ラーメンの評価からUGCちほーまで

おじさんはググルのローカルガイドプログラムに参加中なのだが、そこで少し不思議に思った事がある。

まぁ、ラーメンよく食うからラーメン屋のレビュー書いてるわけだが、皆評価がおかしいというか何というか……言語化が下手なのである。例えばアホでも分かるレベルの差異を出してる店の評価は高く、レビューも多い。しかし、言語化の難しい(いや、難しいかそれ…と思わなくも無いが)バランス重視形で尖った部分の無いラーメン屋の評価が低いのである。人によっては「味がぼやけてる」みたいな評価を付けてる。ある店のラーメンは説明書きにもある様に「調和」を目標として作られており、ハーモニーがウリなのに……

んで、素直に何の考えもなく「調和が素晴らしい」というホメホメ文を書いた。おじさん特に味覚が鋭敏とか無くて、普通に尖った部分が無い常食可能なラーメンって書いただけなんに……

以降、「調和が素晴らしい」という評価がニョキニョキ生えた。何ぞこれ？

恐らくだが、潜在的にこのラーメンを美味いと思う層は実在したのだが、それを言語化出来ていなかったのであろう。山盛りでも無く、アブラマシマシでも無く、ニンニク臭もしないと評価のしようがないという人々がいるのだ。あらやだびっくり。

私の味覚がアレである実例として、台湾でのラーメンツアーの話をしよう。2ヶ月台湾居た時に、同僚のアンディーに連れられて有名ラーメン？店巡りしたんだが、正直ラーメンとして如何なものかと感じたである。ぶっちゃけスープが弱い。(現地民に好評な店を週末毎に探訪したんだが、ダシが弱く感じられたんよ。麺線系統はダシがかなり効いてるんだがな！)

日本のラーメンの場合、タレとスープで味が二層化してるんだが、台湾のはどちらかが弱くて味が一層(若しくは複層化してるが目立たない)なのね。後述するが、私は日本式に慣れていて台湾の多層化ラーメンを味わえていなかった可能性もある。

上記の様に、私も日本人でありかなり日本人向けに特化した味覚センスを持っている。平均的な日本人より2ヶ月毎食台湾フード食ってたから多少は台湾や中華方面の「手加減無し、現地民向け味付け」に慣れてる部分もあるが、基本はズッポリ日本人だ。シャンツァイ好きだったり八角耐性はあるが、味覚は日本人基準であるのは間違いない。恐らく違いは味覚ではなく言語化部分にあるのではないか。

似た事例としてこの前カクヨムである作品を「当たりだ！」ってレビュー書いたら……聞いて驚け、なんと「当たりだ」とレビューしたのが2〜3人続いた。マジか。

……言い辛いが、皆実は「言葉が不自由」なのではないか。頭の中のモヤモヤとした「何か」を捕まえて名を与える事が出来ないんじゃないかと疑っている。

脳内に感覚器から入力がある。その入力信号に対して人間は経験とかで培われた知性に照らして「評価」を行う。この際海外の事物は経験が無いから対照評価する事例が少なく、評価不能になる事が多い。ここで海外だからという理由でなくとも、経験が無ければやはり対照する事物が無くやはり評価不能になる。

食べログとかググルのローカルガイドもそうだが、素人の集合知により評価を定めようとする方向性は今後衰退すると思う。レビュアーの質の担保が難しいんよ。例えばジロリアンが二郎系以外のラーメンを評価し得るだろうか？　家系ラーメン大好きっ子がいわゆる「東京ラーメン」を正当に評価出来るだろうか？　私が台湾のラーメンに疑問を感じたのは、味覚フォーマットが日本人だからという可能性は否定できない。

最近私は不特定多数の数的評価はアテにしておらず、数値のその先を見るようにしている。ある作品に対して評価が集まっているなら個々の評価者を見る。私が苦手にする解像度の低い物語を愛好する人が絶賛する物語は、やはり解像度が低いだろう。豚骨ラーメンがスコスコのスコな人のラーメン評は、やはりトンコツ以外低評価であろう。無論例外はあるが、多くの場合ある人物がある事物の全てに知悉している事は稀である。

なんか論評マッシーンと思われている私であるが、それでも「言葉がスルッと出てこない」事例はある。

彼女の裳裾は濡れている（夢見里 龍） - カクヨム

上記の作品はかなりズバンと心に響いたのだが、モワモワとした胸の内を言語化するのにかなり手間取っている。読者の自然な？視線の動きに連動して小説の描写がピタリと解像度を上げていくとゆーか、ただ高精細な描写をするのではなく、見たいところをキチンと精度を上げているとゆーか。この辺を上手く表現できなくて久々にヤキモキしていたりする(難敵攻略みたいなもんで、それはそれで楽しいのだが) 幸いにも私の胸の内のモヤモヤは他の方のレビューと重ならないので他人の言葉を見て「それだぁ！」になる事は無いが、もしも同意しかないレビューがあればそれをパクった可能性は、ある。

もうちょい続く