怖い話 『視線』#1

友達からお題をもらったので、怖い話を創作しようと思います。
怖い話がとても苦手なので、ノートで公開することで気がまぎれるような気がします。

『視線』
壁に穴が開いていて、のぞくと真っ赤。
あとあと誰かから隣に目が赤い人が住んでいるみたいなこと聞いて、
ぞっとする、みたいな話がある。

僕の部屋の壁にも穴が開いている。
開いているのだ。

怖い。

僕は怖いので決して覗かない。

僕の部屋はアパート2階の端っこ。
穴は外側を向いて開いている。
なんで穴開いてんだよ。

だから見ても絶対外が見えるだけである。
隣の床屋の茶色い壁が見えるだけだ。
僕の部屋には小窓もついてる。
隣の床屋の茶色い壁はその小窓から朝毎日見ている。

でもなんか覗くのが怖い。

穴が開いていると気付いたのは、就職を機にこのぼろい1ルームのアパートに引っ越して2か月ほどのことである。
ふいにリビングで寝っ転がると頭に風が当たる感触があった。風がどこから来るか探すと穴に行き当たった。

穴が開いていると気付いてからテープでべたべたにしたり、
パテで埋めたりしているのに、気づいたらテープははがれてるし、
パテは少し穴が開き始めている。

なんでそんなことになるのか、怖くてそのままにしている。
風圧でテープがはがれるのか。わからない。

だから覗けない。

穴をそんな感じでそのままにしていたある日、
家に帰る途中、変なことがあった。

はしごに乗ったおじさんが僕の部屋の壁をじっと見ている。
丁度、穴が開いているあたりだ。

#2に続く


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