映画の話

第一回 小五男子映画祭

ぷらすです。

小松パラさんの『第二回 小松国際映画祭』の熱量に浮かされて、僕も「一人映画祭」を執り行うことにしました。

その名も、

青空ぷらすpresents『小五男子映画祭』

「…お前は何を言ってるんだ?」と思われるかもしれませんが大丈夫です。
これからちゃんと説明しますので。

小五男子というのは、文字通り『小学校五年生男子生徒』のことです。
といっても、本当の小学校五年生男子が審査するわけではなく、老若男女の心の中に住んでいる(であろう)、小五男子的な部分。

最もシンプルで、最も直感的な、むき出しの感情である『カッコイイ!』や『面白い!』や『ドキドキ』の詰まった、『オラ、ワクワクすっぞ!』な部分を刺激する映画というのがあります。
例えば、アクション・ヒーロー・SF・ファンタジー・バイオレンス・パニック・ホラー・怪獣・おっぱい・コメディー・アニメ。
こうした作品はジャンル映画と呼ばれ、今も昔も、心に小五男子が住んでいる人々に愛され続けてきました。

大人の皮をかぶった小五男子が、同じく大人の小五男子たちを驚かせたり、楽しませたり、怖がらせたりするために、持てる技術の全てを使って作る映画たち。僕も正真正銘小五男子の頃からずっとそういう映画を見て育ち、当然、今も大好きです。

なので、日頃の恩返しも込めて、そんなジャンル映画の中でも最も僕を楽しませてくれた映画や、映画人を称えたいと思い、この企画を考えました。

つまり、小五男子の、小五男子による、小五男子のための映画祭。それが、

第一回 『小五男子映画祭』

なのです!

まぁ、選考委員は僕だけなのでかなり偏った内容になると思いますが、もし良かったら最後までお付き合いいただければ幸いです。

青空ぷらす

ロン・パールマン(「ヘルボーイ」「ヘルボーイ ゴールデンアーミー」)
ロバート・ダウニー・Jr(「アイアンマン」)
鈴木亮平(「変態仮面」)
コリン・ファース(「キングスマン」)
ヒース・レジャー(「ダークナイト」)

主演男優賞ノミネートは以上5名です。
「ダークナイト」でバットマンの宿敵ジョーカーを演じたヒース・レジャーは主演じゃなく助演ではないかという異論が出そうですが、僕の中では『バットマン』シリーズはヴィラン(悪役)こそが主役なんじゃないかと思っているんですね。日本で言えば「古畑任三郎」のような感じ。
というわけで、今回は「ダークナイト」の主役ということでヒース・レジャーをノミネートしました。

ロバート・ダウニー・Jr 『アイアンマン3部作』『アベンジャーズ2部作』

寸評: 単純にインパクトだけなら、「キングスマン」のコリン・ファースやヒース・レジャーに軍配が上がるんですが、「アイアンマン」三部作+「アベンジャーズ」2作でトニー・スタークを演じ続け、今や他の人ではイメージ出来ないくらいトニー・スターク=ロバート・ダウニー・Jrとして定着したという理由で、ロバート・ダウニー・Jrに軍配が上がりました。

チャーリー・デイ(「パシフィック・リム」)
バーン・ゴーマン(「パシフィック・リム」)
ジェレミー・レナー(「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」)
 ヴィン・ディーゼル(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」)
ヒュー・キース・バーン(「マッドマックス/怒りのデスロード」)

チャーリー・デイ&バーン・ゴーマンは共に「パシフィックリム」で生物学者ニュートン・ガイズラー&数学者ハーマン・ゴットリーブとして登場。
コメディーリリーフとして重要な役どころを演じていました。

ジェレミー・レナーは「アベンジャーズ」や「キャプテンアメリカ」で弓の名手ホークアイを演じ、「~エイジ・オブ・ウルトロン」では、ヒーローたちの間で唯一頑張る人間として活躍。ドラゴンボールでいうところのクリリン的な立ち位置ながら存在感を見せつけました。

ヴィン・デーゼルはご存知『ワイルドスピード』では主役ですが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では、植物の宇宙人グルートのモーションキャプチャーと声を演じています。

ヒュー・キース・バーンは「マッドマックス」「マッドマックス/怒りのデスロード」で悪役を演じましたが、特に「~怒りのデスロード」では、マックスに敵対するボス『イモータン・ジョー』として、主演のトム・ハーディーを喰うほどの存在感と哀愁を見せつけました。

ヒュー・キース・バーン「マッドマックス/怒りのデスロード」

寸評: 公開前から世界中の話題をかっさらい、公開と同時に世界中の映画ファンの間で祭り状態になった傑作「マッドマックス/怒りのデスロード」で、悪役ながら全キャラクターを喰ってみせた愛されキャラ「イモータン・ジョー」を演じただけでなく、初代・2代目マックスと対決した男ということで、全僕満場一致で助演男優賞に決定いたしました!
V8! V8! V8!( ゚д゚)ノシ

クロエ・グレース・モレッツ(「キックアス」2作)
スカーレット・ヨハンソン(「アベンジャーズ」2作「アイアンマン2」他)カット・デニングス(「マイティーソー」2作他)
ソフィア・ブテラ(「キングスマン」)

クロエ・グレース・モレッツは13歳で「キックアス」のヒットガールを演じて世界中に衝撃を与えました。なんつっても可愛いんですよね。
スカーレット・ヨハンソンは、「アベンジャーズ」以降、ホークアイと共に、マーベルヒーローたちのサポート役として活躍するブラック・ウィドウ役の人。美人で色っぽくて、リアル不二子って感じです。
カット・デニングスは「マイティー・ソー」のヒロイン、ジェーン・フォスターのアシスタント、ダーシー・ルイス役で登場。作中ではコメディーリリーフとして活躍してます。巨乳メガネっ子というマンガみたいな人ですな。
ソフィア・ブテラは「キングスマン」で超カッコイイ義足をつけた敵の用心棒件秘書役ガゼルで登場。
スーツ・オカッパ・武器の義足とオタクの大好物が揃った素敵キャラでした。(ただし真っ二つになっちゃうので「蹴られたい」とは言えない)

カット・デニングス「マイティーソー」「~ダークワールド」

寸評: いや、だって、巨乳メガネっ子だし。
……というのは半分冗談で、あるときはトボけたキャラクターで笑いを誘い、またあるときは主人公ソーやほかのメンバーへの的確なツッコミを入れるオールラウンダー。
ダーシーなしでは「マイティー・ソー」は成立しないといっても過言ではないくらい、重要なキャラを演じてみせた彼女に決定しました。

ヘルボーイ/ゴールデンアーミー
パシフィックリム
マッドマックス/怒りのデスロード
キングスマン

映画において美術とても大事。
セットやコスチューム、機械駆動などなど、作品世界を彩る美術のディテールの細かさやデザインで、観客が作品世界に入れるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

ヘルボーイ/ゴールデンアーミー&パシフィックリムの監督、ギレルモ・デル・トロはとにかくディテールにこだわる人で、もう、画面には映ってないトコまでこだわりまくってます。(メイキングを見ると分かりますけど)あと、歯車や駆動機構などカラクリも大好きな正真正銘の小五脳です。(褒め言葉)

マッドマックス/怒りのデスロードは、とにかくデザインが全部おかしい。
トゲだらけの車とか、ニコイチ・サンコイチは当たり前(ただし縦に積む)
エンジンは必ずボンネットから飛び出してるしw
もちろん車だけじゃなく、その他のデザインもイチイチ頭おかしくてカッコイイです。(最上級の褒め言葉)

キングスマンは上記2作品に比べるとインパクト自体は薄めですが、小五男子なら絶対ワクワクする秘密の武器や舞台カラクリ満載です。
映画館を出てきたら、まず傘を構えずにいられないっていうね! 

ヘルボーイ/ゴールデンアーミー

寸評: もちろん、ほかの作品も捨てがたいですが、この「ヘルボーイ~」は、オカルトとファンタジーとメカが大好きな小五男子の神、ギレルモの真骨頂といってもいい作品です。とにかくセットの作り込みが尋常じゃないんですよ!
もし、機会があれば是非メイキングを観て頂きたいんですが、下手すると、本編以上にワクワクしてしまいますよ!

ガーディアン・オブ・ギャラクシー
パシフィック・リム
ミッション・イン・ポッシブル
アイアンマン

映画音楽はざっくり、その映画のために作られたオリジナルと、過去のヒット曲などを効果的に映画に使う2種類に分かれるんじゃないかと思います。
ノミネート作でいうと、前者は「パシフシック・リム」で後者は「ガーデディアン~」

「アイアンマン」はオリジナル曲とブラック・サバスの名曲「Iron Man」を、「ミッション~」はTVシリーズのOPをリメイクして、現代風なカッコイイ曲に仕上げてますよね。

ガーディアン・オブ・ギャラクシー

寸評: これはもう完全な好みですが、60~70年代のアメリカンポップスが次々にかかり、しかもその曲は主人公ピーターが母親に貰ったウォークマンに入っているという物語にも関わっているというところが良かったのが受賞理由です。
映画っていうフィルターを通すことで、過去の名曲が輝きを取り戻すのも、映画音楽の魅力の一つなんでしょうねー。

アイアンマン
ガーディアン・オブ・ギャラクシー
スパイダーマン(1・2)
スタートレック(2009)

ぱっと思いつきで書いてるので、熟考すれば他にもあるのかもですが。
「アイアンマン」はオーソドックスではありますが、トニースタークが「アイアンマン」になるまでの描写がワクワクするんですよね。ホビーとしてのヒーローというかw
「ガーディアン~」は、全体の構成が好きです。
『チーム』モノのストーリーとして良く出来てると思います。
「スパイダーマン」はやっぱサム・ライミ版が好きだなー。原作のスパイディーとは違うみたいだけど…って脚本関係ない!?
「スタートレック」のリブート版の方です。原作ファン、新規のファンが双方納得出来るようなバランスで作ってるのが素晴らしいと思います。

スタートレック(2009)

寸評: 込み入ったストーリーを観客に分かりやすく伝えているという点が素晴らしいので受賞です。好き嫌いはあるかもだけど、スタートレックの世界を知らない人をターゲットにした『リブート版』としては相当レベルの高い事をやってるんじゃないかと思うんですよね。

ギレルモ・デル・トロ(「パシフィックリム」「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」)
ジョージ・ミラー(「マッドマックス/怒りのデスロード」)
J・J・エイブラムス(「スタートレック」「~イントゥー・ザ・ダークネス」)
ジェームズ・ガン(「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」)
マシュー・ボーン(「キングスマン」)

ジョージ・ミラー(「マッドマックス/怒りのデスロード」)

寸評: 「マッドマックス」3作で、世紀末のディストピア世界のデザインを作り上げて世界中のあらゆる創作ジャンルに影響を与え、三作目「~サンダードーム」から27年、70歳にして「~怒りのデスロード」という後世に語り継がれるであろうシリーズ最高傑作を作り上げた功績には、全僕満場一致で監督賞を献上するのが当然だという結論に達しました。
V8! V8! V8!

マッドマックス/怒りのデスロード

寸評: ここまでの流れで、大体予想済みかと思いますが、作品賞は本作一択です。
「マッドマックス」は前3作で『世紀末世界という概念』を『発明』したと言えるんじゃないかと思います。そしてそのビジュアルイメージや世界観は世界中の小五男子に多大な影響を与えた、ある種の『教典』と言っても過言ではないでしょう。
以降、成長した小五男子たちは『マッドマックス』という教典をベースに、様々な名作を作り上げてきたわけですが、それから27年経って、まさか教典がアップデートされるなんて誰も予想できなかったんじゃないかと思います。

狂ったビジュアルやド派手なアクションに目を奪われがちですが、そのビジュアルやアクション一つ一つに、ちゃんと物語や意味があり、そこには70歳のジョージ・ミラー監督の哲学があって、だからこそ本作は世界中の人々に圧倒的な支持を得ているんだと思います。

そして本作を観た世界中の小五男子が、この『教典』をベースにした新たな名作を生み出すことを願いつつ、第一回『小五男子映画祭』を閉会したいと思います。

長々だらだらと思いつくままに書いたこのnoteを最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
映画祭と言っても、僕が勝手に選んだ作品なので、異論のある方も多数いらっしゃるとは思いますが、そういう方は是非、ご自分の『映画祭』を開催して、僕に教えていただけたら嬉しいです。

ではでは、またいつか第2回『小五男子映画祭』でお会いしましょう!
(*´∀`*)ノシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?