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美術散歩-「アンドリュー・ワイエスと丸沼芸術の森コレクション」@岐阜県現代陶磁美術館

(訪問日:2021/01/16)

どんよりとした、今にも雪が降りそうな空模様。
キリッとした冬の空気。
そんな日に訪れたのは、アンドリュー・ワイエスの展覧会。

彼の作品は、静謐でキリッと澄んだ空気を感じる。
例えそれが夏の絵であっても。

最初に見たのは、確か中学校の美術の教科書。
「クリスティーナの世界」だった。
私はてっきり、少女が助けを求めて丘の上の家に何かを叫んでいるのかと思った。

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実際は、オルソン・ハウスと呼ばれる家に住む、体の不自由なクリスティーナが、人の助けを借りずに街まで自分の両腕で這うようにして出かけた帰りだったと、何かの番組で知った。
彼女は決して悲観的に暮らしていたわけでは無かったのだ。それを知って衝撃を受けた。

A.ワイエスは、オルソン姉弟と親しくしており、2人をモデルにした作品を残している。

A.ワイエスの習作。
水彩画で、筆捌きが何気なさげで速いように見えるのに、しっかりと特徴を捉えている。
一眼レフで言うと、焦点を当てたい対象は丁寧に、それ以外はまるでフォーカスを外したかのように大まかに描いているように見えるが、これがすごくうまくて唸ってしまう。
今回の展覧会はそれらの習作やスケッチと、丸沼芸術の森所蔵の焼き物、村上隆らの現代アート作品を展示している。

村上隆も丸沼芸術の森にいたなんて、知らなかった。須崎社長の先見の明に脱帽してしまう。
しかも、次の世代を育てることが恩に報いること、と仰ったとか。なんともカッコいい。

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2階展示室には入江明日香の作品や、青木美歌のガラス作品も。

入江明日香の作品は、四天王や江戸の花見を題材にしているが、現代的で不思議な魅力がある。

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青木美歌の作品はどうやって作っているのかわからないけど、とにかく繊細で美しい。

陶芸コレクションも素晴らしいものばかり。
私もお金に余裕があれば、芸術に投資して若い世代を育てたり、素晴らしい作品を残したりしたいなぁ。

そんな風に感じた展覧会でした(笑)。

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展覧会は3月14日まで開催中ですが、事前に情報をご確認の上お出かけください。

岐阜県現代陶芸美術館:

それでは、素敵な美術散歩を♪

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