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ガンブレモバイルで誰も教えてくれないこと

を、今日も書いていきたい。俺ガン作りやガンプラ改造において大変ためになる話であり、特に絵心が壊滅的に無い人がガンプラ作りする時やガンブレモバイルのカスタムカラー彩色する際に絶対外してはならん鉄則が含まれている。

まず最初の基本として、人体には美しく見える各部の比率というものがある。

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冒頭に挙げたこの画像。レオナルド・ダ・ヴィンチによる「ウィトルウィウス的人体図」という。この図は古代ローマ時代の建築家であるウィトルウィウスという人が提唱した概念をダ・ヴィンチが作画したもので、我々人類は千年以上前から「人型のあるべき姿」を発見していたのでありますな。

この「人体のあるべき比率」に関しては、実に多くの絵描きサイトで凡例を挙げて解説されている。例えば顔(顎先から額の髪の生え際まで)の縦の長さはその人物の手を最大に開いた時の親指の先から小指先までの長さに等しく、肘から手首までの長さは足の長さに等しい。膝関節は脚の長さの中間点にあり、両腕を横に広げた幅は身長に等しい。絵描きはこの様な人体の理想的な各部比率を体得しており、この比率を目安に人物画を描く。

の、だが。

悲しい事に理想的な体型をしている人は少なく、日本人(の内、昭和生まれの古い人間は特に)は脚が短かったりする訳ですわ!(血涙) それ故に我々は「脚の長い人物像」に憧憬を抱いている。

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いくらなんでもこりゃやりすぎだ!

ガンプラではこの「脚が長いとかっこいい」視座によりジムカスタムが超脚長で、しかも膝下が長いモデルになっていたりする。

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お前、シークレットシューズ(一見普通に見えるかかと部が厚い靴。見た目脚が長く見える)はいてるだろ!

良くガンプラ界隈では「膝立ち出来る」が関節可動域の広さを喧伝する目的で称賛の言葉になっているが

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控え目に言って、これは膝立ちの射撃姿勢では無い。膝立ちでの射撃姿勢は普通こんな感じだ。

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膝立ちというのは、重心移動で「前足」に重心をかけて即時立ち上がれる姿勢をいう。

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リバイブ陸ジムさんなんかは各部比率がリファインされていて「理想的な膝立ちから走り出すモーション」が再現できるが、ジムスナイパー2は膝下が長過ぎて上記4枚の写真中の2枚目、体重移動して「前脚の足裏に重心を移動する姿勢が取れない!」のだ。ロボに人間と同じようなアクションさせる場合、関節間距離をきちんと人体に近い比率にしないとダメなんな。

当然、ロボのアクションを見せるガンブレモバイルでも、ロボの関節間距離比率は人体に準じたモデルになっている。

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ガンプラではなまら膝下が長かったジムカスタムさんがちゃんと調整されておる。ハレルヤ! もう私みたいに膝下鋸で切断して大改造する必要はないんだ!(めっちゃ苦労したやで)

が、近年のキャプ翼ほどでは無いが膝下が長い方が格好良くすらっと見えるのは否めない事実であり、この「実際の関節間距離は適切だが、膝下の長さを長く見せようとする方策」が、縦長の膝アーマーである。

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この膝アーマー部がスネと一体化して正面から見た時に長く見えるとかっこいいのね。ガンプラのジムカスタムさんだと実際スネも長いから「異常なまでに長く見える」わけで、逆に異形に見えてしまうんだが……

ガンブレモバイル内の機体データは関節間距離を調整してあるから、普通はそのままで見栄えがする。膝アーマーも含めてスネと見たら脚長かっこいいシルエットにちゃんとなっているから安泰じゃ。

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が、カスタムカラーとかでこんな風になると……

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膝とスネの色を分けて、膝の色と大腿部の色を同じにしてっから、腿が長くスネが短い様に見えちゃうんだよ。こうすると関節間距離比率が崩れて不格好に見えてしまう。また、ビルドに使ってる元機体のサイズがまちまちだから、関節間距離がグダグダで「デッサンがおかしい」と白眼剥く惨状が広がっておる。

デザインの才能があればまずこの様な色にはならない。感性が仕事して即座に「かっちょ悪い」と棄却するからだ。非才の人間でも膝アーマーのデザイン上の意味合いとか知れば回避できる。才能がなく知識や理論武装もないとこんなカラーリングしてしまうんだ。(まぁ、このモデルの破綻具合はこれだけではなくざっと3〜4ある訳だが……)

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向かって左がパワードジムのキット素組、右が改修機体。関節間距離比率やバランスを考えて人体に近い外型を作り出しているんだけど、改造すべきポイントは上記の「ウィトルウィウス的人体図」を基に割り出している。何かが不格好に見えた時に言語化出来ないのは良くある話だが、それをクリアにして改修ポイントを明確にしたり、色塗りの際にデザインを意識して色を選択する際に「非才の身であるなら尚のこと」絵画や美術の知識は貴方を助けてくれる。あり溢れる才能があるなら良いのだが、無いなら知識を積んで研鑽するしか無いんだねぇ。


おじさんは高校時代に美術を選択して木彫や油絵やってました。理数系でありながら一番力を入れたのは美術だったかもしんない。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!