風船力

膨らむ 縮むという働きが必要だよ、と

アートマイムの先生が教えてくださった。

膨らむ 縮むの伴わない動きは、なんていうか
存在感がない。

からっぽの動きって感じ。

ああ、この身体の中の風船が膨らむ 縮む感覚って
すごく大事なんだな、先生ありがとうございますと
思っていた。


先日、刀禅のお稽古を受けた。

(あれ? 私の風船、たいして膨らんでなかった?)って思った。


先生のおっしゃるように腕を動かしたんだ。

そうしたら、腕の抑えが効いてきた。

腕の抑えが効いてきたら、みぞおち辺りにテーブル みたいな台が現れた。

テーブルに頬杖ついたりするじゃないですか。

そんな感じで、このみぞおち辺りに現れた台に
身体を預けられるんだ。

ここで支えていると、とっても楽ちんなの。


そして、この台がある身体だと、

身体の中の風船を膨らませようとする時に、
まず下が膨らむんだ。

下が膨らみ、それに引っ張られて周りも膨らむ。


この台がない身体だと、
なんか、風船の上半分にしか空気が入ってない

そんな感じがする。


台のない身体は、
悪い意味で 開いてしまっている身体。
煽られてしまっている身体。

台のある身体は、
うーん、今まで台のない身体だったくせに
(これが普通の状態だよな)なんて思ってしまう。

台が現れたら、肩の力感とかがスッと流れていった。

呼吸も楽になった。

だから、今までが普通じゃなかったんだなって
わかったんだ。


謡の発声で、お腹が四方八方に張りだす感じというのが、よく理解できていなかったんだけど

それは、この台のある身体じゃなかったからだと
思う。

ほんのわずかな角度の違いなんだけど、

この わずかな差で、

風船の膨らみに大きな差がでてしまうんだ。

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