毛を逆立てない猫

毛を逆立てない猫だった。

天根流の先生が
私達に技の感覚を手渡ししてくださる時

先生は、毛の逆立っていない猫だった。


猫って、恐怖を感じている時とか、怒っている時
毛を逆立てるんだ。

技を受ける人達は、毛を逆立てた猫だった。

長くやっている方になると、ほとんど毛が逆立って いないように見える。

でも、かすかに逆立っているんだ。

わずかに身体の色が違う。


なーんて、偉いソムリエみたいなこと言ってると
「お前は どうなんだ?」って聞かれそう。

私は、

毛がMAX逆立って、
しっぽがタヌキみたいにふくらんで、
天井まで飛び上がっている猫です。


だから、不思議で仕方ない。

なんで、目の前にいる大きな猫さんは、毛が逆立たないんだろう?

気づいてない、認知してないから、毛が逆立たないのとは違うんだ。

気づいている、認知しているけど、毛が逆立たないんだ。


なんとなくだけど、

浅いところで認知していると、
ちょっとした刺激で、大騒ぎしちゃいそうな気がするの。

すぐ、シャーッシャーッ言いそう。

深いところで認知していると、
刺激が吸収されそうな気がする。


その、深いところまで行って折り返してくる回路

多分、表現でも必要なんだろうな。


先生の背中を見ながら、私は そう思っていた。


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