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美しき迷宮とその記述

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美しき迷宮とその記述[4]

美しき迷宮とその記述[4]

【4節】

 私はその朝を森にある黒い天幕で過ごしました。人形もそこにいます。私は朝食を済ませました。行商人が来たのはそのときです。行商人は安全な順路を示した色付き石を踏みながら、大きな背嚢を背負っています。黒い天幕の周辺は、呪術で罠を張り巡らしてあるのです。行商人は小柄な体躯に不釣り合いの背嚢を下ろしました。行商人はお辞儀をします。行商人は2つの包みを私に差し出したのです。人形にも1つの包みを渡

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美しき迷宮とその記述[3]

美しき迷宮とその記述[3]

【3節】

 私は魔導書を使用して魔術と戦技を習得します。

 基本魔術は火球です。補助魔術は衝撃波にしておきました。階段の上にいる盾とランプを持つ敵へ、私は火球を投擲します。火球は敵に命中すると、盾を貫通してダメージを与えました。通常は炎を被り体当たりする敵を私は安全に倒せたのです。精神力が回復するのを待って私は階段の途中まで登ります。振り返り火球を火炎瓶兵に投擲しました。火炎瓶兵の1体を倒せま

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美しき迷宮とその記述[1,2]

美しき迷宮とその記述[1,2]

【あらすじ】

 魔女を殺しに魔術騎士は、雪山へ訪れる。雪山には城が出現していた。魔術騎士は、紆余曲折を経て魔女の喉元まで迫る。魔女には子供がいた。魔女は降伏して、戦役奴隷となる。

【1節】

 私はこれほどに美しい城を見たことがありません。黒い煉瓦の城です。曇天と雪山に、雄大なる城は見栄えがよい。雪山の峰にそれが寄り添っていました。それは自然と調和しています。曇天は喉を鳴らして雷音を轟かせてい

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