インターステラ(2014) 感想

「バットマン ダークナイト三部作」や「インセプション」など、次々に大ヒット映画を手がける巨匠 クリストファー・ノーランが手がけたSF超大作。
元空軍パイロットで主役のジョセフ・クーパー にはマシュー・マコノヒー。また、ワームホールやブラックホールなどの科学コンサルタント兼製作総指揮に、理論物理学者のキップ・ソーンを迎えている。


あらすじ

深刻な異常気象や食糧難によって人類滅亡の危機を迎えている近未来。
元空軍パイロットだったが、軍の解体によって農夫として働く男、ジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)の家では、ポルターガイストのような現象や電子機器の異常が起こっていた。

娘のマーフィー・クーパー(マーフ/少女期マッケンジー・フォイ、大人期ジェシカ・チャステイン、老年期エレン・バースティン)は、これを「幽霊」の仕業だというが、ジョセフは取り合わない。

しかし、マーフの言葉と、ある異常をきっかけに、「ある場所」に何かあることを掴んだジョセフは車でその座標の場所に向かい、そこで、
人類滅亡が間近であること、
人類を救うためには人類が住める星を見つけなければならない事、
土星近くに『誰かが用意した』ワームフォールを使えば、短期間で「別の銀河」に移住可能な星があるかもしれないことを知らされ、
その探査宇宙船のパイロットに任命される。

しかし、二度と会えない別れになるかもしれない決断をした父にマーフは怒り、二人は仲違いをしたまま別れるハメに。
そうして、先にそれぞれ目的の星に旅立っていった三人の博士の救出とそれぞれの星の調査、そして人類を救うためにジョセフは、仲間のアメリア・ブランド博士(アン・ハサウェイ)、ニコライ・ロミリー博士( デヴィッド・ジャーシー)、ドイル博士(ウェス・ベントリー)、そしてサポートロボットのTARS”ターズ” (声/ビル・アーウィン)とともに、時空と次元を超えた旅に出るのだった。

上映時間が2時間49分と長いうえに、僕の苦手なクリストファー・ノーラン監督作品ということで、中々手が出せなかった本作ですが、今回、意を決してレンタルしてきました。

でも、観始めると、一気に作品世界に入り込んでいき、最後まで飽きることなく観ることが出来ました。

物語は老人たちへのインタビューからスタートします。
その話の内容から、昔の人たちかと思ったら、さにあらず。
主人公のジョセフ一家の生活を見ていくことで、これらが未来の話で、冒頭の老人たちは(観客にすれば)これから起こる未来の話を「昔話」として語っている事がわかります。

余計なナレーションも説明もなく、構成と日常生活のシーンで、地球の寿命が尽きかけていることを観客に分からせる手際は良かったですね。(少々長い気もしますが)

そして、この時代では軍や国もほぼその意味をなくし、ほとんどの人類は食料を作るために農夫として働いているんですね。
アメリカの誇りとも言うべき月面着陸も、ウソだったことにされ(ロシアを破産させるための作戦だったと学校は生徒に教えている)子供たちが無駄な夢や希望を抱かずに、日々の生活のためだけに働くように教育されている、一種のディストピアです。

それからなんやかんやあって、ジョセフは仲間のクルーたちと新天地を求めて宇宙に旅立つわけですが、前半部分の重苦しい空気との対比もあり、映像的にも非常に説得力があって、それだけでもワクワクしてしまいます。ロケットと宇宙船のディテールやロジックがしっかり効いているしね。

土星近くのワームホールやブラックホールの映像も、論物理学者のキップ・ソーンによって監修された光の屈折や次元の歪みといった幻想的な映像は、誰も見たことのない風景を見に行っているというワクワク感に満ちています。

で、ここで重要なキーワードになっているのが「時間」の概念。
相対性理論ってやつですね。
ワームホールに入ると、光速以上のスピード(正確にはショートカットですが)で移動します。
相対性理論の、高速に近づくほど時間の流れは遅くなる(合ってるかな)ので、ジョセフたちの数分が地球では「数年」「数十年」になってしまうという、物理の端っこの、みんなが一度は聞いたことがある部分を上手くドラマに取り込んで見せています。

ジョセフが地球を出るときにまだ10歳だったマーフや兄のトム・クーパー(幼年期ティモシー・シャラメ、大人期ケイシー・アフレック)が、ジョセフから見ればたった「数ヶ月」で大人になり、トムは結婚し子供を儲け、父のドナルド・クーパー (ジョン・リスゴー)が死に。
地球にいる家族の「時間」からジョセフだけが取り残されている。
この時間のズレからくるドラマが本作では随所に見られます。

そして、物語はラストに向かっていくわけですが、そこを語るとネタバレになっちゃうので書けないんですよね。(もどかしいw)
ただ、おーなるほどー! というオチではあります。
科学に明るい人が見ると、何かとアラが気になるかもですが、僕的には納得のいくラストでした。

全体を通してみれば、SFアニメ好きの中学生が思いつくようなストーリーですが、専門家の科学的な検証や、細部にまでこだわった映像、そして設定や伏線の回収もしっかりストーリーを活かすことで、極上のエンターティメントになったんじゃないかと思います。やるじゃんノーマン。

「時間」は取られますが、それだけの実りはある面白い映画なんじゃないかと思いますよー。

興味のある方は是非!

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