憧れているようなそうでもないような中野の話
「一人暮らしするならやっぱり中野がいいのかな……」などと喋っていたら、「まさいぬさんは中野に行っても変わんねーよ!!!」などといわれてしまった。まぁそのセリフを聞いて悔しがりながら「ナニ言ってるのっ!!中野に住んでイケてるイケイケゲイライフ送るもんっ!!!」と心の底から思えるならばやはり中野に住むべきなんだろうけど、表面上えええーと傷ついたアピールをしながらも内心「そっかーまぁそうだよな……」っとなってしまったので中野に住むべき人間ではないような気がする。なんとなくゲイのお知り合いがみんな揃いも揃って中野区に住んでいて、ご近所ゲイ交流をしている話を聞いてうっすら羨ましかったりはしたのだが……。いやでも出不精な自分は近所にゲイがイッパイ的な豊かな環境を活かしきれる自信もないわけでどうせ中野に来ても引きこもってるんだろうななんておもってしまうのだ。
25歳くらいの頃だったか、初めて中野を訪れた。あの頃は確かゲイを差別する宗教から抜けようか抜けまいかどうしようか何をしていいのか分からなかった頃だ。ゲイ友も少なく新宿二丁目は怖くて行けず、秋葉原はなんか街の変化についていけない気分になって足が遠のいていた。そこで噂の中野ブロードウェイを目指して行ってみたわけだ。中野ブロードウェイはまんだらけを中心としてオタクショップが満載であった。ゲイ向け漫画の中古もあって品揃えの多さに驚いたものだ。そこまでは良かったのだか人の多さに人酔いしてしまった。当時は人込みが今以上に苦手だったんだよなぁ。やっぱりアキバに比べてリア充っぽい人も多いし。
帰りがけにティッシュ配りのティッシュを受け取って内容を確認してたところ配った人がすごい勢いで迫ってきてた。どうやら不動産屋らしく「この物件いかがですか!?」と迫ってきた。怖くて「いや……その……引っ越す予定とかないんで………」と言って逃げるように帰っていった。ブロードウェイはそこそこ楽しんだもののここは私の街じゃないというきがしてしまったわけだ。
あれから15年くらいは経ってるし色んな経験も積んだけれどもいま中野に行ったらあの街の人混みパワーに負けずにいられるだろうか……。