ザ・コール 緊急通報指令室(2013) 感想

ロス市警911(緊急通報指令室)の女性オペレーターを主人公にした、サスペンス映画。
監督は『マシニスト』のブラッド・アンダーソン、主演は『キャットウーマン』(キャットウーマン)や、X-メンシリーズのストーム役のハル・ベリー。

あらすじ

ロサンゼルス市警察の911(緊急通報用電話番号)のオペレーター・ジョーダン(ハル・ベリー)はある日、些細なミスから通報者の少女を救えず自分を責める。
それから6ヶ月後、911研修生の教官として働いていたジョーダンは、誘拐され車のトランクから通報してきた少女ケイシー(アビゲイル・ブレスリン)を助けるべく、携帯電話を通してパニック状態の彼女を落ち着かせ指示を与えるが……。

あるnoterさん(名前出していいか分からないので隠します)が褒めていたので、鑑賞することに。

いや、これ、ほんと素晴らしい。

最初のカットで、空撮したロスの夜景をバックに911の会話が流れ、そこから緊急通報指令室(通称蜂の巣)の様子を映し出し、ジョーダンと周囲の人々の関係、ジョーダンの順調な仕事ぶりが実にスマートに展開していく。

そこに少女からの通報があり、ジョーダンが指示によって一旦は危機を脱するものの、少女の不注意から電話を切ってしまう。
慌てたジョーダンは、思わずリコール。その着信音が原因で犯人が少女の存在に気づき、結局少女は誘拐されてしまう。
翌日? 少女は無残な姿で発見され、自責の念にかられたジョーダンは……。と、ここまでの流れも実にスムーズだし、とにかく無駄がない。

そして、一気に時間はスキップし、6ヶ月後。
心に傷を負ったジョーダンは教官として911に残り、ここで研修生の教育をしてるんだけど、そこでジョーダンの口を通して、911の追加情報が語られる。そのセリフも研修生に説明するという体を取っているし、必要以上に説明臭くならないよう、上手く構成されてる。

そこから場面はアビゲイル・ブレスリン演じるケイシーが、友人とショッピングモールで買い物、友人と別れ一人になったところを誘拐されるまで、流れるように展開する。
ここでもその後の物語に必要な、いわば前フリは完璧。
その後、彼女からのSOS通報を『教官』であるジョーダンが受けるまで、まったく違和感がなく、かつ緊迫感のあるドラマとして展開していく。

その後、ジョーダンが犯人にたどり着くまでの展開は常に緊迫感があって、観ているコッチは手に汗握りっぱなし。
状況が変わるたびに、喜んだりガッカリしたり怒ったり。
ブラッド・アンダーソン監督の手のひらで、いいように転がされてた。

「うわー、いいように転がされてるなー」って分かっていても、それ自体が快感だと思えるくらい、ストーリー展開が見事なんだよね。

そして物語は最後のシークエンスに突入していくわけだけど、ここからが賛否別れるところで、残念ながら僕は『否』の側だった。
それまで物語の進行とともに徐々に明らかになっていく犯人の全貌が明らかになっていく展開は良かった。
そこに至るまでの道筋の前フリが効いてし観せ方がも上手いので、多少乱暴だなとは思うものの、納得がいく。

だけど、あのラストはどうにも納得がいかないんだよなー。
これまで丁寧に丁寧に積み上げてきた、完成寸前の積み木のお城をバシャーっと自らの手で壊してしまうような、「ええ!? なんでー!?」っていう展開。

ラストでジョーダンが言うセリフは、いわば伏線回収オチになってるんだけど、「いや、上手くないから!」って思わずツッコんじゃう。

せめてその手前で終わるか、ラストにもう一場面、警官がいるシーンを付け加えてもらえれば最高の映画ですよ! って言えたのに。
もったいない! ホントもったいない!

と、いうのが僕の感想で、ほかの人の感想を読んでみると、僕が「えー!?」となったラストが良かったという人も大勢いるのです。
まさに賛否両論なんだよね。

とはいえ、何度も書いたようにラスト手前までは、ほんとに素晴らしいので、まだ観ていない人には是非観てもらって、『問題のラストシーン』を自分の目で確かめてもらいたいです。

映画掲示板あります。
https://note.mu/purasu/n/nb98c1c6ade27?magazine_key=m0b08a7d5752d

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