読めばわかる事

水星の魔女がシェイクスピアのテンペストじゃね？　と聞いて前に市立図書館行ってテンペスト読んで来た。なんと言ってもシェイクスピアであるから、よっぽどトンチキなスタバ図書館でも岩波や全集で読めるだろう。高校の学校図書館でも読めるんちゃうか？(私の行った高校には全集があった)

で、テンペスト読んでそれが水星の魔女の基本骨子になってるなら……テンペストではこうだから、水星の魔女でもこうなるだろうって展開予測や書かれていない伏線はこーだって話を書く。

1.プロスペロー、娘と共に放逐されるの巻

テンペストの主人公はプロスペロー(水星の魔女では女性なのでプロスペラ)は物語序盤で「為政者なのに弟に政治任せて魔法の研究にかまけてる」まるで、ダメな、男。つまりマダオである。で、謀反起こした弟により島流しにされるのだが、別に悪人ではないので「流刑にする為に用意されたボロ船」には、衣服や食料、生活用品が積み込まれてて「島での生活に困らない様」配慮されていた。
これから考えると、ヴァナディース襲撃時にエリクトとエルノラ(プロスペラ)はなんらかの理由で襲撃して来た側から逃亡の手引きを受けている。また、その様な展開が過去に存在しないとテンペストっぽく無いのでエルノラがプロスペラに改名する必然性が無い。データストームという嵐を操ることが「結果的に出来た」であろうから名付けられたエアリアルと共に、エルノラが状況から「これじゃテンペストね」と感じて主体的にプロスペラを演じる契機は必ずある。復讐するだけなら地獄のズバットでも何でも構わんのだし。

2.地球寮

ここに到達するのはプロスペラの計画の中では既定路線であろう。テンペストの話が展開される中で、プロスペローと娘は孤島の粗末な岩屋で居住するからである。
ここにはかつて島を支配していた偉大な魔女(物語時点では故人)が居て、その息子である怪物的な容姿のキャリバンがいる。
地球寮が粗末なのは「岩屋」の寓意で、島を支配してた偉大な魔女はカルド博士であろうか。するとキャリバンは……となるのであるが、6話を見る限り「ヴァナディースの意思を継いだ」ベルメリア(珍しく不細工)か、ヴァナディースの意思を継いだ人間に弄られた4号当たりが妥当であろう。前者ならベルメリアは使い走りとしてペイル社調査の駒にされるし、後者ならプロスペラに処置されて仮面のガンダムマンとしてタキシード仮面ポジであろうか？

3.エアリアルの役割

妖精エアリアルは偉大なる魔法使いにより島の木の中に封印されていた。これを島流しにされたプロスペローが発見して、エアリアルの「嵐をコントロールする力」で「復讐対象」を「バラバラに島に漂着させる」のが第一幕の主な内容である。エアリアルは木から出して貰った恩義と、計画終了後に解放してもらう事を条件に復讐に加担する(のだが、割とプロスペローに文句垂れてたりする)
エアリアルというハードウェアがプロローグに出てきたルブリスの発展機であり、ルブリスに植え付けられたデータストーム抑制機能(何らかのAIによる負荷代行？)だとするならば、偉大な魔女(故人)に封印され、プロスペローにより見出され、使役されており、嵐を操り、姿が見えないという諸条件に一致する。
なお、キリスト教圏的には妖精の使役とかめっちゃ異端で魔女裁判待ったなしであるのは言うまでもない。

4.キャリバン

あくまでもテンペストをきちんとモチーフにして、テンペストの様に主要人物が全て許される筋になるのであれば、だが。
キャリバンはエラン4号であろう。
キャリバンはテンペストの中では、島の支配者であった魔女の息子で、醜い容姿とされている。島に到着したプロスペローは最終的に島の実権を奪取して、キャリバンに言葉(知識)を与えて奴隷ないしは下男としてこき使う。何故かというと、物語が動き出す前にプロスペローの娘を襲ったからだ。(無事である模様。未遂か)
水星の魔女において偉大な魔女はカルド博士、その系譜の末にあり醜く「知識がない」、そしてプロスペラに(娘を襲った咎により)知識を授けられ使役されそうな存在ってエラン4号ぐらいしかおらんのよ。プロスペラに保護され、データストーム解除のガンド化施術されて、プロスペラと同じヘルメット着けて再登場するのではなかろうか？　データストーム跡光らせて「プロスペラもスレッタの前にペイルと同じ人体実験を？」と考察班手玉にとるつもりだな。
同一人物なんじゃねーの？

私はこの「キャリバンに当たる人物が存在しない」から、てっきり「ブサメンは要らぬ」と大河内氏が削ってイケメンハーレム展開にするのかと勘違いして「キャリバン役としてガンド天狗」を配置した(私はエラン4号が4号である事も、排除展開が組まれていることも考えていなかった)

怪傑！　ガンド天狗！！！【一回完結】【アディショナルタイム】 - ハーメルン

ワイの話の方がエアリアルかつキャリバンという事でプロットが複雑骨折している。
ははは、やっちまったな！　その代わりエラン4号は危険に晒されぬし、スレッタは曇らなくなるのだが！

で、ここで布石が効いてくる。
実は本当にどーでもいい事だったベルメリアの「21年前発言」、地球寮インドっ娘の占いによる「兄弟」発言、唐突にプロスペラ側近として現れる「長身の同じ仮面を付けた奴」
エラン4号をエリクト=スレッタ兄(姉)と誤解させる展開だな。先に矛盾点、疑問点を与えておいて、条件に合致する「都合の良い存在」の後出しで誤導する。またこれでエアリアルに脳みそや人格が移植されてるとかクローンとか存在しない21年前の悲劇考察でネットは大盛り上がりであろー。大河内氏はネット上に勘違い考察がアホほど増える事を期待して筋を組む。だから恐らく「スレッタの知らない兄弟ポジ」は必ず出るし、4つ年上っぽく見せて誤導する(確信というか、信頼と言うか……w)

みんながテンペスト読まないのが悪いと思う吉宗であった(終)