBAC効かせて回避とかカッコいいのにね。ガンプラの構造知らずにデザイン通して「それが出来ない」から「プラモで再現出来る動き」にされましたかね。
皆がいつも通りのポーズ取らせて動く動く良く動くと大絶賛の中、一人なんでか片足立ちさせて「動かないじゃん」と言ってた人がいました。彼の言をちゃんと受け止めて改善策考えてたらなんとかなったかもしれませんなぁ。ガンダムの呪いならぬ
ガンプラの呪い
でしたなぁ。
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