刀が見える

天根流のお稽古に行ってきた。

先生が、2種類の刀の打ち込みを見せてくださった。

一つは、人が刀を動かしているように見える動き。
ちょっと生々しいんだ。

もう一つは、刀が動いているように見える動き。
なんかね、水墨画みたいな雰囲気。
(はあ!? 何言ってんの⁉ って言われそうだけど)

後者の動きにしていく時、先生と刀の接目が消える。


この刀の動きは、超絶上手い人の人形の動き

私は、そう思った。

上手い人の人形って、立ち方がシュッてしてるの。刃筋が氷みたいに通った刀なの。

曖昧でぼやけた線を量産する画家の手じゃなくて
この線で決まり、これしかない線を引く直前の  画家の手なの。


隣の人がポツリと言った。

「刀が見えるね」


そう。
刀が、刀だけが見えるの。
人は消えるの。


ああ、私は、こういう風に人形を遣いたいんだ。

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