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ある企業の隆盛と没落2

承前

本社技術部勤務時も、割と頼み込んで週一で店で店員する様にした。なお当時土日にワイが店にいた場合、それは店員のフリした単なる常連客というか、お給金は発生していない。

でね。

ある時本社で副社長が「もうAbit取り扱いません!」と言い出した。その当時のAbit……もう名前出しちゃうか。AB-BH6って出したら売れるクラスの大看板商品で、余りにも売れ過ぎて並行輸入品とか出る始末の売れ筋ですよ?

もう見たくもないBH6

おかしいなと思ってたら、店で「退職した部長があちこち秋葉原を台湾人連れ回して歩いてる」という目撃情報が入った。

ウチの店は基本暇なので、平日は近隣店舗の歳が近い店員のサロンみたいになってたの。喫茶店つーか、ダベリ場というか。で、そうして歓談してると偶に部長がやってきて叱り飛ばすから「知り合いの店員が部長を見かけたら、店に注意喚起の電話が来る」様になっているのだ。
コールネームはゴキナマ若しくはヒゲ。

まぁ、簡単な話だ。本社副社長はAbitがじぇんじぇんイケてない頃からAbit代理店としてしょーもないもん買ってた訳で、Abitより優位な立場にあった。
が、私がいた某店を起点としてAbitは一躍大正義企業となったが立場が弱いので価格交渉ができない・やりづらい。
そこで某店担当部長だった男(尚、Abit販促には微塵も役に立たってない)を担ぎ上げ、そこに総代理店をやらせると。

まず第一に、部長クラスが同業他社に移籍自体があんまいい話ではないのに……売れてる商材を人脈で引っ張って元の会社の飯の種奪い取るの邪悪でしょ?
しかも時期的にまだ本社が代理店として機能している内から総代理店が出来るだの、以降はこっちからAbit買ってね運動してる。当然副社長にも「こんな話来てるけど、マジっすか?」ぐらいは聞かれているだろう。
つまり、副社長は元部長の裏切りを知り激怒して「一瞬でもAbitに仕返しすべく」販売停止に舵切ったのだ。

で、次に本社技術部でアメリカのM/B会社との間に立ってた人物が退社した。係長だったかな?
で、この人のさよなら飲み会が終わった後、帰りの電車内で元部長が上場企業でパーツ販売部門立ち上げること、Abitの総代理店になること、後々そっちでサポート部門やって欲しいこと……などを伝えられたのである。

てかね。
この時点でワイは既に近々に設立される予定だった某台湾企業の日本支社設立計画にガッツリ噛んでおり、技術部門統括と販売指針決定権を約束されていたのである。それまでは本社で席を温め、偶に店行って店員してアキバキッズを満喫する予定だったのだが……っ!

まず、Abit総代理店がグダグダになった。
当時BH6と同じくらい売れたM/BなんてAsusのT2P4ぐらいしかない。月間万単位で売れる製品の交通整理なんて仕事しない部長やM/B商売した事ない人には無理やってん。
また、返品数も半端なく……実際動くのに「動かせなかった」モンまでバンバン不良品扱いで返品され、時間が無かった技術部の元係長には処理する時間が無かったでござる。(1〜2割返品されてたかな?)

という事で泣きが入った。いつかじゃなくすぐ来て! なんとかするから!

で、謎の新部長の謎ムーブもあったし、ワイは上場企業に転職した。決裁権とか色々都合つけてもろたが、実はそれは空手形であった。
例えばある時、上場企業で返品減らす為にBIOSの復旧サービスする事が決まった。実務担当者であるワイの意見も聞かずに。
で、ROM(EEPROM?)の書き換えするからROMライター必要だよねって事で稟議書書いた。

棄却された(何故の嵐)

サービス開始するのに必要部材はない。どーしろってゆーのか。

ROMを活線挿抜しろという。

いや、BIOSって起動時にデータをロードしたらあとは仕事してないんだわ。だから立ち上がった後にROM入れ替えて、そっからDOSコマンドでデータ書き込みは出来る。出来はする。
が、ROMのソケットは何度も何度もROM入れ替える様になってない。10回も挿抜するとガタが来る。長期でサービスするなら絶対ROMライター買った方が良い……のだが、無視された。

まぁ、諸事においてこのザマだ。PCパーツ商売に不慣れな人々が大正義M/B販売という毒杯煽って少々感覚がバグってしまい、チョーシこいた社長は素人意見を現場に押し付ける……係長が破綻したのもこのシャチョーの無茶振りに対応せざるを得ないってーか、シャチョーが思い付きを相談だのミーティングだので押し付けるので現場が疲弊したってのが正しい。

思えば、各種会議にワイが参加できなかったのも「下手に有能と知られると社長にオモチャにされる」と考えていたのだろう。実際ワイがホワイトボックスPC関係であれこれやったら余計な事までやらされる羽目になった(必殺、ディスクイメージ作成後にバンドルソフト増やす攻撃!)(地味に面倒なんよ)

で、個人的には翌年ぐらいかと考えてた台湾企業日本支社設立が4月からと決まり、2月中に退社決意、3月に退職届(退職願ではない)提出、4月からは日本支社でバリバリ仕事してた。

そもそもですね。Abit側の忘八者営業がクソでして。M/Bの不具合とか知らせるじゃん? 普通は不具合修正のドライバーとかBIOS作るじゃん? 不具合治らないとワイがエンドユーザーに詰められるからな。
だが、回答は大体これだ。

「分かりました、安くします」

なんも分かってねぇ(絶望)
大体仕入れ価格安くなってもワイのお賃金は変わらないの! (大体、担当営業が日本語わかるだけで技術をビタイチ知らないのが原因)

それからだよ、日本語での対話窓口が使いもんにならないから英文メール書いて「お前は何もしなくていいから、メールを担当技術者に回せ」って英語学ぶ様になったの。台湾には現地調整用の日本人エージェントも居るにはいたが、こいつも碌に技術を知らん。3ヶ月で辞めるべきであった。まだ東池袋の商社にいた方が学びがあった。意外と嫌われてた副社長(アカハナ)、日本語下手だけど頭は悪くないし、ちゃんと詳細をロジカルに語れば分かってくれたもの!

で、まぁ。
Abitはその後失速して行き、ワイが居た台湾企業日本支社はトレンド掴んでじみーに躍進した。

そしてある時、たまたま何かの用事で台湾本社に居た時にAbitの元日本担当営業がウチの本社に面接に来た。面接担当から「偉い自慢げに日本担当ですっごい売り上げ作ったとか言ってるけどマジ?」と照会が来た。無論私は「そいつ何言っても『安くします』しか言わん無能やぞ」と回答しといた。勿論彼は入社出来なかった。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!