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水星の魔女とアラレちゃん

ガンダムの主人公が女性という事で一部、極々一部が騒いでる様な話を見かけたんだが、そんなものは1980年代の週ジャンで既に通過済みなんだけどなー、などと思うなどした。

ドラゴンボールが有名になり過ぎて今は霞んだ気配があるが、Dr.スランプ アラレちゃんは日本の漫画-アニメコンボに核爆弾を落とした意欲作なのだ。

元々本作は則巻千兵衛を主人公としたギャグ漫画として起案されたのだが

Dr.マシリトの奸計によりアラレちゃんを主人公に路線変更させられたのである。当時ジャンプで女性主人公(アンドロイドだけど)は皆無であり、ウケないんじゃ無いかとの鳥山明の心配を銀河系の果てまで蹴っ飛ばしてめちゃんこ流行った。
更にここで東映動画による猛プッシュでアニメ企画が走るのだが、当時のジャンプでは「連載中にアニメ化すると漫画の人気が下がる」なんてジンクスがあり

マシリト(より上)は拒んだがアラレちゃんは結果としてアニメ化した。

どーでもいー外野の野次など無視して良いのである。

ガンダムでは初の女性主人公? 隠キャ? 案外やったらどうにでもなる。


て、ここからが本論になるのだが。

大体創作作品というものにはテーマというものがある。水星の魔女では「大人や社会から子供への付託、願望という呪いから子供たちが自分の生き方を取り返す」というのが、バレバレ過ぎるストロングなテーマだ。先読みや考察するならこの「テーマ」を念頭に置くべきだし、なんやかやとこじつけした挙句「それではテーマと相反するだろ」みたいな事主張するのは「極めて頭が悪い」ムーブである。いつものガンダムみたいに主要キャラが死にまくるとか、悲劇的展開予測まだやってる奴はそーとーに読解力無いぞ。おじさんはPV2段階でその展開は無いと見抜いている。

そして更に、この水星の魔女には裏テーマが存在して、本来なら考察勢はこちらのテーマでワチャワチャするもんだと思うのだが、だーれも書かないのでおじさんが書いちゃおう。

「人間って、何だ?」

これよ。古典的SFとかでもやるハードな奴よ。ブレードランナーじゃ。レプリカントは人間ではないのかって奴だ。最近だと攻殻機動隊だな!

本作では義肢技術の発展系としてガンドという技術がある。スレッタママンであるプロスペラ(旧名エルノラ・サマヤ)はガンドに命を救われており、分かりやすく右腕が義肢だ。
が、考えても見よう。腕一本ぐらい無くても人は死なない。するとプロスペラはかなり広範に「生命維持が困難なレベルで」身体を損傷しており、恐らく上図と同じくらいのガンド化されてると予測される。つーか、上図はエルノラその人でプライバシー保護の観点で髪型変えたりした「ガンド技術PR動画の一部」なんじゃないかなと。
さて、人体の大部分を機械に置き換えたイキモノは人間だろうか?

そうだね、「まだ人間」だね。

では、何処から人は人では無くなるのだろう? 

大体脳とかその辺、意思決定器官が生体だと「人間」扱いされるのが通例であるかと思うが、科学が発達して脳機能を電子化、機械化出来た時はどうだろう? 人格のエミュレートではなく人格をそのまま機械に移せたとしたら?

アルカディア号の中枢コンピュータ

キャプテンハーロックのアルカディア号は、ハーロックの無二の友「トチロー」の意志を移した中枢コンピュータを有する。アルカディア号は巨大なサイボーグとも言えなくもない。そしてハーロックはアルカディア号を「友よ!」と呼ぶ。ヘルシングの少佐はこの松本視点を継ぐ思想の上に存在している。

では、データストームにより身体が動かせなくなった人間はどうか? 仮に意識のあるなしを検出する技術が生まれたとして、完全に意識が無く生命活動のみが外部機器により保たれている植物人間という存在は「人間」なのだろうか?(この辺、実は現代科学でも未解決分野なんよ)

今回の「水星の魔女」は、人間の存在とはなんぞや的な「存在の境界」まで科学技術が到達した世界である。SF好きからしたらこれはご馳走だ。こんな上等なネタを味合わない筈がない。ワンちゃんネコちゃんにおけるチャオチュールですよ!

このネタやるなら「人間がどこから人間では無くなるのか」というアプローチと、「機械は何処から人間になるのか」の両方からアプローチしますなぁ。また、完全な生体でありながら自由意志を持てない奴隷は上記定義では人間ではない。(あくまで上記定義では)

さて、誰が人間で誰が人間未満なのだろう?

先にも述べた「子供たちが自由意志を持つ様になる。自由である」話のバックグランドにはこんなハードSFな世界が広がってるんだわ。で、あるならば……

私なら、見え見えの表テーマを王道で転がしながら、最終的には「えすえふでしたー!」をやる。つまり機械or非生物側からの人間へのアプローチ……即ちガンダム・エアリアルの人間化だ。

ワイの見立てでは赤枠はエアリアルである。

2匹の子ダヌキが草原にいるという極めてタヌタヌしてる絵であるが、エアリアルを家族とまで言い切るスレッタが、何故にここまで「ガンダムエアリアル」を放置出来るのか? 簡単な話だ、アルカディア号とは逆に「ガンダム・エアリアル」からエアリアルを抽出して「人間」にしたからだ。スレッタ・マーキュリーの横に居るスレッタと良く似た幼子は、ガンドで作ったアンドロイド、ガンドロイド・エアリアルであり、エアリアルが抜けた放置気味機体は「ただのガンダム」なのである。

エアリアルの誓いは達成される

その様な視点を持てば、上図は「ただのMSとしてのガンダム(元ガンダム・エアリアル)」とガンドロイドエアリアルと、スレッタの3ショットである。自我と意志を持つ機械である「ガンドロイド・エアリアル」は人間だろうか、まだ機械なのであろうか?

水星の魔女、話の下敷きに「テンペスト」があるってのが現時点での定説だが、テンペストではプロスペローがラス近くでエアリアルを復讐の道具から解放するんだよね。復讐の道具としてのエアリアルが「ガンドアームの中に縛られたエアリアル」なら、解放されたエアリアルはどんな姿になるだろう?
つーか、ヴァナディース機関は貧しさに負けた、世間に負けた……

昭和枯れススキ状態だからMS開発する羽目になった訳で、潤沢に資金があったらガンドアームなんぞは作っていない。ガンド&ガンド&ガンドのガンド漬けであり、

その場合、最終的に彼らが目指した地平は何処か?


身体損傷を補完する技術だ。今は脳さえ無事ならクラスだが、脳すら損傷しても人間で居られるレベルを目指すのは想像に難くない。つまり「自我を持つ機械」までは目指している筈である。

キーン!

則巻アラレはガンド技術の最終到達地点・最終目標である。何でか知らんがアラレちゃんはロボなのに部品流用で生体維持出来たりするし……

アラレのボディパーツでサイボーグ化した熊さん。よく考えるとなんかおかしい。しかし本作の「ガンド」と極めて似てる部分ではある。
祝福のMV内画像

「キーン」しとるやないか

エアリアルがアラレちゃん化するなら「おぼっちゃまん君」も欲しいよね?

恐らく元敵役
最終的にはこーなる

エアリアルが幼スレッタなのだから、ファラクト君は幼エランであろう。色が黒系なのはオボッチャマンのオマージュだ。

エランも多分裏テーマ系で重要なファクターで、あいつの感情が希薄でスレッタ同様コミュ障気味なのは「人体のほぼ全部ガンド化してる」為に自分を人間ではないと考えてる厨二病重症患者だからであろう。エターナルフォースブリザードっ!

エラン君キンタマ落とした説。玉無しだから女性的・中性的な容姿になったし、厨二病を拗らせてしまったのだ! 尚、脊髄という造血組織をメカに出来る技術力が有れば生殖細胞(精子)製造して男性ホルモン作るキンタマぐらいはメカに出来るのではあるまいか?
まぁ、iPS細胞現実世界で実用化近いし……

この要素も「人間の境界」議論の争点になるだろうし、自身のカーちゃんがかなりガンド化進んでるスレッタは

「は? ガンド化進んでも人はヒトですが?」


と気楽にポンポコタヌキ理論を振りかざす(そしてエランが落ちる)

厨二病が快癒したエランは表情豊かな好青年になり、「僕ハ人ヲ好キニナラナイヨ!」の呪文で耳まで真っ赤にして

「辞めて、マジ辞めて。本当にごめんなさい、あれは厨二でした!」

とか悶絶する可愛い奴になるのではないかなぁ?(勿論身体機能はシン・セーの最新ガンドで完全回復する)

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!