「Jazz cafe&bar DUG」では、ジャズがすべての中心だった
以前からずっと行きたかったジャズ喫茶、特にその中でも有名な「Jazz cafe&bar DUG」に行ってきました。
薄暗い照明の中、階段を下りる地下にあるので今が何時かわからなくなるような感覚。側面にはジャズ界の偉人のポストカードが貼ってありました(ちなみに買うこともできる)。
週末の昼過ぎ、14時ごろでしたが、席はおおむね埋まっていました。一応禁煙席に座って、アイスティーとチョコレートブラウニーを注文しました。
一人で来ている人もいれば、2人連れで来ている人もいました。
チョコレートブラウニー(本当においしい)を食べながらボーっとしていると、だんだんとこの空間に自分がいることに慣れていきました。たまたまスピーカーの近くだったのかはわかりませんが、だんだん流れるジャズの音が、自分の聴覚の中心に据えられていくような気がしました。
客の会話、店員さんのお皿を洗う水の音、皿を置いていくかちゃりといった音、立てかけられた時計の針が進んでいく音、そこにいる人の足音…
あらゆる音が混在しているはずですが、それらがすべてジャズの背景と化していたのです。
さながら、ビルエヴァンスの名盤「waltz for debby」の中の、「Porgy (I Loves You, Porgy)」 のような。確かに、ほかのグラスの音や聴衆の声や笑いなどが入っているけれども、ジャズが中心となっているような。音楽が独り歩きせず、とはいえほかの音が邪魔をせず。
居心地の良さ、というのはこういうことを指すんだな、と思いました。
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