見出し画像

自作キーボードCharybdisのインプレ

Charybdisの使い心地はどうなの?

出来上がったキーボードを使用してみた感想を書いてみました。長文です。

トラックボールが落ち着かない

使って最初に感じたのは、トラックボールのホルダーが少しだけ不安定かな?という点です。

ボールを動かすと、ホルダーの支持球からボールが浮いて、時々カタンという音を立てます。

ボールは下から3点で支持されていますが、上から押さえつけるようなしくみは有りません。

ボールに対して横向きに一定以上の力が掛かると、傾斜していて押さえる力が弱い方向の支持球を乗り越えようとして、浮き上がります。
その直後にボール自身の重さで元の位置に戻るので、カタンと音がする感じです。

これは3点支持の傾斜を減らさないと解決しないような気がします。
もしくは、市販の親指型トラックボールの様に、ボールをはめ込むタイプにして固定するかです。

ただし、ボール操作に慣れれば、殆ど無くなるので、全く問題ではありません。

傾斜しています。

テントはどうなのか?

テンティングでキーボードの傾斜角を増やせば、タイピング時のポジションが改善されます。

Corneなどのキーボードでも、キーボードの底面に台の様な物を入れて斜めにしている事例が散見されます。

しかし、このCharybdisでテントを使う事は考えていません。 
デスクトップが余りにゴテゴテし過ぎで、正直に言えば目障りなレベルです。
機能性より見た目の方を取りました。

テントに乗せてみました。
圧迫感というか…塊感が凄いです。

Dactyl Manuformとの比較

エルゴノミクスの要であるケース形状は、Dactyl Manuformと比べるとやや不利な感じです。

デザイン性を考慮し、形状もマイルドなCharybdisに対して、Dactylは機能性一辺倒であり、Open SCAD上やDactyl Generatorで心ゆくまで調整して攻めた造形が可能です。

(進化版のCosmos Keyboard Configratorもあります)

Dactylの方はGeneratorで高さ調整して、
低い方の端を少し下げています。

こちらは後ろ側からの比較。

後ろから見たところ。
傾斜は緩やかですが、テントを使うと
もっと強くなります。
Dactylの方はGeneratorで調整して
少し傾斜を強めています。

おまけ:Dactyl Generatorで遊ぶ。

Generatorをいじれば
こんな曲率も可能です。

私の手元のDactyl manuformも、Generator上で曲率や傾斜を微調整してケースのSTLを出力しました。

しかし、この辺りにこだわり出すと「Kinesisを買え、Glove80を買え」という結論に行き着いて終わってしまいます。

どちらも人間工学を真摯に追求したキーボードで、購入したユーザーの評価は良好です。

しかし私はCharybdisを使うに際して、そこまでエルゴノミクスを追求しているわけではありません。

Charybdisは、手の形状に配慮したキーボードとしては十分に有用ですし、トラックボールという極めて大きなベネフィットがあります。

キータッチはどうかな?

タイピング体験は良好です。
ただしキースイッチの仕様や個人の好みにも影響されるので、そこら辺も考慮する必要があります。
キースイッチはFeker Holy Panda。
タクタイル感が強く、タッチ音はカコカコと明確に響くタイプです。

タイピング時の指の移動や距離は、Dactylと同様に通常キーボードと比べるとかなり改善されます。

分割キーボードを使う前に常用していたのは、同じ60%キーボードの範疇であるPOK3Rでした。

しかし、いったんSplit/Ergoのレイアウトを体験してしまうと、元に戻るのは辛いですね。


トラックボールの使い勝手は?

Charyrbdisは、親指式のトラックボール操作の再現を前提としており、それ故に生じる一つの問題に対処しています。

それはサムクラスターキーとボールの場所の取り合いです。
親指が無理なく届く範囲の一等地は限られており、ボールが専有するか、キーが専有するかで意見が割れます。

Charybdisでは、若干手のひら側に寄せていますがサムクラスターの一等地にボールを置いてます。一方で、親指用のキーも、若干伸ばす感じもしますが、無理の無い感じで3つ確保しており、上手くまとめていると思います。

このお陰でトラックボールの操作感は、やや親指が手のひら側に寄ってますが、親指式のトラックボールのポジションを再現出来ていると言えます。

ボタンについても、私はJ,K,Lに割当しましたので、人差し指と中指で操作できます。
QMKでAuto Mouse Layerを設定しているので、切り替えも意識しません。
従って、これまで使っていたM570と全く変わらない操作感を実現出来ています。

その反面、タイピング時にはボールと手のひらの干渉が懸念されます。これはCharybdisの構造的な不安材料であり、賛否の分かれる点でもあります。

幸いな事に、私の手とCharybdisでは、タイピング時にボールと手のひらが触れる事は殆ど無く、支障はありませんでした。

総論

タイピング、トラックボールの使用感は上記の通りです。

このCharybdisを使用し始めて一番変わったのは、マウスに手を伸ばす事が殆ど無くなったという点です。
つまりホームポジションから手を動かす必要がほぼ無くなりました。

これがCharybdisを使う事による最大の利点ではないかと思います。

ただし、マウスの完全な代替品となるかどうかは、ユーザーが使用するアプリケーションにもよります。
精密なカーソルの操作はCharybdisでは難しいケースもあると思います。

以上、簡単なインプレでした。

このキーボードを入手しようと検討している方の参考となったならば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?