人形は遠くにいる

ギュッと胴串を握りしめれば握りしめるほど、
離れた場所で構えていたとしても
人形が、体感として自分の近くに来てしまう。

これはダメなんだ。

人形が、体感として遠くにいる状態がいいんだ。

人形が遠くにいる時の感覚は、
傘や箒の柄を手のひらにのせてバランスを取っている
感じと似ている。


先輩にも昔
「傘でバランス取っている感じだよ」って
教えていただいた。

それはもしかしたら、
胴串を握っているんだけど、その胴串を手の内で
転がしている感じかもしれない、
なんて最近は思ったりもする。


物理的な距離を遠ざけるのではなくて
物理的な距離はそのままで遠ざけていく感じ

そうすると、つながったまま人形が遠くにいく。

物理的な距離を遠くするのだと、中のつながりが
断線しちゃうんだよね。


なんて、(何わけのわからない事言ってんだこいつ)って感じだけど。


一瞬、人形が遠くにいる状態にするのは、
大変だけど、できなくはない。

でも、ずっとその状態であり続けるのは
なんていうか果てしない道のり。


一瞬その状態になれることと

ずっとその状態をキープできることとは違う。


「できる」というのは

ずっとその状態をキープできて、はじめて言えることなんだろうな。



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