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新人フリコンに挑むなら60分以内を意識しろ!と言いたかった……

はじめに

新人フリーゲームコンテストとは、下記サイトで運営されているフリーゲームのコンテストです。

主な特徴として

・大手コンテストで賞を取っていないなら応募可能(第3回は取っていても応募可能)
・審査は60分以内(60分以上のゲームも投稿可能。第3回は60分以上ゲームの分野も追加され、制限が撤廃されました)

といったものがあります。新人向けでありながら、多くの方が手軽に応募出来るコンテストです。

この記事は、上記の新人フリーゲームコンテストに応募する際に、私がしていた心構えや意識をまとめた記事です。決して新人フリーゲームコンテストの正式な審査基準ではありません。あくまで私が勝手に想像し、勝手に守ってたマイルールをまとめた記事ですのでご了承ください。

ご紹介

始めまして、プラと申します。第二回新人フリーゲームコンテストに応募し、拙作「ハイテンダンジョンRTA」がグランプリを受賞致しました。

数々の優秀な作品が立ち並び、純粋なゲームのクオリティのみで評価するならば拙作以外に軍配が上がる作品も多々ありました。そんな中で勝ち抜くため、私がフリコンのために徹底的に意識した事をお伝えできればと思います。

新人フリコンで意識した事

新人フリコンには規約があります。第1回、第2回では以下の通りです。

・ゲーム制作ツール・ソフトは何でもOK
・PC上で無料で遊べるゲームならOK
・R18作品もOK
・二次創作不可。一次創作、オリジナルの作品ならOK
1〜60分以内で遊べるゲームならOK(※4)
※4:プレイ時間には個人差があるため、多少60分を超えてもOK。ただし、60分を超える作品は、審査の際にマイナスの影響の可能性あり。マルチエンディングの作品の場合は、一つのエンディングが60分以内に収まればOK。ただし、60分以内で運営が確認できたエンディングのみで審査される可能性あり。

この規約の中でも目をひく大きな特徴。それは60分以内で審査を行う、といった部分です。私はこれに着目致しました。

第1回フリコンで見事グランプリを受賞なさった作品である「機械人形は歌わない」は、その作品の素晴らしさも然ることながら、プレイ時間がしっかりと60分以内に収まった作りでした。

この事から、フリコンにおいてはいかに60分以内で楽しませるかという事が強く重要視されているのではないかと思います。

60分以内で楽しませる作品とは

60分以内で楽しませる作品とはどういうものなのでしょう。例えばプレイ時間が「59分30秒」だったとします。60分以内でこの作品を楽しめと言われた場合、この作品を遊び終えた後に面白かったと余韻に浸る暇はありますか?

そうではないと思っております。もちろんプレイ中にも楽しさを感じるのですが、それと同じぐらいプレイが終わった後にも楽しさが心に残るのではないか思います。つまり余韻が大切なのだと思ってます

上記の第1回のグランプリ作品についてもそうです。30分遊ばせて30分余韻に浸れる、そういったバランス感覚が素晴らしい作品であると感じました。

この事を強く意識するのが60分以内で楽しませる作品ではないかと考えました。

ゲームプレイ時の感情曲線

感情曲線という物をご存知でしょうか。映画や物語などで展開するストーリーに合わせて視聴者の感情の揺れ幅をグラフ化したものです。

※参考サイト様

有名なところですと「天気の子」などの作家さんがプロット段階での感情曲線などをツイートした事がありますね。

これと同じことがもちろんゲームに言えます。特にゲームはインタラクティブなものですので、歯ごたえのあるボス戦、突然のレアドロップ、面倒なお使いなどストーリー外でも感情を左右する要素がたくさん詰まってます。

60分以内で楽しませるゲームというのは、この感情曲線をいかに早く上げるかが重要だと思っております。

いくつか例を見ていきましょう。例えば下記のような感情曲線があったとします。

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物語が始まり、徐々にストーリーが展開していって最後には手に汗握る激闘のラスボス……などが想像出来る一般的な感情曲線ですね。しかしながらクリアするのに60分フルでかかる場合を考えてみます。

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するとこうなります。わかりますか?前半の30分は後半と比べてずっとつまらないわけです。コレではいくら後半が盛り上がったとしても、最初の時点で大きなハンデを食らうことになってしまいます。

ここで先程の言葉を思い出しましょう。30分遊ばせて30分余韻に浸れる。感情曲線が最高潮に達する点を30分付近に持ってくるのです

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するとどうでしょう。前半30分で感情ラインは最高潮に達し、後は緩やかな余韻によって常に最高の気分を得たまま残り30分間を過ごすことになります。

違うパターンの感情曲線も見てみましょう。

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どんでん返しなどで物語の最後に大きな感情のゆれがあるタイプのゲームですね。ホラーやアドベンチャーなどで多いでしょうか。

こちらも60分フルに遊ばせるとなると、全体の6~7割は感情の起伏が少ない時間を過ごすことになります。しかし真ん中の方に起伏を持ってくることで、最高の余韻に浸れるわけです。

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この理屈でいうと、一番最高のパターンは以下のような感情曲線であると思います。

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序盤でガッツリとプレイヤーの意識をひきつけ、そのまま緩やかなカーブを迎えたままゴールに到達する。いわゆる「つかみ」が強いタイプのゲームですね。

最終的にはこういうタイプのゲームが、60分以内という制限に置いては強いのではないかと思います。しかし感情曲線の起伏を早め、余韻を浸らせることを意識すればどんでん返しに強い作家性の方でも十分に勝負出来る範囲であると思います。

まとめ

60分以内で最高の作品を遊ばせる。そのためには感情の起伏ラインを早めに持ってくる事、そして最高潮の余韻を残すことが大切であると考えました。

拙作がこれを完璧に守れているか、というのは疑問なところではありますが、少なからずこういう意識を持って作ることで制作の役に立つのではないかと思います。

言いたかったのですが……

第三回新人フリーゲームコンテストからは時間制限が撤廃されました

最高に面白いゲームを作れば!最高に面白い時間をフルで楽しんでいただきます!やったね!何だよ余韻とかいらねえな!

というわけですので、あくまで私個人の勝手な意識でした。時間制限も撤廃された以上、作品に全力を込めればきっといい結果が生まれるのではないかと思います。

まだゲームを出してないという方も、コンテストで評価されたいという方も、是非新人フリーゲームコンテストに応募いたしましょう!


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