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病気VS笑い①

つい数週間前、私は人生で初めての入院をした。
 コロナウイルスに感染したのだ。

今頃か!!!!そうきたか!

最初に私を診察したかなり高齢の医師(パソコンも使いこなせず、看護師さんに度々指導されていた。いや、むしろ怒られていた。)は、2日から4日で熱も収まり良くなっていきますと言ってくれた。

解熱剤も処方されて安心して帰ったが、熱は40℃、解熱剤を使っても38℃のまま5日が経った。
喉が痛いし、食欲がない。トイレを出た後に脱水症状で倒れて、しばらく手がグーのまま開かなかった。

点滴をしてもらいに再び病院へ行くと、レントゲンをとることになり、肺炎であることがわかった。
へぇ…そうですか…
そのまま入院と言われたが、4日くらいと言う事だったので、まぁ仕方ない。仕方ないよね。
パソコンが苦手なおじいちゃん先生は、前回より優しい口調で「大変でしたね、しんどかったでしょう」と項垂れてる私の顔を覗き込んだ。
涙が出そうで、顔が上げられず頷く事しかできなかった。
お優しさをありがとう、おじいちゃん。

コロナが落ち着いてきたと世間では言われていた頃だったのもあり、実際症状が軽くすむ子供や若者がほとんどな様で、私の住んでいる田舎の総合病院のコロナ病棟は私1人だけだった。

4日だしね、まぁ仕方ないね…そう思ったわりに、私は泣いた。しかも、うわぁーん!と子供のように。
我ながらしょぼいなと思った。

すぐに血液検査をして、コロナの検査も再度行われた。
すると、ウイルスの数値が異常に高いまま初日から全く減っていないと言う事がわかり、投与する薬と入院日数が増えた。

母に電話をして、もう1度泣いた。

その後、数日はよく覚えていないくらい体調が悪かった。
ちょうど重なった母の誕生日には初めて「死」が頭をかすめた。
 
こんなちょっとしたことで、死に近づくのだなとぼんやり思い、目尻からほんの少しだけじわっと涙が出た。もはや、うわぁーん!と泣く元気がなかった。

あぁ、ネット銀行の預金はどうなるんだろうか…次に考えたのはこれである。
泣いたわりには、現実的なのだった。

酸素濃度は低く、血圧も弱くなっていた中、私はお経のように家に帰りたい、家に帰りたい、家に帰りたいとつぶやいていた。 

そして、この私の強い念は神様っぽい誰かしらにちゃんと通じて叶うのだが、ビクビク、イライラ、メソメソ、モヤモヤしながらも最大限に面白がって過ごした、思いの外、良い経験となった入院生活の出来事をここに残しておきたい思った。

次回へ続きます☆

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