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禁断の日曜作業

建築業会は残業とかさせるとマジでうっかり死ぬのと、労働争議とかの関係で実は労務管理周りは基本的に超絶ホワイトである。昼飯や休憩はきっちり取るし、その休憩時間に打ち合わせして常に人的リソースの最適化を図るプロ集団である。こう書くとなんか凄いできるマンの様に見えるが、リソース最適化などというのは現場ではただ「段取」としか言わんのだな。

で。

建築関係、現場仕事は外注使えば安い!という事で自社社員首切りして外注に安く仕事させてたんだが、どこもかしこも外注使い回すもんだからついに外注さんが足りなくなった。そーゆー訳でここ数年は期末に何ちゃって建築業みたいに知り合い経由で現場に紛れ込んでいる。職人さんたちは横の連携があり、私もカメラ設置なんかで偶に手伝いをお願いしたりしている訳で。

で。人手が足りない所にビミョーに専門性が求められて一現場3〜4日程度の短納期で仕上げるとなると、1日単価が高くなるのである。更に今期、現場が後ろ向きにぱったり倒れて息してないトコがひじょーに多い! 昨日までの現場、オープンGWごろと聞いて「おー、豪華なトコはスケジューリングもお大尽よのー」と感動してたら、

既にケツ割って、3ヶ月ほどオープン延ばして、リスケジュールした後らしい

工事が遅延すると元請けはお客に遅延損害金を補填するである。高級リゾート地の3ヶ月分の収益やそこで働く人らの人件費、お高いんでしょうなぁ、そうでしょうなァ。

二度と遅延できないという事で、休日出勤手当を支払わねばならない日曜作業をすることになったと。出来る作業は段取無視して「とりあえず終わらせてしまえ」もう此方は後が無いんじゃ……というこの悲壮感。

しかしこれは基本的に悪手である。

物事には順序というものがあり、床を張る前に絨毯敷く訳にはいかないし、壁に石膏ボード張らないと壁紙は貼れないのだ。だから建築工事はABCの3工程を組んで、私らC工事屋さんは最後の方でチョコチョコ仕事するのが常であるのだが……あちこちコンセントが出来てないとか壁が完成してない、床も直しが終わってない……こんな状況で家電製品とか納品すると、まず間違いなく他の工事の邪魔になるし、多分数個は破壊されるであろう。本来はそれらの二度手間を防ぐ為に工程表を作り、段取り組んで仕事するのだ。しかし今この期末、大どったんばったん時代に「工期遅れて作業が2週間後ろにズレました!」となると、その辺りは職人さんたち既に他の仕事入れてて物理的に作業が出来ない。他の業者探しても「暇してる奴」なんかいない訳だな!(だから畑違いのおじさんまで駆り出される訳で……)

判っちゃいるけど止められない。

金でカタが付くならまだ良いのだ。金を積んでも頭を下げてもどーにもならん事はある。一度工程が狂い始めた現場は大混乱を呈し、テレビ付けに行ったらアンテナ工事が終わってないとか、テレビを壁掛けにせーと言われて掛ける壁がないなんてのは良くある話。家具の納品と電化製品の納品とベッドの納品がかち合って、エレベーター前で順番待ちするのがその日の仕事になることすらある。そしてこの辺の段取りが破綻しているから二次災害的にまた工事が遅延する。金を積んでも破綻した工程表はどーにもならん。

いやぁ……オリンピック大丈夫なんか、これ。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!