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中世ヨーロッパの狼さん話

中世ヨーロッパ警察だっ!(挨拶)
今日は中世ヨーロッパの食糧事情を鑑みつつ、なんでヨーロッパの連中の話にはやたら狼が出て来るのか考えてみよう。

先ず、ブタの話。

ブタさんは野生種のイノシシが家畜化した脅威の生き物である。実に全体重の9割以上が可食部で捨てるところが余りない。子沢山で繁殖も簡単。骨まで煮込んで豚骨スープになるのだから正に食われる為に生まれてきたんかと問い糺したくなるほどである。で、中世ヨーロッパでもブタさんは農村部で良く飼われており、祝祭日には潰して(屠殺して)食卓を賑わせていた。
で、このブタさんの飼育コストであるが……

ほぼ無料


なんですわ。わぁびっくりびっくり!
基本、農家は薪などの燃料を賄う為森や林の近くにある。ブタさんはこの森林に離しとくと勝手に自分で餌食って肥えるのだ(元イノシシだしね!)小麦や大麦は栽培しなけりゃならないが、ブタさんは勝手に育って食卓に上がる。なんて偉い奴なんだ(感涙)
冬を越す時だけ飼料を与えねばならぬので、農家さんでは大体冬至の頃にブタさんたちを屠殺してドンチャンしたり、ハムやソーセージ、燻製などにして備蓄食料にする。これがクリスマスの原型というか、クリスマスとしてキリスト教が取り込んだ「ユール」という祝祭期である。闇に隠れて生きてたキリスト教(質素倹約大好き宗教)が豪華な料理と飾り付けしたクリスマスツリーでキャッキャするわけねーべ。クリスマスツリーもゲルマンやノルマンやケルトの連中の巨木信仰をキリスト教に無理矢理こじ付けた奴だかんね!

逆にイスラム教では豚食わんのは、放牧に適した森林が少ないからではないかと予想される。

でだ。ブタさんを太らせてくれる偉大なる森林には大自然の恐るべき脅威もいる。

超イケメン(イケワン?)

それが狼さんだ。
ヨーロッパのお伽話とかに狼が山ほど出て来るのはそれだけ農村部の人間の生活域と狼の生息域が近く、更に人間側が豚を放牧したりして半ば狼さんに給餌していたからである。赤ずきんちゃんが狼に出会うシチュエーションとか、3匹の子豚が狼に襲われる……それはこの辺の背景があるからなんよ。

で、更に。
狼さんは森林に住むのであるが、都市人口が増えるに連れ「都市部の燃料として」木を伐採して街に運び、伐採された森林は新たに農地にすると。その結果森林面積が減少すると狼達は森林で生活していけないので村や町に出てきて人を襲う。近年の日本でも山間の農村でよく見られる風景だ。恐らく皆は驚くと思うのだが、ヨーロッパでも名の知られた大都市であるパリも狼の群れに包囲されて難儀した事があったりする。

大体だな。狼ってデケェとゴールデンレトリバーぐらいにはなるし、クルトーに至っては小馬ぐらいのサイズだったという(最後殺されてるから、サイズに関しては多少は盛られたとしても破格にデカい)こんなモンが腹空かせて人間に襲いかかって来たらそらまぁ食われるわ。しかも数頭がかりの連携戦術。

オワタ。


クルトーなんてパリの警備隊長道連れにしてますからな。戦闘能力を期待できない農家の人々などひとたまりもなかったであろう。

国家の首都すら餓狼の群れに蹂躙された訳で、彼らの狼に対する畏敬は驚くほど強い。日本でも北海道で怪獣みたいなヒグマに襲われた話があるが……

三毛別羆事件

パリでの餓狼大暴れ事件はこのヒグマが京都に現れて大暴れしたに等しい事件であっただろう。まぁそんなん来ても源頼光と四天王とか、桃太郎卿が捻り潰してしまいそうではあるが。

四天王の1人が金太郎(坂田金時)だ

日本の場合獣肉食があまり流行らなかった(その為狼なんかと棲み分けできた)、水田耕作するには山より平地が適切だった、水田により稲の栽培が反収デカいは連作障害無いわで優秀だった、狼が生息可能なサイズの森林が人里の近くに無かった(里山などではタヌキやキツネが精々ってとこ)という点もない訳では無い。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!