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正月だしNeoZeroの話を聞け(3)

サッカーでもフィギュアスケートでもやきうでもそうなんだが、子供に(なんらかの形で)ウケると「子供時代からハマり、練習し続ける」プレイヤー層が形成され、その中から一定確率でスーパープレイヤーが出て来ます。

キャプ翼がサッカー周りの文化を作った

Jリーグが何の下地もなく勝手に興行として成立した訳ではない。プレイヤーも観客も何らかの形でその競技に触れて学び、勘所掴んでないとゲーム楽しめないの。日本じゃラグビーがイマイチメジャーじゃないのは漫画やアニメを流行らせて「ラグビーという競技の周知が出来ていない」からなんよ。日本ラグビー協会はラグビー振興の為に先ずラグビーラノベをそこらのお兄ちゃんに書かせて漫画化、アニメ化、そして映画化を目指すと良い。何度かチャレンジしてガチでウケたらラグビーも競技興行出来る様になるやで。

同じ事は他の分野でも起こる。パトレイバーや踊る捜査線が流行ればやはり警察志望者が増え、ブラックジャックやドクターXが流行れば外科を志望する人が増える。ハマった奴が全員警察官やら医者になる訳ではないが、彼らを理解して「そんな道に進む人」は流行りにより絶対増減するんだよ。日本でロボット工学目指す奴ってのは、鉄人28号や鉄腕アトムがウケたからだと思うやで。それがガンダムやボトムズを経て、今水星の魔女に至っている。

戦前の日本はこの辺に気付き「飛行機分野の隆盛を作り上げるべく」ライトプレーンというホビーを幼年学習に組み込んだ。

別にそれが直接最新の航空機設計に関与しなくても、関心を寄せるきっかけになればいいんだね。好きこそものの上手なれ、だ。好きになったら子供でも自発的に学ぶ。

信じられない気もするが……ファントム無頼が流行った頃、自衛隊の基地祭には女性まで来ていたそうだ。みんなファントム爺さん見に来てたし、それでいて別に憎いソヴィエトのMigを迎撃して欲しいと願っていた訳ではない。

作中何度も語られてるからね。神田ゴリラの願いも叶い、日本のファントムちゃんは翼を血で濡らす事なく退役出来た。この結果に至る決断の中に全く神田の祈りが考慮されてないとは思わない。幾人かの心の中に「ファントムを無事に退役させてやりたい」という引っ掛かりがあったんじゃないかなぁと思っている。

とゆーよーな感じで少年の心は大人の中にも生き続け、その大人たちが子供に想いを繋いでいくのだから、今ある創作物の中にはその作者が摂取してきた文脈がDNAの様に刻まれてるんだわ。ヒコーキ趣味者は一回90年代に途絶えかけたからその文脈に気付きにくいという問題があるのだが、水星の魔女の描写の中には「あ、これ書いた奴ヒコーキ趣味者の匂いがする!」ってとこがいくつか在りまして。

例えば水星の魔女5話だっけ? エラン4号がエアリアルに乗ってパーメットリンク2を試すシーンがありましたな? ガンドアームの機能でガンダムの視界を得るシーン。

あれ、形は違うが実用化されてるんやで?

F-35で使うヘルメット。お値段5000万円。バイザー部に映像投影出来て機体を透かして全周見える優れものなんよ。
それ以前は機体後方ちょっと下は機体の影になって目視出来なかった。この死角がF-35には無いの。えすえふだね(KONAMI)

そしてこの機能、鳴海章氏のSuperZeroで既に予言されていたりする。

脳と機体を直接リンクさせる……ガンド・アームですなぁ(俺は知ってるぞ大河内!の目)

そして、このSMESの機能によりパイロットは機体各部に設置されたカメラ画像統合して、機体全周を視認できるんですわ。まるで体ひとつで空飛んでる様に感じるので、作中では「スーパーマンの目」なんて茶化されている。ここの部分、まんまパーメット2って宣言したリンクシーンと同じですわ(SMESだとアクティベートってボイスコマンドで発動する)
あと、主人公那須野の敵(ファントム乗ってた時の後部座席に座ってた奴。バーンズ)が義手です。

また、SuperZeroの型番はXFVだけど、これはマクロスに出てきたバルキリーの開発初期機であるVF-X系統の逆綴り。唐突にバルキリーが出てきて混乱するかも知らんが、SuperZeroの開発母体であるNeoZero(FSX-90)はハリヤー系の構造なんで、ジェットエンジンの排気(つまり推進方向)を変化させることができる。

バルキリーのガウォーク形態って、ハリヤーの推力方向変換と同じ役割するのね。NeoZeroも空中機動中にこの排気方向変換で旋回半径狭めて勝つってシーンがある。つまりFSX-90はヒト型に変形しないバルキリーであり、ガウォークの様にジェット噴出方向変えることが出来る超高機動型戦闘機なんだわ。この機体のアイデアが実際のFS-X同様にアメリカに接収されて、アベンジャーの代わりに使おうって開発されたのがXFV-14。

これを踏まえると、バックブラストだかの後方移動推進器はこの推力ベクトル変換に似た機構と思われる。

尚、ネタバレになるが……SuperZeroを借りパクした那須野はSMES搭載機同士で空戦するが、SMESぶっ壊れても操縦のフィールが変わらずSMES搭載機を撃墜します。スーパーパイロットはそんな機械無くとも機体全周を知覚し、把握してるってのがオチです。対グラスレー戦で似たシチュエーションありましたね。ガンダムはガンドアームなので最終的にはガンドが発動してましたが、ありゃあスレッタがガンドアームを使って?は居るが、それに依存しなくてもMSを操縦し、6機からの攻撃を避け続ける程度の機動は可能だという説明ですな。ガンド使わなくても強いだとガンダムが弱い扱いになるのでしゃーない。SuperZeroとはその辺の筋が違うのである。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!