【1日1文献】地域在住高齢者のフレイルに対する作業機能障害 および作業バランスの検討:新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)流行下における質問紙調査#作業バランス#作業機能障害#フレイル

参考文献:地域在住高齢者のフレイルに対する作業機能障害 および作業バランスの検討:新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)流行下における質問紙調査
筆者:横山 和樹  , 宮嶋 涼松崎(木原) 由里子小塚 直樹池田 望
発行日:2022年
掲載元:作業療法の実践と科学 4 巻 (2022) 1 号
検索方法:インターネット
キーワード:フレイル作業機能障害作業バランス

【抄録】
・高齢者のフレイルについて生活を構成する作業の側面から捉えることは,新型コロナウイルス感染症の流行下にある現在ますます重要となっている.
・本研究は,地域在住高齢者のフレイルに対する作業機能障害および作業バランスを検討することを目的とした.
・地域在住高齢者45名に質問紙調査を実施した結果,フレイル群はロバスト群と比較して,有意に作業不均衡と作業剥奪の得点が高かった.
・特に,フレイルの中でも運動器の機能や抑うつ気分等が作業機能障害と有意に関連していた.
・一方で,義務や願望に基づく作業バランスについては両群に有意差を認めなかった.
・以上より,フレイルの改善に向けて,作業機能障害に着眼する意義は高いと考える

メモ
・65歳以上の介 護保険の要介護等認定率は18.5%であり2),高 齢者の5~6人に1人は介護や支援が必要な状態と推定できる.
・更なる高齢化率の増加に伴い, 医療や介護の需要は高まるが,生産年齢の人口 は減少し続けており1),その供給が追い付かな くなることが想定される.
・厚生労働省が2013年 度に開始した健康日本21(第二次)3)では,国 民の健康を増進し,社会保障制度が持続可能なものとなるよう,健康寿命の延伸を目標として 掲げている.
・2016年に調査された介護や支援が 必要となる期間(平均寿命と健康寿命の差)は 男性8.84年,女性12.35年であり1),
・この期間の 短縮に向けた予防の推進が社会的な課題となっ ている.

・本邦におけるフレイ ルの有病率は7.4%,その前段階を示すプレフ レイルの有病率は48.1%と高値を示している7). 
・フレイルは然るべき介入により健常な状態に戻 る状態とされており4,5),運動プログラム8), ウォーキングと健康教室9),運動に栄養介入や 認知機能トレーニングを加えた複合介入10)等の 心身機能を中心とした介入による効果が示されている.

・一方で,介護予防事業の中では活動や 参加に焦点を当てた介入も報告されつつあり11) , 価値・興味・役割等の人間作業モデルの構成要 素に基づく講義や演習12) ,ならびに活動と参加 を拡大するための生活目標設定手法13)がフレイ ルや QOLの改善につながることが報告されて いる.
・このように高齢者が住み慣れた地域で意 味のある生活行為を遂行していくことは,フレ イルの予防や改善に有効である可能性は高く, 「日常の生活行為が適切に行えない状態」を示 す作業機能障害14)や「義務・願望といった作業 の意味」に基づく作業バランス15)に着眼する意 義は大きい

・フレイルの測定には,基本チェックリスト(KihonChecklist,以下 KCL)18,19)を用いた. 
・KCLは,65歳以上の地域在住高齢者の要介護 状態となるリスクを予測することを目的に開発 された自記式の質問紙であり,フレイルの診断 方法であるCardiovascularHealthStudy基準 との高い併存的妥当性が確認されている

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psot/4/1/4_16/_pdf/-char/ja 


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