緑川 はな

食べたり飲んだり読んだり話したりする日々の記録。1987年の秋生まれ。長い文章を書けな…

緑川 はな

食べたり飲んだり読んだり話したりする日々の記録。1987年の秋生まれ。長い文章を書けなくなってきたことにこわくなって、文章を書く練習をしているところ。

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あの子とのさよなら

わたしはあの子じゃないし、あの子はわたしじゃない。 だから完全に分かり合えることなんてないことわかっている。 なのにどうしてそれを期待してしまったのだろう。 思えば、あの子が何かを話すときはいつもあの子の話だった。 いまがどういう状況で、いかにつらいか、いかにしんどいか、そういうことばかりだった。 わたしは頼られていることが嬉しくて、親身に話を聞いた。積極的にあの子と過ごす時間を作った。家にも泊めた。ご飯を作って、お布団を敷いて、一緒に寝た。 あれ、何か違和感あるな、とふ

    • なくしもの

      夫にもらったピアスを片耳なくした かなしい 何度なくしても見つかる小さなダイヤのかけら どうか家でなくしていますように 見つかりますように

      • 「生きてるんだから、生きててよ」

        西川美和さんの「永い言い訳」読了。 友達とスキーに出かけた妻を事故で亡くした小説家が、妻の友達の家族と一緒に、生きるほうを選んでいく物語 好き合っていたのに、いつの間にかすれ違い 妻がなにを考えていて、なにをすきなのかわからない夫 妻が亡くなった時間に、他の女とセックスしていた夫 権威を振りかざさないとひとと関われない夫 そんな彼が、遺族の会で妻の友達の家族と出会う なんとなく子守を引き受け、子どもたちに必要とされる存在になり、ようやく妻の死と向き合えるようになる す

        • 世界から家族が消えたら

          村田沙耶香さんの「殺人出産」「消滅世界」を続けて読了 夫婦がセックスをして子どもを産む時代が終わり、人工授精によって妊娠、出産するひとと、「産み人」という、10人産んだら1人殺しても許される人になったひとが子どもを産み、希望するひとが育てるようになった世界の話と、 ひとだけでなくアニメや漫画の世界のキャラも性的対象になり、夫婦間での性的行為は近親相姦といわれて忌み嫌われ、結婚の定義が揺らぐ中、実験都市では住人みんなが「おかあさん」として、住民の人工授精により産まれた子どもた

        あの子とのさよなら

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        • 物語にまつわる話
          3本
        • 食べる
          2本
        • いまの気分
          6本
        • 観たもの
          0本
        • すき
          0本

        記事

          ぬいぐるみは家族

          わたしたち夫婦は、ぬいぐるみと暮らしている 一緒に住み始めたとき、夫が長年連れ添ってるペンギンのぬいぐるみを連れてきた それがわたしとぺんの出会い ぬいぐるみはいい 喋らないけど、喋らせることができる 言いにくいことがあると、ぺんの口を借りて喋る 夫は「ぺんが言うなら仕方ないな」って、話を聞いてくれる ぬいぐるみはいい 抱きしめるとあったかいし 見守っててくれてるように見えるから 家でひとりでもさみしくない 毎日のお見送りも おかえりも いつだってぺんと一緒だ わた

          ぬいぐるみは家族

          安上がりワイフ

          昨日の日記 プレミアムフライデー前借りで早めに仕事切り上げて 所用を済ませ、お休みの夫と合流して一緒に帰宅 帰り道が一緒だと、それまでバラバラだった時間もデートをしていたような錯覚に陥るからたのしくなる 「うれしい〜デートしてたみたい〜〜わーい!!」 って言うと、 「安上がりワイフ!」 って言われる 小さなことで喜べる、こういう気持ちを大事にしてる 夫が千駄ヶ谷のあめんどろやで芋けんぴと芋タルトを買ってきてくれたので おやつにしながら、ミニスーファミで遊ぶ ゲームだいすき

          安上がりワイフ

          活字の海

          この世界にはたくさんの活字が落ちていて安心するなあ 部屋に読んだことない本があることも、 図書館や本屋に読みきれないほどの本があるのも安心する インターネットにもたくさん面白い活字が落ちている 安心するなあ #エッセイ #雑文 #活字中毒

          今、あえて野菜を

          ふとみた野菜高騰のニュースで、料理家や節約主婦にどう乗り切る?と聞いていて カット野菜を活用する!とか、冷凍野菜を買う!とか、代替案を答えている中で、 料理研究家の土井善晴先生が あえて野菜 と答えていて、とても好ましく思った 少し高いけど、家で作れば外食よりは安いし、肉や魚を少し減らして、あえて野菜を買いましょう、という考え 土井先生がお金を気にしなくていい生活を送っているからこういう回答になるのかもしれないけど とにかく安いものがいい、みたいな窮屈な生活から解

          今、あえて野菜を

          昨日

          ひとって簡単に死んじゃうんだなあ 一度しか会ったことない方の訃報をきいて ぼうっとしてしまった

          すきなひとと食べるごはんはおいしい

          毎日、できるだけ夫婦でごはんを一緒に食べたいと思っている 食べることは 生きること 夫と一緒に暮らし始めてから三年と少し 結婚してから一年半 そのうちの、半分くらいは一緒にごはんを食べている 夫の身体の半分くらいは、わたしと同じものでできている だからなのか 一緒にいる時間がそうさせるのか だんだん似てきたな、と思う お互いがお互いに影響されている のかもしれない 毎日毎日飽きずに向き合って くだらないことで笑って 無言の時間も苦じゃなくて 毎日毎日すきでいられること

          すきなひとと食べるごはんはおいしい

          一年のはじめに立てた抱負を年末に覚えていますか

          今年こそは、あれをしよう、これをしよう、と気持ちを新たにできる新年 でも思い返すと、だいたい忘れていて 去年のはじめになにをやりたいと思ったのかを全然覚えていない だけど毎年今年こそは、って気持ちになるのは、新年という空気にそうさせられている、ような気がする まずは去年を振り返ってみると、 ・転職をした ・結婚式をした ・阿波おどりをはじめた この3つが大きな出来事だった、のかな、多分 相変わらずライブに通ったり 夫とだらりらしたり ごはんをつくったり、飽きたり

          一年のはじめに立てた抱負を年末に覚えていますか

          本が身近にあるということ

          実家に帰ると本ばかり読んでいる 昔から、無造作にリビングに置いてある本を読む癖がある 父が図書館で借りて来たり、買ったりした、読みかけの本を置いてあるのが日常で、それがきっかけで好きになった作品がたくさんある 今日置いてあったのは、中山七里「ワルツを踊ろう」 限界集落にカテゴライズされる田舎に出戻って来た主人公が、集落に溶け込もうとして、失敗して、破滅していく物語 誰も好きになれなくて読みづらいな、と思っていたら最後の数ページで物語が動く動く ひえ、、と震えるラスト

          本が身近にあるということ

          気づけば20年くらいすきなひと

          気づけば20年くらいすきなひと

          SNS断食

          長い文章を読んだら書いたりできなくなってる もっと気軽に文章を書きたいのにな 人の反応ばかり気にしてしまう 信頼できると思ってたひとがこわくなる SNSから離れてみようとアプリを消してみる ついったからもインスタからもFBからもひとが消えていく わたしもこれらから消えたらどうなるのかな #日記 #エッセイ

          リセット

          10年くらい前に作ったブログについにログインできなくなった。何度アドレスを入力しても無効ですとエラーがでる。昨日舞台のチケットをとろうとして、クレジットカードのセキュリティコードまで入れたのに、何度確定しても同じ画面に戻って永遠ループ、ついに購入を諦めた、縁がなかったということだ。 日常ではなかなか物を捨てられないわりに、一旦いらないと思ったらすっぱり捨ててしまう、物も、人間関係も。だからすぐにいらないひとの存在がわたしの周りから消える、だから同窓会になんの興味もわかないし行