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国家反逆罪と戦った件 その15

面会の時刻は16時でした。
知らせを聞いたのは
13時頃であり、面会までの間
時間を持て余すことになりました。

携帯も未だ持たせてもらえない
状況であり、何もすることが
無いのでとりあえず
起こっていることの
整理をしました。

母親は自殺なんてしていない
これは本当なのか、看護師達も
本当は敵であり、嘘をつかれている
のではないか。

仮に嘘をついているとした場合
メリットはないのではないかと
考えました。
自殺に追い込むのであれば
自殺していることにしていた方が
より精神的に追い込むことが
できるからです。

だとすると、本当に自殺してなく
生きていると考えた方が
話の筋としては通っている
と考えました。

更にそれが本当なのであれば
看護師さん達も敵ではない
と言うことになります。

私の考えすぎということが
現実的になってきました。

私は看護師さん達に
母親が死んでないか確認
しませんでした。
聞くのが怖かったのが
正直な理由です。

なので、看護師さん達から
すれば単純に面会に来る
それだけのことでした。
ただ、私は幻聴様に自殺と
叩き込まれたので
俄には信じれないのが
実情でした。

母親のことは何となく
上記の仮定で筋が通り
考えるのをやめました。

問題は父親です。
こちらについても
母親にも看護師さん達にも
死んだのか聞いていません。

あの父が自殺するのか。
これについても信じることが
出来ませんでした。

あれこれ考えている内に
約束の16時になり
母親が到着したので
面会するため病室から
移動することになりました。

移動し病院の受付に到着すると
そこには母が椅子に座って
待っていました。

生きてるじゃないか。。。
それも普通に荷物を沢山持って。

面会場所は監禁されている
病室ではなく、病院の会議室的な
場所で行われました。

広い会議室の中、入り口すぐの
席に相向かいに座りました。

やはり生きていた。
自殺なんてなかったことに
対する安堵感で、呆然としている
私にどうだと母は尋ねてきました。

私はどうもこうも何もない
退屈すぎると普通に回答しました。
その後、私はずっと気になっていた
父のことを尋ねました。

親父は何をしているの?
自殺が俄に信じられない私は
あえてこう尋ねました。

すると母はこう言ったのです。

『山に遊びに行っている』

父の山遊びは大体2時間から
長くても3時間で帰ってきます。
泊まりで行くことはありません。

父が死んだと言う幻聴様が
聞こえてから既に
数日経過しているので、
その日も家に帰ってきている
ことになります。
そうじゃなければこの回答は
成り立たないので。

ますます頭が混乱してきました。
まずは父、そして母。
どちらも死んでなんかない。

これがどう言うことなのか
幻聴だとは思ってなかったので
父のことは会うまで
もしかしたら本当は死んでいて
母が隠しているのでは
ないかとの疑念が潰えませんでした。

あ、あの父に死んで欲しいと
願っているわけではありません。
ただ、幻聴様が明確にそして
起こり得そうな場面で
聞こえていたので
本当に混乱していた
と言うのが事実です。

今となっては面会で
その他何を話したのか
覚えていません。

母はおやつと暇つぶし用の
小説などを持ってきてくれました。

おやつはなぜかチータラでした。
何故チータラなのか。
特に意味はないと思いますが
普通病院のおやつに
チータラ持ってきますか?
逆に何かの暗号なのか?
今晩のご飯にビールが出るとか
一瞬考えた私がバカでした。
いや、でも普通チータラとか
持ってこないやろ。。。

もう一方の小説に関しては
いい時間潰しのネタが
きましたが、父のことが
気になってそれどころでは
ありません。
ただ、恐らく父も死んでない。

この当時のことを考えると
今でも頭が混乱してきます。
あ、ただ、幻聴様他の症状を
含め出てくることは
もうありませんが。

そうこう考えているうちに
面会の時間も終わりを迎え
母が帰ることになりました。

次回はまた数日後に面会に
くるとのことで
母のことは心配ないのが
わかった私は
次回来る時に鼻水が
出てくるため
boxティッシュを2箱持って
きて欲しいと頼み
別れたのでした。

この頃の私は早く自宅に帰りたい
一心であり、主治医に
いつまで入院する羽目になるのか
しきりに聞いていました。
それはどうしても居心地が
悪く、特徴的な患者が
数名いるため落ち着かない
ことが原因でした。

面会の数日後に母と二人で
主治医の面談を受けることに
なり、ようやく退院の
話ができると
心を踊らせたのを
記憶しています。

この続きはまた手が空いた時に
書き記します。
読んでいただいた方、ありがとうございます。

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